というわけで、たいへんたいへん貴重な有明海産のウミタケ(活け)を調理していきたいと思います。
まずは殻を剥いて、本体を露出させましょう……
……ほとんど変わんねぇな。
まあ、四六時中水管を晒しながら生きているようなもんだからなぁ。
ここで豆知識を挿入すると、ウミタケを採るときは「海茸ねじり」という、先端がT字型になった棒を海底に押し当ててくるりと回転させます。
そうすると、地面に接している棒に水管がぐにゅっと引っかかってしまい、そのまま引き上げると本体もずぼっと抜けてあがってくるそうです。
……ウミタケさん、ちょっとやる気なさ過ぎやしませんかねぇ……
「あー引っかかっちゃったーあー持ち上げられるー」みたいな感じでしょうか。
きみたちはそんな人生でいいのか。
水管部分と本体を切り分けます。
ウミタケはふつう、体積の8割以上を占める水管のみを食用にしますが、せっかくの有明ウミタケ、そんな無駄なことはできません。
内臓は切り開いて、中の砂をよく洗い落としておきましょう。
水管は切り開いてくぱぁし、さっと洗って水気をよく切ります。
活きがよすぎて切った端から縮んでいきます。いやーマジで、生きているうちに活けのウミタケに出会えるとは……感動ですバイ。
とりあえず刺身にしてみよう。
表皮を剥いて……
……剥いて……
……剥けない!
新鮮だからかな?
しょうがないのでヌメリをよく拭きとるだけにしよう。
このどんなふうに役に立ってるのかわからない足も、切り出して刺身にします。
刺身できました(`・ω・´)
いただきマース
……Σ(`・〰・´;)
ちょーっと生臭みが……
でも、それ以上に強い甘みと、うま味調味料を振りかけたような強烈な旨味を感じます。
旨味だけなら黒みる貝に匹敵するかもしれない。
まあ、生臭みがあるので好みは分かれそうだけど……
表皮はちょっと舌に触るね。
足の刺身はコリコリっとして甘みがあるのと、ちょっと残った内臓がクリームソースみたいな濃厚さがあります。
内臓生で食べていいかわからないから、おススメできないけど……
この臭みは加熱すると消えるタイプかな……と思ったので、シソと合わせてバターで炒めてみました。
表皮はやっぱりそのまま。
……(≧〰≦)
こ、これは……! めちゃくちゃうまい!
旨味の塊やんけ!!
水管の先端寄りはサクサクとした歯ごたえがあるさっぱりとした味わいですが、付け根寄りはコリコリとして濃厚な旨味が襲ってきます。
そしてこの残した表皮がまるで海苔のような舌触りと香りで、独特な風味を添加しています。
あまり火を通し過ぎず、さっと加熱するのにとどめたのがよかったのかもしれない。
刺身ではなく、さっと湯通しする程度の湯引きにするのがよかったかな……?
残った肝の部分は、醤油味でさっと煮つけてみました。
……(・〰・)
ぷりぷりしていて、肝の味って感じでとても濃厚ですね。
油っぽさが強くて、なんとなくイカゴロ(イカの内臓)に似ているような……
味:★★★★★
価格:★★★★☆
まあ、干すだけであれだけ味わい深いものになるんだから、もともとものすごい量の旨味を含んでいるのは間違いないわけですが、それでもこんな味の素ぶちまけたような濃厚さは予想できませんでした。
サクサクして甘みがあるだけの白みる貝とはまったくレベルの違う味わいです。
こんなのがいっぱい獲れたらいいなぁ……ホント幸せだろうなぁ……
有明海よ、どうか復活してくれ……できることは何でもやるから……
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