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マルヨシ商店購入録、続けてご紹介するのはこちら
イガグリガニ。
見た目、名前いずれもキャッチーで好ましいです。
誰がどう見ても毬栗だもんね。
このカニを見た人びとからは「かわいい」「(・ω・`)」「痛そう」「ヤバい」「上司に投げつけたい」などいろいろな感想が寄せられており、やはりキャラクターは大事だなと思い知らされます。
イガグリガニを食べてみた
このイガグリガニも、前項のツブエゾイバラガニと同じ「タラバガニ」のひとつ。
学術的にいうと異尾下目、いわゆるヤドカリの仲間ということになります。
なので脚がハサミ入れて4対、また脚のつき方も、カニ類では四辺形の胴の横から下にかけてつくことが多いのに対し、「タラバガニ」では天地逆にしたたこ型の上寄りについています。
これはツブエゾイバラガニですが、わかりやすいと思います。
それから、いわゆる「ふんどし」が肉厚で身がたっぷり詰まってます。
ここを外して引っ張ると、そのままずるりと腸(エビの背ワタ相当)が取れるのでありがたいです。
「ふんどし」をよく見ると、構成している甲羅のパーツが左右非対称で、「ヤドカリが尾を無理くり丸め込んで腹部ガードにした」ようすが伝わってきます。
ということで生態的にはかなり近いわけだけど、見た目がヤシガニっぽくワシャっとした感じのツブエゾ~と違い、全体的に丸みのあるフォルムがかわいいイガグリガニ。
とはいえこのカニ、食べるのはなかなか苦労しそうです。とくに身を取り出すときにやばい目にあいそうです。
そのためか、価格はツブエゾ~よりも若干安いみたいで、これで800円くらいでした。
さっそく捌いていこうと気合を入れ、手に取ったところ……
挟まれた!
結構痛いなこれは。。
深海から水揚げされた上に氷温状態のクーラーの中で一晩過ごして、なおもこの握力。
元気な時なら小指の爪ぐらい潰されてしまうかもしれないです。
爪に注意しながら、やたらとふくらみのあるふんどしを開いてみると
外子がたっぷり。
カニの場合は外子はモシャっとしてあまり美味しいものではないのですが、このイガグリガニの外子はえび子そっくりのプチプチ感。
味も期待できそうですね。
スプーンでこそぎ落とし、分けておきます。
ツブエゾ~と同様、脚を1本生食用に切り落としてから、蒸していきます。
いただきマース
……(´・〰・`)
すげぇしょっぱいし、水っぽい……
あんまり美味しいものではないかもです。
これならツブエゾ~のほうが美味しいな……
でも、カニの身は加熱後に真価が分かるもの。
蒸しあがったものを食べてみないことには。
さっそく、一番まとまった身がとれるふんどし部分を剥いてみます。
棘1本1本にしっかり身が入ってる様子が分かります。
例によって白く固まったたんぱく質がこびりつきます。風味は悪くない。
いただきマース
……(≧〰≦)
おおっ、これは美味しい!
ツブエゾ~が科の割にカニっぽい味をしていたのに対し、こちらは完全にタラバガニ系統というか、脂っぽさがハナサキガニを彷彿とさせます。
プリプリというよりムチムチ、ジューシーで濃厚で、カニ酢で食べるとエンドレスになります。
さらに、この子外子だけじゃなくて内子も持ってました。
……(;〰;*)
美味すぎて泣きが入るやつですね……
カニの内子に近いんだけど、もうちょっとこってりとしています。なんだろう、カニとシャコの合いの子みたいな……
脚はどうでしょう。
……(`・〰・´;)
うん、やっぱりハナサキガニっぽい。
棘の中までしっかり身が詰まっていて、歩留まりはそんなに悪くないけど、殻が硬くて身をほじるのが非常にしんどいです。
手が穴だらけになるわ……
外子ですが、白だしとみりん、酒で作った漬け地に数時間漬けておきました。
食べてみよう。
……(`・〰・´)
うん、プチプチして美味し……あれっ?
なんか一瞬だけ酸味が走りますね。
口に入れるとぷちっとした心地よい歯ごたえがあり、さらに旨味が続いて、サブリミナルのように酸味が現れた後また旨味が広がります。
その酸味、意味あるのか……? 忌避成分だとしたら全く役に立っていないですね。
胴の部分はやっぱりあまり身がないのですが、このイガグリガニ、ヤドカリ類なのにミソ(中腸腺)が生臭くなくて美味しい。
ちょっとエキゾチックな濃厚さがあるので、甲羅酒にするなら日本酒より紹興酒のほうが合いそう。
ということで、甲羅にミソと胴の肉を集めて、そこに紹興酒を注ぎ、さらに外子を浮かべて見ました。
……ッ!!(悶絶)
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
いやーこの価格でこれだけ楽しめるならサイコ―でしょ。
年末の内だけで2回も買っちゃったよ。
脚の肉までコンプリートするためには皮手袋なんかが必要になりそうだけど、苦労に見合う味ではあると思うので、見かけたらぜひ買ってみてください。
オヌヌメです。。
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