私事で恐縮だが、とある事情により昨年度より国民健保に入っている。
今年の中ごろからは厚生保険に戻すことが出来ると思うが、それにしても目玉が飛び出るほど高い。
週2で病院通いしても元が取れそうにないほどだ。
思案の末、できる限り財政状況を健全に保つべく「弁当男子」デビューをすることにした。
とはいえ、最近の食材の高騰具合を見るに、普通に料理するだけでは節約できないだろうという危惧もある。
やはりここは、「野食弁当」を取り入れていくほかないだろう。
もとよりエンゲル係数を下げるべく始めたHPなのだから、外で食材を採ってきて家でこそこそ食べてるだけでは効果も低い。
人前で堂々と食せてこその野食ニストといえよう。
また前置きが長くなったが、そういうわけで積極的に弁当に取り入れ、できるだけ食費を抑える努力をしていくことにする。
「ざざむし」の管理人様はかつて「食費1日15円生活」をタンポポでしのいだという。
そこまでは無理でも、食費の1~3割ほどを野食で賄えたらいいなと思っている。
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さて、前回の更新時にちょろっと触れたとおり、ゴールデンウィークには富士山へ山菜採りにも行った。
実は富士での山菜採りは初めてで、どこで何が採れるのかの見当はさっぱりついていなかった。(コゴミ位はどこにでもあるから分かるけど)
なのでとりあえずグーグル先生にお伺いを立て、最もポピュラーな「自衛隊北富士演習場」を訪れてみることにした。
日曜日のみ一般公開されるというこの演習場は、普段はオフローダーたちの聖地になっているようだ。
土煙を上げて疾走するバイクに気を付けながら、枯れたカヤをかき分けて中に入っていく。
ここは毎年初春に野焼きをおこなうため、ウドやワラビといった荒れ地の先駆植物たちが春に生え、収穫が出来るようだ。
よく見るとちらほら、山菜狩りと思われる人もいる。
さっそく緑色の芽を見つけた。
途中のコンビニで購入した眉毛剃りの刃を当て(包丁やカッターを自衛隊の演習地に持ち込む勇気がなかったので)、地中深くで切り取り引っこ抜く。
地中の茎は白く太く、いかにも美味しそうなウドだ。断面からはさわやかなウドの香りがする。
あちらこちらに生えているので、喜び勇んで採集していく。
場所を山中湖寄りに移し、地面を見てみるとワラビがちらほら生えている。
全体的に小さく貧弱なのが気になるが、せっかくなので大きめのものを選りながら収穫していく。
付け根を引っ張ると根っこから抜けてしまう。
機会があれば、この根からでんぷんを採集するのにも挑戦してみたい。
続いてコゴミを採りに向かったが、既に葉が展開しており採集はできなかった。
そこで出会った地元の人と思われるおじさんは、ほとんど展開した葉をたくさん収穫していた。美味しいのだろうか?
ついでだからと、世間話をしながらポイントの探りを入れてみると、「今年は野焼きの最中に雨が降ってうまく燃えなかったからワラビもウドも駄目だよ」と言われてしまった。
更に筆者の収穫物を見ながら「…なんだこれ?」というので、ウドですよご存じないですか、香りだってしますよ、というと「ん…そう言われれば、そうかも…?」と言葉を濁しながら立ち去ってしまった。
気を取り直し収穫を続けるも、「GWの渋滞があちらこちらで始まった」というラジオが聞こえてきたため早めの撤収を行う。
帰りに道のわきに生えていたスズタケのタケノコをちょっといただく。
もっとうちの近くに大量に生えていればいいのに…と思う。
帰宅し、すぐに下ごしらえを始める。
泥を落とし、枯れた枝を切っていくと、中から太い芽が転がり落ちる。
ここでちょっとした違和感。ウドってこんなに節々で分かれる植物だっけ…?
それでも芽がコロコロとして美味しそうだったので、天ぷら用にとっておき、残りを下ゆでする。
天ぷらは衣を米粉で作り、片面にだけつけて高温でからりとあげるのが山菜天ぷらの鉄則!
頂きまーす!
…まただ、またとんでもなく苦い。
筆者の取ってくるものはなぜ毎回これほどにも苦いのか…
そしてようやく気付く。
これは、ウドではない。
再びグーグル先生にお伺いを立てると、こいつはどうやらシシウドという異科の植物のようだ。(ウドはウコギ科、シシウドはセリ科)
東北の方では食用にし、とくに新芽を珍重するというが、無理だろこれ。えぐ過ぎるぞ。
どのサイトを調べても「なれるとすぐに区別できるよ」としか書いておらずイライラが増す。ユーザビリティーのかけらもねぇぜ!(八つ当たり)
かろうじて一か所だけ、区別方法に言及しているページがあった。そこによると、
・ウドは毛が荒々しく、シシウドは毛が生えていない⇒実際はシシウドも新芽には毛がびっしりと生えているが、ビロード状で柔らかい生え方をしている
・匂いが全然違う⇒比べたけどあまりわからない。一応ソムリエなので嗅覚にはそれなりの自信があるが、日ごろから嗅いでいないと分かりそうにない。しいて言えばシシウドはアシタバやセリ寄りの香りがする
・枝の分かれ目のところが赤くなっている⇒これが一番わかりやすい
その他、ずっと見比べていると、複合葉の先端の形の違いに気づいた。
ウドは一枚一枚独立しているのに対し、シシウドは先端の葉が楓のような形状をしている。
次回からはこれで見分けることにしよう。
畜生、せっかくバケツ一杯とったのに…
あまりにもったいないので、かつてアイヌの人が貯蔵用にしたという塩漬けをし、あく抜きに挑戦してみることにした。
これでだめならあきらめて全廃棄するしかない。
ということで今回のまとめ
・失敗は必ず起こるので、できれば食べる前に気づくべき
・現地でも積極的に確認し、必要があれば地元民に頭を下げて聞くべし
・毒草だったら死んでた。
・タケノコ採っといてよかった。
評価
シシウド:★★★☆☆☆☆☆☆☆ あく抜けて美味しくなったらもっと星付けます
備考:★の数は味、採りやすさ、コストパフォーマンスで決めています。
価格は種類、味わいが近いもの、スーパーマーケットにおける価格から、「これくらいならお店に売られてても買っていいぜ」という金額を独断で決定しています。その際参考にしたものを後ろに記載しています。
もう全部これでよくね?
コメント
ウドとシシウドの一目瞭然の区別方法としては、茎から分岐する枝葉の付け根部分と茎の部分に、明瞭な赤い横線の様なものがあるかないかです。あるのがシシウドです。またウドの茎から分岐する枝葉の付け根部分は、茎を包むように覆っていますが、シシウドの場合は、そうなっておらず、ただ分岐しています。こちらでは、ウドが終了間際にシシウドをよく見かけます。
シシタケさま
コメントありがとうございます!
こういうのってなんとなくのイメージで区別してて文字にするのが難しいので、わかりやすい解説をいただけるととても助かりますね。
ちなみにシシウドを食べられたことってありますか?
たどり着いたのが茸本さんの記事だった(笑)
判別のところ、本当に同意です。「慣れればわかる」と言われても慣れてないから記事を探してるのに…といつも憤り。
まあ、食べて致命傷にならないならシシウドかもしれないけど少し食べてみます。
YouTubeもいつも更新の度に見てますよ。ありがとうございます。