新幹線みたいな頭をしたハゼ「ドロメ」を食べた

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穴釣りの最中、穴探しに煮詰まって足元の水深10cmほどの穴にブラクリを垂らしてみたら、変わったハゼが食いついてきた。

大きさは15cmほど、カラーリングや胴体の見た目はヌマチチブなどのいわゆる「ドンコ」なのだが、大きく違うのはその顔。

ドロメ,三浦

速そう


先端がマゴチのようにぺったんこで、口も「がま口」のように大きく開く。
全体的にはまさに新幹線N700系のような形状をしている。
流体力学的にはさぞかし優秀だろう。 

大きな口の中には細かく鋭い刃がびっしりと並び、指に噛みつかせるとマジックテープのごとき吸着力。

ドロメ

死んでるのにこの通り


サンマの切り身に食いついてきたし、フィッシュイーター系なのは間違いあるまい。

だとすればなかなかイケる味わいなのでは無かろうか。
種名は後で調べるとして、とりあえず持って帰って食べてみよう。

ドロメ、かなぁ…?

帰宅してから図鑑やネット、魚に詳しい友人に聞くなどしてみたが、残念ながらこれだ!という確信に行き当たることはなかった。

ドロメ,料理

頭でかい


唯一、新さかな大図鑑(今は亡き釣りサンデー刊)に掲載されていたドロメの写真の、体表の模様のみが似ていると感じた。

暫定的にドロメとした上でいろいろ文献に当たっていると、友人で生き物ライターのHさんから
ドロメは成長すると頭がぺったんこになるらしいよ!
という福音が!

さすがはHさん。やはり持つべきものは魚に詳しい友人である。

ドロメを刺身で食べてみた

例によって一発目は刺身で身質と味を見てみることにした。

頭を落とし、内臓を出すと、スライスしたからすみのような見た目、硬さの物体が出てきた。 

ドロメ,卵巣

固くてしっかりしている


これは…卵巣でいいんだろうな…
食べてみようかな…
いや、やめとこう。身は食べられるけど卵巣は毒って魚もいるし、何よりこれ以上リスク要因を増やしたら、いざってとき何で腹こわしたか解らなくなる(笑)

と言うことで内臓は肝以外すべて捨て、三枚に下ろし、皮を引いて、腹骨をすいて

完成!

ドロメ,刺身

身の色は悪くない。なんとなく肝も添えてみた


ちなみにいつも活け作り風にしてるのは、後で画像をソートしたときに何の刺身かすぐに解るようにしたいからです。

いただきまーす
…(・~・`)

なんて言うのかな、コクと個性と癖のちょうど中間のような味がする。
香りとしてはちょっと海藻のような、あるいはヨモギのような独特の青臭さがあるが、タカノハダイほどには強くない。
食べられない人はいないと思うが、おいしいと感じるかはまた別かもしれない。

そして恐らく、この類の風味は天ぷらにすると美味しくなるはずだ。
シロギスやスズキを刺身で食べたときのような、麦藁のようなひなびた薫りがあるのだ。

味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆

それにしても、成長過程でマゴチのようなぺったんこ顔になってしまうとは驚きだ。
それだけ魚食性が強くなっていくのだろう。

――――――――――
さて、また週末がくる。
今度はどこでどんな食材が手に入るだろうか。

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