ワサビチョコ、ってあるじゃないですか。
ゲテモノかと思いきやそうでもなく、いやむしろ結構美味しいんじゃないのこれ、みたいな味のあれ。
キ〇トカ〇トみたいなブランド菓子でもたびたび商品化されています。
海外でも人気らしいね。
このワサビしかり、先日のフウトウカズラしかり、しっかりとした香りと刺激的な味を持った食材であれば、チョコに練り込むことで面白いマリアージュを見せてくれるということがわかります。
ということは、身近な山菜のアレも、意外とチョコに合うんじゃないかしら……?
クレソン生チョコを作ってみた
今の時期、流水の際のときに水中にもぐってしまいそうな場所に青々とした葉を茂らせている植物群落がみられます。
これはオランダガラシという外来植物で、一般的にはクレソンという通り名でよく知られています。
クレソンはワサビと同じアブラナ科に属する植物で、ワサビとホースラディッシュの中間のようなしっかりとした辛さと清涼感のある青い香りをもっています。
西欧諸国では肉料理への添え物として人気が高く、またサラダにされるなど野菜としてポピュラーです。
日本でも山梨県道志村など、山間の清水豊富な地域で栽培が盛んにおこなわれ、スーパーでも販売されています。
野生品と栽培品で風味に違いはなく、また首都圏でも川沿いで簡単に採取できることもあって、大変有用な山菜です。
ただ一方で非常に繁殖力の強い外来植物でもあり、要注意外来生物に指定されています。
採取の際は根などの植物片が生育地以外に落下しないよう十二分に注意しましょう。
クレソンは大きくなっても全草が柔らかく、食用にできますが、辛みを求めるなら幼植物の方がよいです。
寒冷地に多く、冷たい水を好みますが、汚れた水でも簡単に成長できるので、採取の際は水質に気を付けましょう。
今回は生のまま食用にするので、湧き水の豊富な場所で採取したものを使います。
できるだけ小さいものを採り集め、よく洗って
ミキサーでスムージー状にします。
辛み成分と香り成分を抽出すべくアルコールを加えます。
今回は「ワサビの代替品」を目指しているので和風に、焼酎を使いましょう。
クーベルチュールチョコを湯煎・テンパリングし
クリームとクレソンエキスを投入してよく混ぜます。
……!
あっという間に凝固し、湯煎をしても溶けなくなりました。
チョコにクレソンを入れると凝固する、 のシェフの皆さん、覚えておいてください。
これを延ばして冷やし固めれば
クレソン生チョコ、完成!
いただきマース
……(・〰・;)
アッこれはちょっと、あれだ……その……珍味だ。
口当たりは良いのです、ざらつきそうな見た目にも関わらずむしろ口どけよく、甘さの中にクレソン特有のピリリとした刺激が広がります。
でもそのまま味わい続けてると、去り際にぐわっと青臭さが広がり、フェードアウトしていきます。
この青み、クレソン単体で食べたときは非常に心地よいのですが、チョコとは合わない類のやつです。
そういえばチ〇ルチョコのワサビ味も「青臭さ」に難を示していた人がいたなぁ…
これ、バターとかでさっと炒めたりしたら消える類の青臭さだろうか。クレソンって生以外で食べないからちょっと想像つかないけど……
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
前述の道志村ではクレソンをかなり推しており、パンやソバなどあらゆるものにクレソンが練り込まれています。
そのノリでチョコも……と思って試してみましたが、一工夫二工夫が必要っぽい。
興味のある人はワイの屍を越えてさらに挑んでみてください。挑み甲斐はあると思います。
コメント
クレソンのおひたし美味しいですよ
ヒルの付着対策で火を入れて食べる人はけっこういると思います
クレソンは火を通してもとても美味しいですよ。
醤油仕立ての汁物にしたり、天ぷらなんかも良く家で食べました。
ただ、辛味は抜けてしまうので、いわゆるクレソンらしさはなくなってしまうとは思いますが…
いつも楽しく読ませて頂いております。
今回の記事で特に何をしている訳でもない私が個人的に思ったことがありますので失礼致します。
香りの方向性がなんとなく合っているスパイス同士を混ぜると、風味の角がとれて癖が目立たなくなる。という記事を読んだことがあり、私自身シナモンとナツメグの組み合わせでそのことを実感しています。
野草の青臭さを軽減させるには、市販のスパイスやハーブと合わせるか、乾燥させて(レンジやオーブンよりも天日干しがいいかも?)度数の強いアルコールに漬けて抽出する、もしくは、お茶パックにいれて沸騰させないように温めた生クリームにいれて煮出すといいかもしれません。
料理とお菓子作りは求められるセンスが少し異なってくるという話も聞きますので、パティシエの方やお菓子作りを趣味にしている方に相談されてみても良いかもしれません。
おせっかい失礼致しました。