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日本における野生ブドウと言えばやっぱりヤマブドウ。
関東周辺だと標高1000m位から上の場所で見られ、晩秋のキノコ狩りの際にはよいお土産になります。むしろどっちが本命かわからないw
今年は例年と比べるとちょっと熟するのが遅いようで、熟しているようでも酸味の塊だったりすることがたびたびありますが、酸っぱい思いをして食べ頃を知るというのもまた一興でしょう。
有明海マスター小宮さん@ariake538を拉致してヤマブドウを食べさせ、酸味で顔をしかめさせるという悪魔の所業 pic.twitter.com/7IpCASHFvn
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) October 9, 2017
ヤマブドウの葉ってどうでしょう
さて、ブドウと言えば果実を食べるもの、それが我が国における認識。
しかし、最近では欧州・中東地域の食文化の影響を受け、他の部位も利用するようになってきていると思います。
すでに一般的なものとして、種油の採取が挙げられるでしょうか。
幼少時、我が家ではオリーブオイルの代わりに供されておりました。
エキストラバージンオリーブオイルと比べるとちょっと風味が弱いけど、美味しいんだよね。もうちょい安ければうちでも使いたいんですけど。
ワイン製造も広い意味では「果実を食べる」以外の利用法と言えるでしょう。皮と種が肝要だしね。
ぼくは国産の生食用ブドウ(ヴィティス・ラブルスカ系統)を使用した“狐臭い”ワインが年々好きになっておりまして、巨峰やデラウェアのみならず、ピオーネや藤稔のワインも、もっとたくさん作られていけばいいのになと思っています。
そして、日本ではまだ全然利用されていないけども、世界的には利用されているもの、それが葉です。
とくに中東~アラブ諸国では、ブドウの葉は食材として一般的。
風味づけや包みものとして活用されています。
ぼくも生まれて初めて食べたトルコ料理が、確か父親が買ってきてくれたブドウ葉の包みもの「サルマ」の缶詰。
ちょっとモサつくものの、厚みと食べごたえがあり、さわやかで鋭い酸味があって「エキゾチックとはこのことだ」と強く思ったのでした。
これを、ヤマブドウの葉でもできないか、というのが今回の趣旨です。
ヤマブドウでサルマを作ってみた
サルマとは「包みもの」といった程度の意味のようで、ロールキャベツなんかも広義ではサルマに含まれるようです。(ルーマニアには「サルマーレ」というロールキャベツがあるとのこと)
トルコのサルマにも大きく分けて2種類あり、メインディッシュにもできる肉詰めの温製と、おもに前菜として供される米を詰めた冷製が作られています。
今回は後者をやっていきます。
ヤマブドウの葉は、つるの先端部についている、まだ赤みの残る若葉を利用します。
秋でも採れないことはないけど、初夏までに採っておいたほうが楽です。
さっと茹で、塩漬けにしておくと長期間もちます。
みじん切りのタマネギをたっぷりのオリーブオイルで炒め、
火が通ったら刻みクルミ(ホントは松の実がよい)、生米を入れて良く炒めます。
水とクミンシード、塩コショウを入れて炒め煮にし、やや芯が残る程度に炊き上げます。
ヤマブドウは塩抜きをして水気をよく切り、
裏面を上にして、先ほど作った具を乗せて、
くるくると巻きます。
これを鍋に並べ、15分ほど蒸して米をしっかり炊き上げます。
冷蔵庫でしっかりと冷やせば完成。
いただきマース
……(≧~≦)
オイシィー!
はじめて作りましたが、うまく行きました。
まず、ヤマブドウの葉、期待以上の働き!
栽培種ブドウに負けない風味の強さ、そして酸味があるのですが、これがまるで梅干しのようにさわやかです。
「日本のブドウだから梅干しの風味がする」なんて話としてもでき過ぎですが、まさにこんな感じ。
そして具がまた美味しい。
あらゆるペアの中で「米+クミン」というのが一番エキゾチックさを感じさせてくれるような気がします。
オリーブオイルはたーっぷり使うのがコツ。グレープシードオイルだと風味が足りなさそう。。。
松の実の代わりにクルミでも全然問題ないカンジです。
ムチッカリッという食感は日本にはあまりないものです。
これ、野食会に出したいなぁ……
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
コメント
サルマ?って一瞬なりました。
イスタンブールに居た頃はまちなかでもドルマと一括りにされてたもんで。
サルマ→巻いたもの
ドルマ→詰めたもの
が語源だからほんとはサルマなんですね。
しかし美味しいそう。
たっぷりのフライパンで炒めて…