アオロウジという名前は非常にユニークな感じがするが、漢字で書くと「青老茸」となり、青い老茸なのだと言うことが分かる。
老茸(ロウジ)とはクロカワというキノコのことで、色が黒く、苦みばしっていることからか、このように呼ばれることがある。
アオロウジはつまり、青いクロカワと言うことになるだろう。
実際はクロカワよりもニンギョウタケに近い仲間で、たしかに折り重なって生える様子や、柄と傘の切れ目がないところなどはニンギョウタケに近い。
味の評価が定まらない
味はどうなのだろう。
アオロウジは貴重なキノコなので写真が撮れただけでもうれしいのだが、これで味も良ければかなりポイント高い。
まれなキノコだからかネット上の食レポはかなり少ないが、それでも評価は一定しないようだ。
食べた人のコメントを大きく分けると
○クロカワに似ているが苦みが少なく美味
×ニンギョウタケに似て味と香りに癖がある
の二つとなっている。
キノコ屋の親父に聞くと「マズいよ!」と即答。
酢の物にして食べるくらいしかできない、とのこと。
ただ彼はニンギョウタケを絶賛してたので、そもそも好みが合わないのかもしれない。
アオロウジはクセの少ないニンギョウタケ
持ち帰って、きれいに洗ったアオロウジ。
湿ると青色がより濃くなるようだ。
触り心地は弾力に富んでやや硬いが、力を入れすぎるとすぐに割れてしまう脆さもある。
人工甘味料のような匂いがして、ニンギョウタケ程ではないがやや気になる。
焼くだけでは少し食べづらそうだ。
というわけで熱湯でさっとゆで、
流水でさっと洗い、
ポン酢で食べてみることにした。
青い…
(・~・)…
ちょっとクセがあるなぁ…
まず、苦みが少しある。
これがクロカワのような苦みなら香ばしさと合わせることで絶品となるのだが、アオロウジの人工的な匂いと合わさると、昔間違えて石鹸をかじってしまった時の感覚が口の中に蘇ってくる。
旨味は多少あり、香りさえ我慢すればそんなに悪くはないかも…
食感はポリポリとしてとても良い。
栽培キノコでこのような歯触りのものはないので、これはなかなかユニークだ。
ただそれにしても香りが気になってしまうので、その日の晩御飯だったすき焼きに入れてみた。
(・~・´)…
うん、これならまあいいかな。
香りが醤油でカバーされ、砂糖の甘みがクセを覆い隠し、歯応えがより楽しめるようになった。
連れ曰く、「菌臭が強くてちょっと苦手だけど、旅館とかで『天然キノコ入りのすき焼き』でこれが出てきたらすごい納得してしまいそう」とのこと。
味:★★☆☆☆~★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
ニンギョウタケよりは美味しいと思うよ
ネットなどでは「天ぷらも美味いよ」とあったので試してみたかったが、今回は小さいものばかりだったのでできなかった。
ただ揚げ物にすると、この香りがどう転ぶのかがちょっと恐ろしい。
カラスタケ、という真っ黒なマイタケみたいなキノコがあって、生の時は正露丸そのものの匂いがするのだが、揚げるとなぜか海苔のような匂いになっておいしい。
こういったドラスティックな変化が起きるのならば、食感的にも天ぷらには合うだろう。
一つ言えるのは、ニンギョウタケよりも香りがまろやかで旨味があり、歯応えもいいので、こちらの方がだいぶ好みだということ。
狙って採れるキノコではないと思うけど、見つけたらぜひ試してみてください。
見つけられないけど食べたい食べたい!って方は…ご相談ください(笑)
コメント
初めてまして、かなり前から見ていましたがコメントさせていただくのは初めてです。
KBHと申します、早速食べて欲しいものなんですが、ケヤリムシを以前に食べていましたがあれを色々な調理法で食べて欲しいのとヒジキの様な味(?)もするらしいカラスタケを食べて見てください!よろしくお願いします!!
コメントありがとうございます!
ケヤリムシですね、了解です!確かにまだ生でしか食べてませんもんね。煮たり焼いたりして見ようかな
カラスタケはそうですね、確かにヒジキの香りがします。
自分では採取したことが無いうえ、キノコ屋さんでもそうそう見かけないんですが、見つけたら記事にします。
嫌ってる人が多いですけど、僕はけっこう好きですよ。
つーか、何故間違って石鹸を口にする機会があるのかというのはやはりスルーすべきなんだろうか。
でも何故か自分の記憶にも残ってる気がするのが不思議。
えっ、せつなさん石鹸食べたことないですか?僕はむかしよく齧ってましたよ、いろんなものと間違えて。
なんかいい香りするし、美味そうに見えるじゃないですかw
初めまして。
北関東出身のキノコ好きです。
アオロウジの記事、
初めて見ましたので、嬉しくてカキコです。
富士山でたった一度採りました。
茹でた時の紫がかった青色に感動、きゅうりと酢の物、刺身で食べました。
結構肉厚だったので、歯ごたえ良く上物扱いです。
その後一度も出会っておりません。
幻の味になりました。
コメントありがとうございます!
アオロウジ、今年までは全く見ることなく珍菌扱いだったのですが、今年になってから数度見かけました。当たり年なのかもしれません。
里山の標高の低いところに出たものは、大きくなる前に虫食いだらけになってしまうので難しいです。富士山でも見つけてみたいですね!