先日、アミガサタケの新規ポイント開拓に向かい、18kmほど歩いた結果、無事ゲットしました。
今日の収穫
右上から時計回りにタラの芽、サンショウ、セイタカアワダチソウ、ワラビ、ノビル、ダイモンジソウ、クロモジ、アケビ(キノメ) pic.twitter.com/Zsgah325Ny— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 27, 2021
美味しい野草を。
いやー春はいいですよね、どこもかしこも美味しそうな野草であふれかえっていますからね。キノコ? んなもん秋に採りゃあいいんだよ(半ギレ)
んでいま「美味しい野草」なんてざっくりと言ったけど、本当に美味しいかどうかわからない子が一人紛れ込んでいます。
おわかりだろうか……
ギャー!!(←謎SE)
セイタカアワダチソウの新芽が混ざっているー!!!
……ごめんね、草ネタの記事書くときは無理してテンション上げないといけなくてさ……
まあそんなことは置いといて、このセイタカアワダチソウ、間違えて採ってきたわけじゃないです。
以前借金玉さんとのイベントでこのセイタカアワダチソウを天ぷらにしたことがあるんですけど、結構うまかったんですよね。Powered春菊みたいな感じで。
ただ、野草なんて毒がない限りてんぷらにしたら美味くなるに決まってるんだから、もうちょっと素材の味で勝負してもらおうと思ってスカウトしてきたんです。
ほんとはそんなに悪くない? セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウ、おそらく30代より上の皆様はほぼ全員その名を知っているんじゃないかと思います。
というのもこの草、90年代くらいまで「悪者外来種」としてめちゃくちゃに叩かれたんだよね。それこそ今のブラックバスとかと同じ勢いだったんじゃないか。
日本には明治ごろ入ってきた帰化植物で、戦後に急に増殖しあちこちで見かけるようになったそうです。そして高度成長期以降増えた花粉症患者から「花粉症の原因」と名指しされたり、根から毒を出してあらゆる草を枯らして蔓延るとされておそれられ、嫌われるに至りました。
実際は虫媒花のため花粉が舞って人の鼻に入ることはないので花粉症の原因とはなりません。また根から毒を出し他の植物に影響を与える「アレロパシー」という作用はありますが、ススキのような株立ちする植物には効果が低く、また密生すると自らの毒でやられて勢力を失ってしまうおっちょこちょい属性もあったりします。
この辺のこともあり、今でも「生態系被害防止外来種」に指定されてはいるものの、かつてのような「悪の権化」的扱いはされなくなっています。
さらにこのセイタカアワダチソウ、食材としての価値もあるんです。
と言っても葉ではなく花に。蜜源植物として結構有益らしいんですよね。
さらに、その軽く丈夫で直立する茎は、ヨシの代用でヨシズにされることもあるのだそう。意外と便利なんですね。
草餅にして食べてみた
セイタカアワダチソウはキク科の雑草で、摘むと春菊のような香りがします。
この時期用いられるキク科野草といえばそう、ヨモギ。若葉を積んで草餅にしますよね。
ということで今回は、このセイタカアワダチソウで草餅を作ってみたいと思います。
摘んできた新芽を塩ゆでし
細かく刻んですりつぶし
熱湯で練って蒸した上新粉とすり鉢で搗き混ぜて
できた! いただきまーす
……(×ω×)ニガーイ
食べてるとあとから口の中が苦みで収斂します。連れに「ヨモギだってもっとしっかりアク抜きするんだよ」と窘められてしまいました。そうなのか……
テイク2行ってみましょう。
セイタカアワダチソウの芽の、まだ巻いている芯の部分だけを取り出し、重曹を小さじ1入れた湯で茹でます。
冷水にとり、水を変えながら一晩さらします。
これをすりつぶし、餅と混ぜれば
できた! これならどうでしょう
……(`・〰・´)うん、食える
えぐみはなくなり、苦みも風味の範囲内に収まりました。いい感じに緑色でよいですね。
ただ、ヨモギと比べると苦みの質がちょっと気になります。なんだかのどに引っかかる感じ。
一方で香りはそこまで強くなく、ヨモギのような青い香りというよりは春菊のような食欲の出る香り。甘い味付けにはあんまり合わないかもしれないな。
味:★★☆☆☆
入手難易度:★☆☆☆☆
セイタカアワダチソウ、やっぱり天ぷらにするか、しっかりあく抜きをしてからジェノベーゼソースなんかに利用するのがよさそうです。
コメント
セイタカアワダチソウって食えるんすね。
いかにも青臭そうで「食用」という発想がなかったけど。
私は野食といっても草ばかりなのでこういう記事は嬉しいです。
こちらも先月まで枯れ草色だった土手もすっかり緑一色になりました。
まだ全然ビギナーで、最近になってやっとノビルの見分けがつくようになりました。
先日、一面つくし原みたいなところと群生地と呼びたいくらいのノビル生息地を見つけました。
念のため一本掘り起こしてみたら、ちゃんと根にミニタマネギくんがいましたので間違いないかと。
ただ、この記事のノビルみたいな立派なのはないですね。
土地の肥沃さの問題かなあ。