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2020.4.30最新動画→#3 ウツボで鶏のタタキ!?~ウツボ調理編~
先日からたびたびネタにしとります茶葉ですが、ツイート見てると「えっ、お茶ってその辺で採れるの?」というコメントが散見されるので改めてご説明しませう。
まず、各種お茶の原料となる「チャノキ」は中国~南アジア原産と考えられており、本来日本には自生していない植物です。
しかし、かつて栄西をはじめとする偉いお坊さん達が「禅の修行のお供に」と日本各地に種を持ち込み、それ以降日本でも育てられるようになりました。(諸説あり)
高温多湿で日照量も多い日本の南部はチャノキの生育にとても向いており、日本人の味覚に合ったこともあって栽培地域はあっという間に増えました。
しかもそれだけでなく、チャノキが含まれるツバキ科の植物は実生(種から育つ)でバンバン増えるタイプ。チャノキは低木ながらとてもたくさんの果実をつけるので、それが鳥などによって運ばれて、畑などの人工地から離れた場所にも拡散してしまっているのです。
東京近郊・多摩地区では生け垣や土地の境界を表すラインとしてチャノキが盛んに植えられてきたそうです。そのため周囲の公園や雑木林、ときに人の家の庭なんかにも実生個体が普通に繁っており、いまの時期になると栽培個体と同じように美味しそうな若葉を繁らせています。
これをぼくは「野良チャノキ」と表現しましたが、より正しくいうと「畑から逸出した野生化チャノキ」であり、れっきとした侵略的外来植物です。
採取禁止の場所で葉を採取するのはもちろんダメですが、山菜を摘んでもいいような場所にあるチャノキは概ね野生化個体でしょうし、そういうものの葉を摘むのは問題ないわけです。
河川敷にもよく生えていて、こういうものも葉を摘むだけならたぶん問題ない……と思います。
あ、でもどうだろ、河川敷って「樹木の伐採」は法で禁止されてるんだよね。茶葉摘みは伐採に当たるのだろうか。言語学的な話になってくるな……気になる人、よかったら確認してみてください。
紅茶って勝手にできるものなんだね
閑話休題。
先日もまた近所の公園に茶葉摘みに行ってきました。
初めて採ってからまだ二週間程度ですが、すでに多くの若葉が見事なサイズになっていました。
チャノキの若葉ってあっという間に大きくなっちゃうんだよね。5月中も採れるけど、大きく育った葉はカフェインやカテキン、テアニンが少ないし香りも少なく、それでいてチャドクガの毛虫がついちゃうことがあるのであんまりやりたくないのです。
いわゆる「夏も近づく八十八夜」って時期が、野良茶葉を摘める時期のほぼ終わり、と覚えておくといいかもです。
天ぷらにしたりお茶にしたりといろいろ楽しめる茶葉、何にしようかなーとわくわく考えつつ、冷蔵庫で保存していたのですが……
……ありゃ、なんか赤くなっちゃってる。
やべーな痛んじゃったかな、茶葉ってホントデリケートだもんな。しょうがないから捨てるか……と、思ったところでふと我に返りました。
これ、痛んだんじゃなくて、紅茶になったのでは……?
先日「白茶」という中国茶を自作したのですが、その際に「茶葉の発酵は、いわゆる『発酵』とはちょっとタイプが違う」ということを知りました。
一般的な発酵食品は、微生物の働きによって変化が起こります。みそやしょうゆ、鰹節は「カビ」によって、漬物は「乳酸菌」によって、ミモレットチーズやカース・マルツゥは虫によって。
しかし、茶葉の場合「発酵」は茶葉それ自身が含んでいる酵素によって引き起こされます。これは摘み取られた時からすぐに反応が始まり、酸素さえあればどんどん進んでいきます。他の植物でもこのような酵素を含んでいるものはあるのですが、とくに茶葉の酵素は強いようで、ちょっとした刺激であっという間に発酵が始まります。
いまうちの冷蔵庫は故障気味でパワーが常時MAXになっており、奥のほうにあるものがどんどん凍っていってしまうという恐ろしい環境になっています。茶葉もこの0℃付近の冷気にあたって細胞組織が凍り、それによって酵素が刺激を受け、発酵が早まったのではないか、と推測しています。
変色した茶葉を取り出し、香りを嗅いでみると
……(`・∞・´)……フローラル!
まさに紅茶の香りです。おいおい紅茶ってこんなに簡単にできちゃうのかよ、すげーな。
実際はこの状態で一度揉みこみ、さらに刺激を与えたうえで再び発酵工程を経るみたいですが、せっかくなのでこの状態のお茶を味わってみたい。
ということで120℃で10分加熱して発酵を止め、
更にレンジで水分を飛ばします。
これを熱湯で淹れます。
うん、紅茶色ですね。いただきまーす
……(≧∀≦)紅茶だー!
軽やかでさわやかではありますが、まさに紅茶そのものの香りがします。ちょっとお高級な紅茶専門店でいられている、ダージリンのファーストフラッシュのような、若々しくてやや緑茶みのある風味が楽しめます。
ソムリエっぽく言うと「アタックはバラの花のようで、アロマはモモやくちなしの花、ブーケに青い柑橘のさわやかさを感じ、そのまま軽やかに抜けていく」といった品評になるでしょうか。
ただ、揉みこみや二次発酵がない分どうしても後味が軽いというか、パンチが足りないです。
「華やかな香り」「濃厚な風味」「しっかりとした渋み」のバランスがとれていることが美味しい紅茶の条件。この部分については今後も試行錯誤が必要になりそうです。
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
でもさ、紅茶自作できるってめっちゃ楽しくない? しかも茶葉摘んできてほっとくだけでできるとか最高でしょ。今後もやってみて、もっと美味いものを作ってみたいと思っています。
あとはプーアル茶も作ってみたいな。あれは酵素だけでなく微生物による発行も必要だからより難易度上がるけども。
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