ちゃんとしたマンボウは肝和えがちゃんと美味い

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先日、小田原の鮮魚店「魚國」さんにソウダガツオを買いに行ったのですが、その際にマンボウを見かけました。


一年半ぶりの邂逅です。あれ、意外とよく逢う……?


マンボウは市販されるときは大体身と肝がセットになっています。これは「マンボウは肝が命、身は二の次」といわれるためであり、また身の味がなんとも言えず薄っぺらいからという理由もあります。つまり「身だけでは経済的価値がない」と思われてるってわけ。

じゃあそんなに肝が美味いかというと……いやまあ悪くないですよ、マンボウはこんなでっかいけどフグの仲間なので肝に脂を溜める習性があって、濃厚な味が楽しめます。
でもね、この肝、今風に言うと「クセがすごい」んですよ……なんとも表現しにくいんだけど、コンビニの使いまわした油で揚げられたホットスナックみたいな? 上あごに貼りつくようなクセのある匂いが気になっちゃって……


って話を以前大分出身の友人にしたら「そりゃあ鮮度が悪いからだ、採れたてのマンボウなら肝和えが最高に美味しい」って話をされたんですよね。。
でもマンボウ売ってるなんて、よほど鮮魚の扱いに自信があるお店しかないじゃないですか。そういうところで何度も買って、直売所や市場でも見かけたら購入して試してきたけど、どれも冷蔵庫で灰色になった大トロみたいな匂いがしてしんどかったんだよなぁ。だからせんどにかんけいなく「マンボウの肝はそんなもん」だと思って生きてきました。


でも、今回マンボウが並んでいた魚國さんは、毎日小田原魚市場の入荷情報をツイートしてくれるほど、鮮魚の情報に精通しているお店。そこが「朝どれ」「刺身用」というラベル付きで販売されているんだから、鮮度に関してはこれ以上のことはないでしょう。



確かに身を観察すると、これまで買ったすべてのマンボウ(市場でさばきたてのものも含め)よりも身が白く、エッジが立っています。肝もよくある黄土色ではなく、黄色みがかったクリーム色でいかにも鮮度よさそう。

これならもしかして、肝和えにしても美味しいんでは……そう思い、購入してみることにしたのです。

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憧れの「マンボウの肝和え」を食べた!

帰宅後、すぐに調理。マンボウの肝の臭みを知る連れからは「本当に大丈夫?」と疑いの目が向けられますが、それでもやってみました。

刻んだ肝を包丁でたたくと……

おおっ、すごい、まるでカワハギの肝みたく脂が浮いてきます! 過去のマン肝はなんだか、あん肝とかフォアグラみたいな感じで濁った感じがあったのですが、今回のは……イケるんでないのこれは?


できた。いただきまーす。

……(≧〰≦)キター!! 肝ウマ! 肝ウマグルメ!!
臭みがなく、脂がトロっとしてコクがありながらキレがある。無駄に後を引かないですっと流れていくのは、脂の融点が恐ろしく低いからでしょう。
なるほど、状態の良いマンボウの肝はまんまカワハギの肝ですね……これが1匹から何kgも採れるっつーのはすごいな、マンボウは宝箱だな。

ただ、その肝の濃厚さをもってしても、身の淡白さが補えていないのが残念なところ。。というか「肝和え」にしたせいで身の水っぽさが際立っちゃってますね。全体として「カワハギの肝和えの下位互換」みたいになっちゃってるのは残念至極。
これ、肝だけ食べるか、肝醤油を作ってほかのネタ(フグとかソウシハギとか)に付けて食べたほうがいいんじゃないかと思いますね。

マンボウ「えっワイの肝を叩き潰してほかの魚の刺身につけて食べるんですか!?」

身は焼き締めて食うと美味かった

で、そんな感じで肝を楽しむと、身のほうが大量に残るわけですね。
これはいったいどうしようかなーと考えたんですが、いいアイディアが思いつかなかったので、とりあえずグリルでグリグリ焼いてできるだけ水分を飛ばしてみました。

うーん……さすがフグ目だけあって、筋肉にはこれっぽっちも脂が乗ってはいなさそう。見た目には美味しくなさそうだけど……
とりあえず、一口サイズに割って食べてみようかな……

……! なんだこれ……イカ!? いや、ホタテ!? 
ギュっと集まった繊維質な筋肉は、裂くと細かくほぐれてまるでイカの一夜干しのようです。そのうえでホタテのようなぶつぶつきれる食感もあります。惜しむらくはイカやホタテのように甘みや旨味が強くないことでしょうか。

これはマヨあれば完璧やろと思い、七味醤油マヨをつけて食べてみたところ

(*´〰`)これよこれー! 

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


ただ「水揚げ後すぐに捌いた」というだけではなく、水揚げまでの管理もしっかりしていないと、マンボウの肝はきっと美味しくなくなっちゃうんでしょうね。
さすがは信頼と実績の魚國さん。また見かけたら買おうかな、安いし!!

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. みかばんちょー より:

    茸本さんのブログで魚國さんを知って、よく買い出しに行かせて頂いております!
    マンボウの身、昨年購入した際は湯引きにして酢味噌で食べようと思ったのですが、生憎酢味噌を切らしていたので当時ハマってた“よだれ鶏”のタレ(多少甘め)を作って一緒に頂きました。
    自分の発想が未熟で身の旨味を感じるには及ばなかったのですが、作り方次第ではもっと良さを出せるかな…と個人的には思ったので次に購入した際もタレに工夫をして『よだれマンボウ』にしようと思います!
    茸本さんの七味マヨ醤油もぜひやらせて頂きたいと思います!!

    • 茸本 朗 より:

      よだれマンボウ美味しそうですね! ともかく水分さえ抜けば美味しく食べられると思うので、ぜひやってみてください(`・ω・´)

  2. とっち より:

    ブログいつも楽しみにしております。
    うちの実家では昔から、新鮮なマンボウは、肝と味噌を一緒に、すり鉢ですりつぶしながら混ぜ、生の身を筋に沿って細く手で裂いて(幅1cmくらい)和えて食べます。
    食べやすく、ご飯にも合うので、機会があったら是非試してみて下さい(^-^)

  3. Z より:

    フグとかソウシハギって
    流通禁止で毒魚ではないですか
    ちょっと前にSNSで注意して助かったっていうやつ

    まあ知ってる人は知ってるけれどそうでない人も多いですから・・・

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