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cakesにて茸本朗の連載
「野食ハンターの七転八倒日記」
が始まりました!
野食失敗体験を中心に、ブログとはちょっと違った切り口の記事を公開していく予定です。
合わせてお楽しみいただけると嬉しいです。
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野食たんぱく質で最も手軽なものって何ですか? という質問はよくいただきます。
これについてはいろいろな説があると思いますが、個人的には首都圏の街中であればコイ、ウシガエルあるいはミドリガメをその候補にあげたいです。
いずれも都心の川でも見かけるほどに生息数が多く、また移入種(外来種)であるため採取にあたり問題が発生しづらいです。
これらのうち、最もメジャーであるはずのコイについて、そういえばまだブログネタになっていなかったなーと思っていた矢先、
ワッキー鯉釣りに行こう
— 小林銅蟲 (@doom_k) 2018年5月7日
よしきた!
都市部の川でコイを釣って食べよう!
というわけであくる日、向かったのは多摩西部の某河川。
一見、街中にあるごく普通の都市河川といった趣ですが、流域全体に湧き水が多くいつでも流量が多いため、水質が(都市にしては)非常に良いです。
多摩西部は国分寺崖線、立川崖線添いを中心に湧き水が多く、それを水源とする小河川群の水質は沿線住民の想像以上に良いのですね。
(場所によっては土壌汚染により湧き水そのものが汚染されちゃってる場合もあるから、気になる方は調べてから釣りに行くのがいいでしょう)
コイは何でも食べるうえとても大きくなり、河川の汚染物質をため込んでしまいます。
ちょっとでも水質の良いところを選ぶのが美味しく食べるコツ。
ちなみに「臭みを抜くためにきれいな水に放つ」というのは、コイの場合は月単位で行わないと効果が出ないと思います。
身が痩せて美味しくなくなるだけなのでおすすめしません。
餌ですが、とりあえずパンでいいです。
こういうところのコイは大体の場合パンを常食しており、目の前を流すと一発で食ってきます。
群れでいるときはある程度狙って釣ることも可能。
できるだけ流れの中にたゆたっている、鰭がぴんときれいな個体がいいと思います。
狙うポイントは細い川なので、竿がなくてもペットボトルに釣り糸を巻いたものがあれば釣りになります。
でも、橋の上から糸を垂らすのは大体の場合道路交通法違反になるので、やめといたほうがいいですね。
あ、あと時々近所のじいちゃんが「コイを釣るな!」とクレームをつけてくることがあります。
日ごろパンなどで餌付けしてたりするんでしょうね。
暇な方はそういうじいちゃんに「コイがいかに環境を破壊しているか」をコンコンと説くのもいいでしょうが、めんどい人は「あーすいませんねー」くらいにはぐらかして場所を変えるのがおススメ。
ときにノーモーションでお巡りさんを呼ばれることもあります。
犯罪じゃないのでこちらに非はなく、お巡りさんも分かってくれてるんだけど、それはそれとして場所を変えてくれるようにお願いされてしまうので、素直に従いましょう。
幸い今回はとくにトラブルもなく、鰭ピンの綺麗なマゴイが手に入りました。
ちょっとでかく、普通の都市河川産だったら臭みが気になるところでしょうが、ここのならたぶん大丈夫でしょう。
ビール煮を作ってみた
さて、今回はコイを釣るにあたり「ビール煮にしてみたいなぁ」という考えがありました。
コイのビール煮はチェコ共和国プラハの名物料理で、クリスマスに食べられるごちそうのひとつとのこと。
ヨーロッパでコイと聞くとちょっと意外にも思えますが、チェコやハンガリーのような東欧の内陸国は、首都近辺に大河が流れていることもあってコイ料理が盛んに食べられているそうです。
それからもうひとつ。
コイなどの川魚の臭みは、酒(アルコール)を使って調理すると消すことができることが多いです。
だから、仮に都市河川らしい臭みがあったとしても、ビール煮にすると食べやすくなるのではないか、と思ったのです。
早速やっていきます。
まず、コイはしっかりと締めて血を抜いておきます。
全体をペーパータオルでよく拭き、ヌメリを落とします。
続いて鱗を落とします。
某グルメ漫画の影響もあり「コイの鱗は落としてはいけない」といった思想を耳にすることがありますが、清水で畜養されたものならともかく、通常河川のものは鱗に臭みがたまるので早々に落とした方がよいです。
大きくて鱗取りが使いにくいので、手刀でべりべり剥がしていきましょう。
三枚におろし、腹骨をそぎます。
ここも臭みがたまりやすいので大きめにそぎ落としましょう。
そのためにデカいの釣ってきたわけだし。。
塩コショウをして、ペーパータオルにくるんで少し寝かせます。
フライパンに油を熱し、ニンニク、人参・ジャガイモ・玉ねぎを刻んでよく炒めます。
ここにコイの身を入れて
皮→身→皮の順にソテーします。
皮目が少しパリッとするレベルまで、しっかり火を通しましょう。
皮目にたまりやすい臭みをしっかりと飛ばすイメージで。。
ここにビールをどぼどぼと注ぎ、
ローレル、オレガノ、黒コショウを入れて、蓋をして1時間ほど煮込みます。
これで完成。
……(`・〰・´)
うむ、美味しいですね。
ビールとスパイスの力で臭みは全くありません。
懸念の皮目はゼラチンがトロっとして美味しく、また血合いも嫌味なく食べられます。
よく煮込むことでビールの苦みもまろやかになり、食べやすいですね。
コイはゼラチン質が多いので、苦みとの相性がいいですね。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
都市河川のコイでも、臭みが少ないものを釣って、さらに臭みを飛ばせる調理法を選べば普通に美味しく食べられるということがわかりますね。
ではもし、釣ったコイが非常に臭かったら……?
これについてはまた別の料理を考えてみたいと思います。
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