先日、最近すっかりライフワークと化している「夜間岸壁採取」を三浦半島某所の港で行っていると、大型船の停泊する港の岸壁に、怪しく緑色に光るものを見つけました。
必死に手を伸ばし採取してみると、ムール貝の塊の中に、まるでエメラルドの原石のような貝が混ざっています。
おお……これは、ミドリイガイではないですか。
ミドリイガイは名前の通り「緑色のイガイの一種」です。イガイの仲間は「ムール貝」として有名なムラサキイガイを始め、「東海夫人」を始めやたら女性に例えられるイガイ、淡水性で特定外来生物に指定されているカワヒバリガイなどいくつかの種類があります。
しかしこのうち、日本の在来種はイガイと、北日本に生息するキタムラサキイガイ、ムラサキインコガイなど数種類。最も知られているムラサキイガイを始め、外来種が多く国内に入ってきています。
今回見つけたミドリイガイもやはり外来種。外国からのコンテナ船のバラスト水で移入したほか、停泊中の船に付着した状態で日本の海に入ってきたとも考えられています。ムラサキイガイほどには問題になっていませんが、東京湾奥の水質が悪い場所でも生息できるそうなので、近々注意が必要な外来種の一つになるのは間違いないでしょう。
今回のようにムール貝に混ざって生息していることも多く、外来種のコロニーを作っているのを見ると複雑な気持ちになります。
ちなみにムラサキイガイはいまや釣りエサとして欠かせない存在ですが、このミドリイガイはその明るい色合いが目立つこともあり、より高い集魚効果があるとされて一部の釣り人から珍重されているそうです。
まあ確かに、海中にあっても目立つよね、緑色。なんでこんな色になったんだ?
ミドリイガイを食べてみた
さて、今回はある程度良いサイズのミドリイガイがまとまって採れたので、食べてみることにしました。
ミドリイガイはムラサキイガイと比べると全体の厚みはやや薄く感じますが、殻そのものもかなり薄く、身は余り小さくはなさそうです。
酸欠に弱いようで、クーラーボックスに入れておいたらほとんどの個体が口を開けていました。ムラサキイガイと比べるとやや潮通しが良い場所に多いのもそのせいでしょうか。
とりあえず、無難にワインバター蒸しにしてみました。貝類の色味は熱を通すとくすんでしまうことが多いですが、ミドリイガイのそれは多少褪色したものの非常に美しいです。
いただきま~す
……(≧~≦)普通にかなり美味い
ムラサキイガイと比べて、身が柔らかい気がします。旨味は非常に強く、なんならムラサキイガイより上かも?
岩にくっつくための組織である「足糸」が取りやすく、殻から身を剥がすのも容易なのでかなり食べやすいですね。こりゃいいや。
<strong>味:★★★★☆
入手難易度:★★★☆☆</strong>
これだけ美味く、また色も良ければ食材としての価値は相当高いと思います。増えてほしいとは全く思いませんが、見かけたら片っ端からとっ捕まえて食べてやりましょう。
ちなみに冷凍食品で「パーナ貝」という緑色のイガイが売られていることがありますが、あれはモエギイガイというまた別種のものだそうです。
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