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台風が大挙して押し寄せるこの時期になると、ちょっと水深のある港や磯ではそこそこ型の良いカワハギが釣れ始めます。
彼ら、ぱっと見は大きくてとても美味しそうなのですが、実際のところ市場価値はそこまで高くありません。なぜなら、カワハギの最大の魅力である「肝」がちっとも入っていないからです。
フグ目の魚であるカワハギは、皮下脂肪や内臓脂肪をほとんど持たない代わりに、肝臓に栄養分を溜め込みます。つまり、多くの魚が皮下脂肪を溜め込んで水温の下がる冬に備えるのと同様に、カワハギは肝臓をフォアグラ状態にして冬に備えるのです。
今ではカワハギ類、特に本カワハギの活締めは非常に高い値段で売られますが、これは「肝臓を食べられないフグの代替品として珍重されている」からという側面があります。もちろん身だけでも美味しいんですけど、やっぱり肝臓がないと価値が下がってしまうのはやむを得ないところでしょう。
釣りであればリリースするというのも一つの手ですが、サイズだけはやたらと良いのでついつい持ち帰ってしまうことがあります。あるいは定置網漁などで獲れてしまうと、活〆にもできず肝もなくということで捨て値でたたき売られてしまうものもあります。これを捨ててしまうのはもったいない。
ちなみに肝臓の詰まっていないカワハギは、まるでウマズラハギのように縦に長くなっている個体が多いです。こいつらも冬になって肝臓が肥大すると、あの独特のひし形のシルエットになるんでしょうか……
丸焼きで食えば無問題
さて、そんな残念な夏のカワハギですが、 ある食べ方で美味しく食べられます。
それは丸焼き!
普通、カワハギは調理の前にその名の通り表皮をべろりと剥がれてしまいます。
カワハギの表皮は鱗と一体化して非常に固く、煮ても焼いても食べることができないうえ、味もしみ込まないので、取り除かれてしまうのです。
しかし、それを逆手に取ったのが丸焼きという調理法。
作り方は非常に簡単で、きれいに洗ったカワハギをそのままグリルでしっかりと焼くだけです。鰭や棘が焦げてしまうくらいしっかりと焼いて、中まで火を通します。
この丈夫な皮が身の水分の蒸発を防ぎ、ふっくらと柔らかく蒸し焼き状態にしてくれるのです。
焼けました。いただきマース
……(≧ω≦)ヨイ
蒸し焼きにすると、まるで皮下脂肪があるかのようにトロっと柔らかく、甘みのある味わいが楽しめます。実際に脂は持っているのだろうか。
もちろん、どれだけ調理前に下味をつけても、皮から下に味が染み込むことはないので、焼きあがった身にポン酢をかけたり、生姜醤油をつけて食べたりするのがおすすめです。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
あーでもやっぱり肝パンパンのカワハギが釣りたいなー(´Д`)
早く晩秋にならないかなー
肝醤油……肝和え……肝たたき……じゅるり……
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