超熟成オオナ酒盗を野食会に持ち込んでみた

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笠岡・瀬戸内野食会にご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!

素晴らしい会場に瀬戸内の美食材があつまり、本当に楽しい会になってくれました。改めて、心よりお礼申し上げます。
今後も笠岡の地で色々面白いことをやっていく予定です。瀬戸内離島サバイバルツアーとか( ̄ー ̄)
またどうぞ、お付き合いいただければ幸いです。

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自作酒盗が旨味のかたまりだった件

さて、野食会開催前にぼくはこんな感じの予告めいたツイートをしていました。

これについて「あれどうなったの?」「なかったじゃん」というクレームをいただいていますが、実はちゃんとご提供していたのです。
なんだけど、机の上に蓋をしたまま置きっぱなしにしていて説明するのを忘れていたので、皆さん不信に思ったままノータッチになっていたようです。期待してこられた方、本当にごめんなさい。


実はこれ、オオナ(イカナゴ成魚)の塩辛なのです。しかも、内臓だけの。

昨年春、まとまった量のオオナを岡山の翔さんから送ってもらったときに、内臓のみを塩と塩麹(会場では塩って言いましたが、塩麹も入っていましたすみません)で漬けて置いといたのですが、先日冷蔵庫を整理しているときに発掘されて存在を思い出したのです。

イカナゴ(オオナ)のなんちゃって酒盗
以前、「クログチ」という魚の記事で、こんなことを書きました。 “ 日本には、食材の味を表す際に「ご飯の量で表現する」というユニークな文化がございますね(他国でもそういうのあるとは思うけどさ)。 イカナゴのくぎ煮でどんぶり飯いっぱい...

↑これの21か月後の姿。

オオナが内臓ごと食べられてめちゃくちゃ美味いよって話は過去に何度かしていますが、とはいえ内臓ばかりを生ですすり続けるというのもちょっと難しい。
かといって棄ててしまうのは勿体ないし……とりあえず腐らない程度の塩漬けにしておこう、そんな感じで仕込んだ記憶があります。

仕込んだときは固形物だったのですが、1年半の時を経てどろっどろの液体と化し、その上で旨味が液面にて結晶化し再び固形物になろうとしていました。



見た目がご覧の通り壮絶な感じなので、容器の蓋を開けたときはかなりヒヨって捨てようかなとも思ったのですが、匂いを嗅いでみるとアンチョビのような食欲の湧く強い香りがあり、もしや……という気が起こり始めます。
試しに固形部分を一つまみ口にいれてみると……

……(*゚Д゚*)ウマー!!
すげー、これは旨味の塊、いや旨味そのものだ!

ナンプラーやアンチョビの旨味をもっと強くし、味をまろやかにして香りのトゲをとったような……塩辛いはずなんだけど、舌が塩の刺激を感じる前に強烈な旨味が口中に貼り付いてしまうのでそれしか感じられない。例えは極悪ですがベニテングタケを食べたときの感覚に似ています。これはイノシン酸の旨味なんだろうか、消化酵素の働きでやべーアミノ酸が醸成されてしまったとか、そういうことはないんだろうか。。


なんにしても「それをすてるなんてとんでもない!」ということでオリーブオイルと和えて野食会に持ち込むことにしたわけです。

二次会でかくかくしかじかと説明し、残っていたみなさんに食べていただいたのですが……


「ヤバい、危険すぎる旨さ」
「これは酒が盗まれる」
「(食べようとしたくりふじ氏に)おいやめろ、死ぬぞ」

などと予想通りの好評。

ご飯にかけたり大根おろしと和えたりしつつ、次々と酒瓶が空になっていく様子を見てひとり悦に入っていました。ね、美味いでしょ?


内臓だけの塩辛という意味ではアユのうるかと共通しますが、あれが卵巣や内臓の爽やかな香りを楽しむものであるのに対し、このオオナのそれは内臓そのものと内臓脂肪のコクを楽しむものなのかなぁという感じがします。
他に似たような味になりそうな魚が思い付きません。サンマあたりはワンチャンあるかな?

味:★★★★★ 個人的には塩辛として最高峰
価格:★★★☆☆ 廃棄する部位で作れるけど、オオナ自体がいまや高級魚なので……


もしこれでパスタとか作ったら何人殺せるだろうか、まさにテロですね。今度の野食会でも出そうかな。。

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魚介その1(魚系)
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