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cakesにて茸本朗の連載
「野食ハンターの七転八倒日記」
が始まりました!
野食失敗体験を中心に、ブログとはちょっと違った切り口の記事を公開していく予定です。
合わせてお楽しみいただけると嬉しいです。
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先日、茨城・那珂湊おさかな市場をうろついていると、
マグロヘッドがこっちを見ていました。
クロマグロ(本マグロ)かな……?
お店のおじさん「お兄さん、1000円でいいからそれ持ってってよ! 安いでしょ?」
ぼく「安い! ゼロ1個足りないんじゃないかと思いましたよ(小学生並みの冗談)」
おじさん「(・∀・´*)(別のおじさんに)このお兄さん、1万円でお買い上げだよっ!」
ぼく「やめてぇえぇ」
というわけで1000円でクロマグロの頭が手に入りました。
都内の炉端焼き屋とかに卸したら、1個数千円で買ってくれるような気がするけど……まあ、買い手がなかなか出ないんだろうな。
吻の先端から鰓ぶたの1番後ろまで、ゆうに50cmはあります。
全長は2m近くあったんじゃないでしょうか。
那珂湊はたまにこういうことがあるので侮れない。観光客向けのヘンな巨大魚とかパーツとかあって、夕方ごろ行くと安くたたき売ってくれることがあるんですね。
こんなサイズの頭が入るクーラーボックスを持っていないので、コンビニでビニール袋とブロック氷を3つ購入し、ぐるぐるに巻いて持って帰ってきました。
頭本体よりそっちの方が高くついた(白目)
丸ごと使ってラーメンを作ってみた
持ち帰ってきたマグロヘッズ。
銅蟲さんちに突撃してあのどデカい寸胴を借りてこようかとも思ったのですが、冷静に考えると丸ごと調理してもどうしようもないデカさです。
それに「脳天」や「カマトロ」など、いっしょくたに調理してしまうにはもったいないパーツもたくさんあります。(お店の人曰く「鮮度は最高、刺身もいける」)
ということで、地道に解体していくことにしました。
あんまりこういうこと言いたくないけど、以降グロ画像注意です。
魚もデカいと哺乳類的生々しさが出るな……Google先生に怒られないといいけど。
まずは頭部の肉、いわゆる脳天を切り出します。
完全に大トロだなこれ。なぜ頭のすぐ後ろの肉にこれほど脂がのるんだろう?
頭部の皮のうち、鱗のない部分はべりべり剥いでおきましょう。
ゼラチンたっぷりだし美味そう。
もんの凄い量のおりこう酸ですね。脳力350くらい行きそう。逮捕だぁー!!
鰓ぶたを切り開いて
ほほ肉を取り出します。
喉の肉はパーツごとに切りだし、
目玉は表から出刃でくりぬいて
取り出します。
目玉を取り出すと隠しステージが現れます。
ほほ裏の部分かな。無視できない量の肉です。
こっちが取り出した筋肉。ほほ肉以外は大トロです。
こっちはパーツのほう。塩をあてて保存しときましょう。
つづいて骨をばらします。
大出刃を鉈のように振りおろし、鰓を叩き割っていきます。
ごめんね、あとで研ぎ直すからね……
風呂場に出刃包丁は控えめにいって放送事故ですね。
ちなみにこの後風呂場を流したら、石鹸を使わずともきれいに流れました。さすがはDHAおりこう酸の力ですね。ふじこちゃんもお肌すべすべ。
頭骨を取り出し、熱湯をさっと浴びせて血の汚れを落とします。
これをうちの寸胴……という名のパスタ鍋に無理やり押し込んで、
ぐつぐつ煮ていきます。
なみなみ入れた水が半分になるころ、ヘラで骨をぐいぐい押すと
バキバキに砕けてくれました。
やはり豚骨や牛骨よりは柔らかいのね。。
ネギとニンニクを加え、そのままさらに半量になるまで煮詰めます。
おりこう酸が乳化して豚骨スープのような見た目になりました。
匂いは完全に炉端焼き屋のそれです。
いっぽう、先ほど取り出した脳天をグリルで焼き、
みりんと醤油で作ったカエシに漬けこんでおきます。
このカエシをスープで割り
漬けこんだ脳天をスライスしてチャーシュー的なものに。
麺を茹でて入れ、割った茹で卵と、出汁醤油漬けの茎わさびを盛り付ければ
完成!
マグロ1匹から1杯しか採れない幻のラーメンです。人件費を考えると5000円はいただきたいですね。
さっそく食べてみましょう……
……(`・∀・´*)
見た目に反してスープはさらさらしており、しつこさは皆無。
不飽和脂肪酸全開のスープですね。
一方でゼラチンはすごく、口についたはしから膠化してぺとつきます。
そして旨みがすごい! さすがは本マグロですね。
チャーシューはプリプリトロトロしていて最高に美味い。
茎わさびもジャストです。
全体的に、食べログで4点台を狙えそうなスターティングラインナップになりました。でも値段が高すぎかな……?
味:★★★★★
価格:★★★★☆
コメント
マグロの脳天でラーメンとは豪快かつ贅沢ですな。私も刺身や煮付けで食べたことがありましたが、どうにも胃が受け付けてくれませんでしたね……..