カラスノエンドウで豆腐を作ろうとするも、いろいろあって杏仁豆腐的な羊羹になった

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「お子様に『これ食べられる?』って聞かれる野草ランキング(オリコン調べ)」で2014年から3連覇を達成した「食えそうな野草」の王様ことカラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)

2016年には「そもそも野菜として扱われていたこともあるカラスノエンドウがランク入りするのはおかしい」という物言いがつき、世界中で10億人規模を巻き込んだ大論争が勃発したことは記憶にも新しいです。


まあここまでの話は全部フェイクニュースなんですけど、実際にカラスノエンドウは都心で見かける野草の中でもトップクラスに「素人目にも『美味そう』と思えるものなんじゃないかと思います。なんせ豆がなるわけですからね。すげー小さいけど。
あと、かつて野菜として扱われていたっていうのはホントっぽいです。若いさやはえんどう豆みたいに使えるし、新芽も豆苗みたいに使えるので信ぴょう性は高いですね。しかしその割には栽培化が行われた形跡がないのなんでだろう??



さてこのカラスノエンドウ、5月~6月ごろに豆が熟します。街を軽く散歩しただけでそれなりの量の豆が採取できることもあり、熟したさやを見かけるといろいろな創作欲が沸いてくる食材です。ぼくもかつて納豆を作ってみたことがありますが、それなりにちゃんとしたものができました。

カラスノエンドウで納豆を作ってみた
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ググってみると味噌なんかも作れるようですね。菌やカビを生やす系の加工は一通りできるっぽいです。
じゃあ、生やすのではなく「絞って固める」のはどうでしょうか。

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カラスノエンドウで豆腐を作りたい

というわけでやっていくことにしたのですが、こいつら、採取は容易でも加工がかなりダルいです。。。

まず、普通の豆なら一晩ほっとけば当たり前に完了する「吸水」がさっぱり進まない。皮が固いのか、常温では2日経っても3日経っても3分の1くらいしか吸水してくれません。


しょうがないのでTwitterで相談し、いただいたアイディアを試してみましたが


やっぱり状況は変わらず。冷凍→解凍を2回繰り返すも

残りの3分の2は膨らむ気配皆無。


しょうがないので、我が家のアルティメットリーサルウェポン「製粉機」を使って

強制的にすりつぶすことにしました。うちの製粉機は小型ながら破壊力抜群で、カチカチの大豆をそのまま大豆クリームにできる(大豆は油分が多いので、そのまますりつぶすときな粉ではなくペーストになる)ほどのパワーがあります。

野食界隈で製麺機が流行っているのに製粉機が流行ってないのなんでだろ、ぜったい役に立つのになぁ。。


しかし、面白いのはカラスノエンドウ、すりつぶすと強烈な杏仁豆腐の香りがするんだよね。青い豆でもするけど、熟豆だと10倍くらい強い。嗅いでいるだけで青酸中毒になりそうです。

台所中に杏仁香を漂わせながら、この豆を3倍量の水とともにゴリゴリやって生呉(豆と水のジュース)を作ります。


これを鍋にかけて10分ぐらい加熱して



絞ります。
掌が熱さで真っ赤になりますが頑張ろう。


できた……これがカラスノエンドウの豆乳……ちかれた……
生豆の時ほどではないですが強い杏仁香を放っています。サポニンが強烈なのか泡立ちがすんごいです。
味を見てみよう……

……うん、ちょっと粉っぽい、豆臭い汁ですね。豆乳ほど洗練はされてないけどまあ、こんなもんでしょう。


このカラスノエンドウ豆乳を鍋にかけて70℃くらいに熱し

にがりを入れます。そう、、せっかく豆乳を作ったんだから、やっぱり豆腐にしてみたいじゃないですか。
火を止めてさっと攪拌し、ふたをかけて10分ほど放置。この間に投入の中のたんぱく質がにがりと反応して凝固するのですが……


……反応、まったくなし。
まあそうだよね、作物の豆でも、豆腐にできるほどタンパク質含有量が多いのはごくごくわずかなのに、品種改良されていない野生のカラスノエンドウがそんなにたんぱく質を含んでいるわけはないでしょう。残念。

まあでも、この辺は織り込み済み。にがりで固められなければ

別の凝固剤を使えばいいのです。
はじめは胡麻豆腐風にくず粉で固めようかと思いましたが、加熱しながら長時間練る必要があり、その間にせっかくの杏仁香が飛んじゃったらつまんないので止めました。
ゼラチンか寒天で迷ったのですが、ゼラチンのたんぱく質がにがりと反応しても困るので、寒天で行きます。


寒天と砂糖少量を投入し、沸騰したら弱火で5分練って、型に入れて固めます。


カラスノエンドウの胡麻豆腐風、完成!
さっそくいただきます……


……!(`・〰・´)これ、羊羹じゃね?
カラスノエンドウ、どうやら花豆とか手亡豆系のでんぷん豊富なタイプの豆みたいで、舌触りに粉感がありほくっとした質感があります。
寒天で固めたこともあって味わいは完全に羊羹なのですが、そこに強い杏仁香がのるので「中途半端にアジアの製菓材料の知識があるフランス人が思い込みで作った日本の羊羹」みたいな感じになっています。結果としては予想外かつなかなか美味しい。
もっとゴリゴリに甘くした方が羊羹らしさがアップしてよかったですね。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


大量生産できるなら、面白デザートとして人気を博すだけのポテンシャルはありますね。手の加え甲斐もありそうです。
面白いと思うので、製粉機持ってる人はぜひやってみてください。


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コメント

  1. 現0825 より:

    興味深いです。カラスノエンドウは空豆に近い分類とのことだったので味でも検証されましたね。
    お疲れ様でした❗

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