先週の土曜日、一晩かけてワタリガニを狙ったのだが、中小型がたったの2杯という貧果に終わってしまった。
一緒に採れたバイ貝がこんなに嬉しく感じられるとは…
まあこればかりは自然相手の遊びなので仕方のないこと。
気を取り直してさっそくカンジャンケジャンを作ろうとしたのだが、すんでのところで連れからストップが入った。
なんでも以前韓国料理屋にカンジャンケジャンを食べに行ったとき、生臭くてあまり美味しいと感じられなかったというのだ。
おかしいな、けっこう美味しそうに食べてたと思ったんだが…
というわけで予定を改め、普通のケジャンを作ることにした。
たくさんは作れないんだよ!(負け惜しみではないです)
醤油だしにみりん、ニンニクなどで作った漬け汁に漬けこんでおけばいいカンジャンケジャンと異なり、ケジャンを作るにはヤンニョムジャンという特別なたれが必要になる。
まあ、要はキムチを漬ける調味料なんですけどね。
1瓶の価格は大したことないのだが、大量のカニを漬けようとすればそれなりの量が必要になってしまう。
今回は大漁の予定だったのですべてカンジャンケジャンにしてやろうと思っていたのだが、ケジャンが食べたいとおっしゃる方もいるし、2匹しか採れなくてちょうどよかったんやね(白目)
ケジャンを漬けよう
まず最初に、カニを捌く。
どちらもタイワンガザミ。
青くて腕の長いほうがオス、地味で腕の短い方がメスだ。
どちらも殻幅は12㎝ほどだが、とくにオスは腕を伸ばすとそれなりのサイズになる。
強固なハサミは刃がノコギリのようにギザギザになっており、挟まれるとすぐに出血してしまう。
弱っていても、取扱いには注意を払いたい。
ちなみに、ハサミ自体を手のひらで押さえ込むように持つと挟まれない。
最初は度胸がいるけどね。
まず「ふんどし」の部分を剥がし、砂が詰まっているので良く洗い流す。
多くのカニでオスのふんどしは尖り、メスは幅広くなっているため、ここを見るとすぐに雌雄の見分けができる。
そのままふんどしの付け根に親指を当て、甲羅全体を手でつかんで持ち上げ、胴体から剥がす。
カニが暴れるので注意。
また、甲羅の内側からミソがこぼれてしまわないように気を付ける。
剥がした甲羅から、口があるところの内側についている「砂袋」を取り去る。
この部分は生臭くジャリジャリし、腐敗の原因にもなるので忘れないように捨てたい。
胴体の方からは、エラ(通称「ガニ」)を取り外す。
縦に包丁を入れて左右に切り分け、大きいものならさらに横にも入れて4つ割りにする。
ハサミは切り離し、漬けダレがしみ込むように殻に切れ目を入れる。
足の先端を切り離してカニの下ごしらえは完了。
タイワンガザミのオスの遊泳脚は翡翠の様に美しい。
続いて漬けダレを作る。
と言っても実はヤンニョンジャンがあればほぼほぼ完成していると言って過言ではない。
ただこれは要は「辛子味噌」なので、これを伸ばして漬けダレにする必要がある。
その際、水で伸ばしてもいいが、本場では梨の果汁を用いるのだという。
とはいえ一般家庭に梨汁がフツーにあるとは思えないので(韓国だと一般的なジュースっぽい)、梨を絞って入れることにしよう。
皮を剥いてぎゅーっと…
ぎゅーーーっと…
絞れないよね…梨だもの。固いもの。
ミキサーにかけて布で濾すか…いやめんどいな…
…
さっそく食べてみると…
…(≧~≦)
美味ーい!!
殻ごとかぶりつく形になるので口の中でモシャつくのはしょうがないが、それを気にさせないほどの身の甘み。
梨の甘さが強いかと思ったがそんなことはなく、あくまで生のカニの身独特の甘みが口の中に広がる。
ハサミも固く、気をつけて噛み付かないと口の中を切ってしまうが、身がしっかりと詰まっていて非常に美味しい。
アメ横で売られてるのより美味いな。
たぶん鮮度がいいからだろうな…
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
一つ気を付けてほしいのは、淡水の影響が強い場所で採れた個体はあまり生食に向かないと思うので、水のきれいな外洋に面した場所で採れたものを使ってほしいということ。
あとは…イシガニでも作れそうだけど、殻がめちゃくちゃ固いから口の中のケガには本当に注意してほしい。
傷口にダイレクトにトウガラシ味噌を塗り込むことになるわけですからね。
もうちょっと早い時期にトライしてたらもっといっぱい採れたんだろうなぁ…あーもったいない。
来年こそはいっぱい仕留めたいぜ…
コメント
梨汁ぶしゃー(^^)
そうだ、ズワイで作ったらどうなるかなぁ。。
もうすぐシーズン(^^)
ズワイで作ったものもあるみたいですよ!畏れ多くて買ったことはありませんけれども(笑)
まあ、ワタリガニで作ったものよりも食べ出はあるでしょうね。味はそこまで変わらないのではないでしょうか。
河口の魚は臭いのが多いみたいですね。
そういえば、淡水の混じる水域で養殖されたバナメイに臭気が生じると言う論文がありますよ。
ゲオスミンなのか?
ゲオスミンの匂いがするものはとても商品にはならないと思います…エビフライにしようが何にしようが食べれたものじゃないでしょう。。
そして匂いの問題もありますが、やはり一番気になるのは寄生虫と細菌の問題ですよね。両側回遊性でもモクズガニなんかはヤバい寄生虫居ますし。
ワタリガニの生食も腸炎ビブリオや人食いバクテリアのことを考えれば本来はあまり推奨すべきものではないですし…まあ、自己責任ということで。