山陰の「瀬付きイサキ」のわがままボディをたっぷり味わう

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先日、我々取材班のもとに届いた1件のTweet。
そこには、信じられない画像が写り込んでいた……!


写っていたのは夏が旬の高級魚・イサキ。しかしそのイサキは、とてもそうとは見えないシルエットをしていた……! 
通常は、どちらかというと流線型でややほっそりした印象を受ける魚であるイサキ。しかし、山陰の野食マスター・ひろいぐい太郎(@hiroiguiTARO)さんが釣り上げたというそのイサキは、まるでウメイロやタイのように体高があり、信じられないほどの厚みがあったのだ……

これははたして本当に実在するイサキなのだろうか。
その真偽を確かめるべく、我々取材班は山陰へと飛んで……行くことはできないので指をくわえて見てるだけ。


はえ~うらやましいんごねぇ……あれ、なんかDM来てるンゴ。


From:ひろいぐい太郎
今晩もイサキ釣り行きますけど、釣れたら送りましょうか?



おくってぇぇえええええええ!!!

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デブイサキ美味すぎ問題

そんな感じのやり取りがあってうちに届いたイサキがこちら


デデデン!!
デカい! 丸い! 大きい! 体調は40㎝程度なのに重さは750gもあります(通常は500~600g程度)。
ちょっとあなた、太りすぎて体型変わっちゃってるじゃん……イサキぢゃないじゃんもう……


太郎さんによると「磯から釣れたのでいわゆる『瀬付き』ではないか」とのこと。調べてみたのですが、北部九州から山陰にかけては確かに「瀬付きイサキ」が非常に人気があって、長崎の「値賀咲いさき」みたいにブランド化されている様なものもあるそうです。
この海域には、脂質を大量に含有するタイプのプランクトンが豊富に生息しており、アジやアカムツ、ニギスなども異様なほど太る傾向が知られています。もしかしたらこのイサキもそうなのかもしれない。

しかもこれがおかっぱりからクーラーいっぱい釣れるっていうんだから……全くうらやましいの一言です。


さっそくさばいていきます。
瀬付きのイサキは産卵を控えていることが多いので、専用のはさみでお腹を丁寧に開いていくと

やはり、真子(卵巣)が入っていました。しかしそれ以上に詰まっていたのが内臓脂肪。
この状態で腹腔がパンパンになるまで餌をとるんだからそりゃ体型も変わるな……いやしかし体高まで高くなるっていうのはちょっと理屈が分かんないけどな……

3枚におろしていくと

背骨周りにべっとりと脂が入り込んでいます。肉も白濁し、まるで霜降り牛のようです。
これは期待するなという方が難しい。

腹骨をすいて皮を引くと

うわぁ……
皮下脂肪が層のように……。。。遊泳性の高い白身魚なのにもかかわらずここまで脂がのる、というのがイサキの人気の秘密なのでしょうか。
考えたら、夏はウリボウ(幼魚)すら皮下脂肪ある感じがするもんね。太りやすい体質なんだね。親近感。。

半身は焼き霜づくりにしようと思い、ガスバーナーであぶってみたのですが

脂が溶けて液体になっちゃった……しゅごい……


とりあえず、刺身にしてみます。この幅広感を味わうべく敢えてサク取りはせず、血合い骨を丁寧に抜いてそぎ造りに。焼き霜は平造りにしましょう。
いただきまーす

……(;〰;*)ことばにできない
イサキの身ってもともと柔らかくて舌にとろけるような質感があるのですが、そこに脂が加わってとろけ感がさらに増しています。大量の皮下脂肪に意識が行くけど、むしろ筋肉に差し込んだ脂がこの質感を出しているのかな。
アジもタイとサバの両方の旨味を持ち合わせたような感じで、ここまで脂がのっているのに身の味が全く負けていないのがすごいです。白身魚の中ではトップクラスですね。

焼き霜造りはさらに贅沢。イサキってよく「磯魚なのに磯っぽさがない」といわれるのですが、皮の分厚さと弾力は完全にカサゴ類のそれなので、皮だけでもごちそうになるぐらい味があります。
割と執拗に、焦げる寸前くらいまで火を入れても弾力が残り、プルプル感と身のコンボがほかにはない「偏差値80」の味わいを醸し出します。


ここまで来たらもう「瀬付きイサキのすべて」を一口に味わってやらなきゃ、という気になってきました。
そこでまず


下処理したアラの骨の多い部分を、日本酒のみで炊き込みます。


卵を残りのアラとともに甘辛く煮て、味を染ませます。

炊きあがったご飯に刺身とイサキの「煮卵」をのせれば

丸ごと瀬付きイサキ丼、完成!!
いっただきまーす!!!

……(解脱)
ご飯にイサキの出汁と脂が入っているんですけど、これがもうすでにイサキのイデアみたいなうま味のバケモノなんです。
そこに先ほどの刺身が合わさるもんだからもう「くっ……殺せ」みたいな感じになります。薬味なんていらない……いまはただ……このイサキの旨味に溺れていたい……
卵は粒が異様に細かく、しっかり硬く締まる様で口の中でほろりと崩れる質感もあり、相当上質です。イサキって内村航平みたいなオールラウンダータイプなんだなぁ。。

味:カンスト
価格:★★★★★


イサキ科の魚ってコショウダイやコロダイ、セトダイやヒゲダイなど美味いものが多いエリート軍団なんだけど、その中でもイサキはやはり主席って感じがします。
身の柔らかさ、脂の乗り、出汁もめちゃくちゃうまく卵もベスト。
しかも今回は食べられなかったけど、白子が全魚種トップクラスに美味いという評価もあるというのだから恐ろしい。

ぜひまた勝負したいですね。太郎さん本当にありがとうございました!



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