毒のある魚は美味しい、と昔から相場が決まっている。
もちろん筋肉に毒があるのはいただけない。
だが、鰭や内臓に毒がある場合は、その他の可食部がおいしいことが多いと思う。
もしかすると、彼らが毒を持つのはそのおいしい身を外敵に狙われないようにするためなのではないか、とすら思える。
例に挙げるまでもないが、オコゼやカサゴは言うまでもなく高級魚だ。
また匂いで敬遠する人は多いが、筆者の出身地である九州なんかではアイゴが比較的よく食べられていると思う。
昔、玄海島というところで釣りをしたとき、上物釣りの人が釣れたアイゴに手をやられ、涙目になりながらも丁寧に鰭と内臓を落としてクーラーに仕舞い込んだのを見た。筆者もたたきにしてよく食べたが、冬は脂がのってかなり美味しいと思う。
川魚でもギバチなどは地域によっては珍重されているらしい。ぜひ一度食べてみたいものだ。
さて、そんな毒魚フリークの筆者が最近ハマっているのが、今回のテーマ、ゴンズイである。
鰭の毒はかなり強烈で、昔は死者も出たというこの魚、なぜ好きなのかというと
①味がいい。
身もさることながら、成熟した卵巣がブリコのようですこぶる美味。
②釣れ易い。
東京湾で無ければ夜釣りで100%釣れる。
③外道が良い。
そもそも普通の釣り人にとってはゴンズイが外道だろう。
筆者がかつて釣ったことのあるゴンズイ釣りの外道は
1.30㎝オーバーのカサゴ
2.シロギス
3.アジゴ(関東では子アジというのかな)
4.メバル
5.メイタ(こっちではカイズか。クロダイの子供)
と超豪華オールスターズである。
味だけならゴンズイも負けないと思うけどね。
当ページのモデル「ざざむし」作成者のせつな氏はゴンズイの旬を「冬」と規定しているが、「市場魚貝類図鑑」のぼうずコンニャク氏は「春から夏」としている。
筆者はゴンズイの卵が好きなので、子持ちとなるこの時期(初夏)を旬ととらえている。
先日も釣りに行ってきたばかりだ。以下、その様子をレポートしたい。
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さる5月12日、三浦へゴンズイ釣りに行ってきた。
筆者の家から最も近いゴンズイ場は、三浦半島の相模湾側だ。
東京湾と違って水が綺麗で濁りもなく、意外ときれいな水域に住むゴンズイにとっても適した環境であるようだ。
三浦は浅い半島で岩礁帯に囲まれており、昼はタナゴの小物ぐらいしか見ることが出来ない。
しかしゴンズイ釣りは夜釣りとなるので、水深が浅くてもさほど関係ない。
前回ここで20㎝オーバーの大物をしこたま釣ったうえ、22㎝&30㎝のカサゴまで釣り上げたときは確か中潮の上げ潮だったと思うが、それでも2mちょっとしか水深がなかったと思う。
昼間だと基礎の石までがはっきり見えるようなところで、そんな大物をぶっこぬくと脳汁があふれ出して止まらなくなる。
到着したのは19時半、当然真っ暗なうえ常夜灯もない堤防なのだが、勝手知ったる場所なので特に不満はない。
ランタンとヘッドランプを用意し、仕掛けを準備する。
竿はこだわらないが、置き竿なので柔らかいものの方が食い込みが良い。
仕掛けも短めの胴付きで、針もハリスも大きめで問題ない。
これを3,4本並べ、先端に鈴をつけてのんびり待つ。
蚊とアブ、それにムカデが結構生息している(以前一度筆者の袖からコンニチワしたことがあった。脚からよじ登ってきたのであろうか)ので、それさえ気を付けておけば後は問題ない。
この日も一投目から鈴が鳴り響いた。
記念すべき1匹目はちょっと小さい。
こいつは大物!ピンボケだけど…
時合いが来るとつぎつぎ釣れる。そしてひとしきり釣れると、そのポイントでの食いが止まる。(深いところだと釣れ続けるみたい)
この時期、まだ夜は時々寒いので、防寒シートが役に立つ。
バケツの中でゴンズイ玉を作るゴンズイ達。
自然環境下では、このサイズになると単独行動になるので玉にはならないようだが…
ぼちぼち納竿かなぁ…と考えていると突然ひときわ大きな音が鳴り響き、竿先が海に突っ込んだ。
カサゴキター!?
クロアナゴでした。
50㎝位。
以前西伊豆の戸田で1mオーバーのものを釣り上げているのでインパクトはないが、こんな浅いところにもクロアナゴが生息しているのかぁ…と意味もなく感心してしまう。
よく美味しくないとか骨が固いとか言われるが、鱧だと思って食せば問題ないのですよ。
筆者は割と好きです。
潮止まりとなる22時に納竿。
ゴンズイ10、アナゴ1、金魚(ネンブツダイ)3という結果でした。
さあ帰って料理するぞー!!
コメント
[…] ゴンズイ・クロアナゴ釣り編 […]
いつも楽しく読ませて頂いてます。私も1人で渓流釣りにいくときがあります。今度、野草を食べてみようと思います。その時に参考に致します。