先日送られてきたツキノワグマセットには、骨もたっぷり入れていただいていました。
骨といってもめっちゃめちゃに肉がついており、ゼラチン質や軟骨、髄なんかもしっかり入っています。
頬肉をはがした頭骨も合わせるとこれだけで優に5㎏はあります。それを捨ててしまうなんてもったいない!
ということで作ってみることにしましたよ、皆さんが容易に想像の付く料理を……
熊骨ラーメンってどうだろう
はい、というわけで骨からスープをとってラーメンを作ってみたいと思います。
発想はごくごく平凡ですが、でもさ、みんな熊骨ラーメンなんてさ、食べたことないでしょ!?
ぼくもないです。単純に、どんな味になるのか全く想像がつきません。
豚も牛も鶏も基本的には草食動物ですが、クマは肉食の気の強い雑食。それだけでも味に違いが出そうです。
また、クマはときに二足歩行的なムーブもできるほど運動能力が高く、その分関節が柔軟で軟骨が多そうです。つまりゼラチンがめっちゃ出るはず。
こういうふうに考えていくと、熊骨スープには期待しか持てません。
熊骨と書いて「ゆうこつ」と読むとよりそれっぽくなるかな?
やってみましょう。
熊骨スープとってみた
クマの骨にはめちゃくちゃ血糊がべったりとついていたので、流水でごしごしと洗います。
何だろう、血の質がやっぱりすごい、濃ゆく感じますね。血の気が多いとはまさにこのことか……
一回ゆでこぼしてから煮ようかなとも思いましたが、骨に付着した肉や筋がしっかりしすぎていて、軽く煮こぼした程度ではきれいに掃除できないような気がしたのでそのまま煮込んでいくことにしました。
大鍋に骨とたっぷりの水、臭い消しのニンニクとネギ、しょうがを入れて煮込んでいきます。
案の定、めちゃめちゃアクが出ます。そしてそれ以上にやべーのが匂い。
台所中がクマのオーラに包まれました。完全に動物園だ。
クマって獣臭が強くて、山でニアミスしたときも、匂いで気づくこともあります。過去の熊害事故に関するウィキの記事を読んでも、生き残った被害者は一様にクマの獣臭について語っていますね。
毛皮から臭うものかと思っていましたが、骨からもこれだけ匂いが出るのか……これは手ごわそうだ。
アクをとり、水を加えながら、一晩またいで6時間ほど煮ていくと
ようやく肉が剥がれて骨が見えてきました。髄から味が出るよう、骨をできるだけ小さく砕いていきます。
見てよこの骨盤! この形状ならそりゃあ二足歩行もできらあね……
9時間ほど煮て、ようやくスープが完成しました。
博多ラーメンの名店「しばらく」もびっくりの白濁っぷりです。
匂いは……
(`・∞・´;)うーん、やっぱり臭い。香味野菜も仕事してくれてはいますが、限界を突破しています。
これは普通の醤油ダレじゃ勝てないな……
ということで、みりんと味噌でみそだれを作り
熊骨スープと合わせて味噌仕立てにしました。味噌熊骨ラーメンということになりますね。
スープができたので具材を用意しましょう。
チャーシューですが、はじめは熊肉使おうと思っていたのですが、スープの熊オーラが強すぎてちょっと日和りました。
豚バラのロールチャーシューを使います。
添え物の野菜は、こちらも臭い消しの力を期待してギョウジャニンニクを使用。さっとゆでて盛り付けます。
メンマは市販のメンマ。
麺を茹でて、すべて丼に整えたら
できたっ!! 新潟産ツキノワグマの熊骨ラーメン!!!
味噌仕立てとなっております。
いただきまーす。
……(`・ω・´)おっ臭くない
さすがに、日本の調味料で最も高い消臭力(しょうしゅうぢから)を誇る味噌の前には、クマの匂いも形無しといったところです。味噌だれの味付けをやや甘めに振ったおかげか、まったりまろやかで飲みやすい仕上がりに。
飲み込むと喉の奥に一瞬クマーの顔が浮かびますがすぐにはじけて消えます。ここまで消えるならギョウジャニンニクを使う必要はなかったな。
匂いは消えたものの、出汁はしっかりと出ており、非常に強いコクを感じます。うま味の方向性としては豚骨っぽいのですが、なんだか魚っぽさも感じますね。
そしてゼラチンがやばい。丼が触れたところすべてがぺとぺとします。コラーゲンドリンクよりもコラーゲンたっぷりなのは間違いありません。
まあそうだよな、クマ1/3頭分くらいの骨のエキス入ってんだもん、これぐらい濃厚なのができるのは当り前ですわ。
味:★★★★☆
価格:★★★★★ これだけの量の熊骨、多分そうそう手には入りません
嗚呼、また世界に1杯だけのラーメンを作ってしまった……
過去に作ったラーメンたち↓↓
コメント
製麺クラスタやラーメンクラスタの反応が気になりますw
彼らはぼくがいつまで経っても製麺に手を出さないので業を煮やしています(たぶん)