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茸本朗の真・野食堂Zチャンネル更新中!
茸本朗が出演しているシリーズ動画「茸本朗の真・野食堂」がパワーアップしてYoutubeに殴り込み!
多彩なゲストと変なものを捕まえたり、ヘンなものを食べたり食べさせたりしながら楽しくやっていく予定です。
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いつも美味しいものを送ってくださる大阪のOさんから昨年、素晴らしいビワマスを2匹もいただきました。
ビワマスとは、サケ科随一の美味で知られるサクラマス(ヤマメ)の亜種のひとつ。琵琶湖とそれに注ぐ川のみに棲息する滋賀県の固有種です。
純淡水魚ですが降海型のサクラマスと比べても脂乗りが良く、サケの色素の源になるといわれるオキアミを食べていないにもかかわらずその身は綺麗なサーモンピンクになります。
身の色のきれいさと味の良さから高級魚となっている一方で、釣りのターゲットとしても人気。今回はOさんが釣ったものをすぐに下処理して送ってくれた、関東では絶対に手に入らない鮮度バリバリのものです。ありがとうございます!
とりあえず、刺身にして食べてみたのですが
こりゃあ美味いね……!
普通のサクラマスと比べるとより上品な、抑えられたサケ科魚の香りがあり、口の中でするりととろける脂がたっぷりのっています。貧栄養湖とされる琵琶湖の北湖に棲息しながらなぜここまで脂が乗るのでしょう。
やや水分が多いきらいがありますが、脱水シートなどで整えてあげると味が濃くなって素晴らしいですね。
このまま2匹とも生食してもいいのですが、せっかくベストな状態のビワマスをいただいたので、一つは加工して保存食にしてみることにしました。
ビワマスを山漬けにしてみた
内臓と鰓をとり、汚れをきれいに洗い流したビワマスの全体に強めに塩を振ります。
ビニール袋に入れて冷蔵庫にしまい、上に水を入れたペットボトルを数本乗せて重しとします。
そのまま1週間ほど寝かせて水分を抜きつつ熟成させ
水に半日付けて塩を抜きます。
寒風に晒すように干し上げれば
ビワマスの山漬け、完成!
山漬けとはサケの昔ながらの塩漬けで、水分を抜いた後しっかり熟成させるのが特徴。簡易版ともいえる新巻鮭と違い、旨味がしっかりと出ていて美味しいです。
信州で食べられている「塩ます」も、旨いやつはたぶんこの製法で作られているはず。
試しに一切れ焼いて食べてみましたが
うまーい!!!(≧〰≦)
塩蔵によって味が濃くなり、熟成によって強い旨味も出ています。そしてそこに絡む大量の脂がたまらない!
脂が強すぎて腹身の部分がやや油焼けしてしまっているのは残念ですが、そこを差し引いても素晴らしい完成度です。
ビワマスの雑煮を作ってみた
さて、これを使って、もうひとつ作ってみましょう。
しっかり焼いたビワマス山漬けを、
ダイコンやニンジンとともに煮て、薄口しょうゆとみりんで味をつけます。
別鍋で丸餅を煮て、器に盛り付ければ
ビワマスの雑煮、完成!
ビワマスを使ったお雑煮が実際にあるかどうかは分かりませんが(ググっても見つからない)もしあるとするならこんな感じになるのでは……とイメージしながら作りました。
東日本で作られる塩鮭の雑煮をベースに、出汁を昆布に、醤油をうすくちに、餅は丸餅に……みたいな。
味はどうでしょう
……(≧~≦)うまーい
まあ不味いわけがないよね。ビワマスの上品な脂が汁に溶け出して餅に絡んで最高です。根菜ではなく葉物にしたほうがこの脂を活かせたかも。
味:★★★★☆
入手難易度:★★★☆☆ 関東ではなかなか手に入らないね
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