現在大絶賛マイブーム中のタウナギを捕獲するため、友人に教えてもらい霞ヶ浦に向かったのだが、目撃証言は得たものの捕獲には至らず。
どうやら関東地方には、近畿地方ほど高密度には生息していないようだ。
手に入れるなら、アメ横センタービルに行くのが一番手っ取り早いかもしれない。(活魚が販売されている)
田んぼで食材をゲットする
とはいえ初物に対しては読売巨人軍ばりの弱さを誇る筆者、捕獲失敗はある程度予測できていたことだったので、昼間のうちに印旛沼周辺で食材を見繕っておいた。
この周辺の田んぼは無農薬かあるいは減農薬で維持されているらしく、用水路を中心にかなりの数の生き物が見られる。
ガサ入れ調査をすると
この通り。
収穫期で水が抜かれつつあり、水が残っているところに生き物が集中するようで、大きなコイなども網に飛び込んできた。
である。
たくさん採れてよかったぜ…って変なのがいるって?
だって親が採れなかったんだもん仕方ないじゃん。
もう足も生えてるし、お腹の模様もウシガエルカラーだしいいかな…って。
こういうぷよぷよしたお腹にホント弱い。たまらん。
しかもガサ一網ごとに
どぜう5:アメザリ1:オタマ20
くらいの割合で入ってくるので、ちょっとくらい良かやろーという思いもあった。
結局、大きめの2匹ほどをピックアップしお家まで任意同行頂いた。
食料としてのオタマジャクシ考察
印旛沼は生態系が豊かで生き物の数は本当に多いが、水そのものは決してきれいとは言えず、獲物たちからも強烈な泥臭さが立ち上っている。
特定外来生物であるウシガエルは生きたままの輸送ができないので、ミネラルウォーターで泥抜きというわけにもいかない。
仕方ないのでキッチンにあった焼酎をぶっかけ、食べ方を考察する。
昆虫食をはじめとしたキワモノ喰いのサイトが氾濫している現在だが、オタマジャクシを食べているものは驚くほどにない。
実はタイなどでは普通の食材として売買もされているというのだが、日本ではそういった文化はほとんどなかったようだ。
その理由は大きさではないかと僕は考えている。
オタマを捌いていて判ったのは、内臓がめちゃめちゃ臭いということ。味噌で煮ようがカレーで煮ようがこの田圃臭は抑えられない。
とはいえ一匹一匹丁寧に内臓を抜いていくのは手間がかかりすぎる。そこまでして食べるほどの食材ではないな…と考えられてきたのだろう。
しかし今回手に入れたのはウシガエルの仔。
近代になって日本に移殖されたこの巨大なカエルは、当然オタマジャクシのころから他を圧倒するデカさで、全長は15㎝近い。
内臓を抜き、焼酎で洗って、塩でぬめりを取ると臭いはほとんど気にならなくなった。これならイケそうだ、と勝算が芽生える。
ウシガエルのオタマジャクシを調理する
臭かったりクセが強かったりする食材は、カレーで煮るか揚げることでかなり抑えることができる。野食ニストの常識だ。
とはいえこのサイズではカレーにしたら存在感が消えてしまうだろう。また全身がゼリー状でプルプルしているので、揚げ油に入れた瞬間に大暴発するのは目に見えている。
ここで再び臭いをかぐが、やはりそれほど気にならない。
ということで、今回は勇気とリスクのバランスをとってお吸い物にすることにした。
念のためショウガをひとかけら入れた。
味付けは塩のみ。
ウシガエルのオタマジャクシは美味しい
香りは白身魚のそれだ。古くなったタイのアラの潮汁よりずっと穏やかで、ちゃんと食欲がわく。
そして味はというと、やはり白身魚の汁の味がする。
身の食感はちょっとユニークで、後半身の鰭状のところはゼラチン質でプルプルしているのだが、中心部は白身魚のようなほぐれやすいホクホクとした身で、頭部や足は鶏の胸肉のように歯ごたえがあり、風味も魚というよりは肉なのだ。
以前「ざざむし」管理人せつな氏は「骨はほとんど感じられない」と言っていたが、今回は足がかなり成長していたのもあってか、骨がしっかりと口の中で主張し呑み込めるものではなかった。(ケンタッキーフライドチキンのあばら骨を想像してほしい)
これくらい成長しているからこそ、鶏肉のような食感を味わえるのかもしれない。
いずれにせよ、カエルになってからでは堪能できない、オタマジャクシ独特の味わいがあることが分かった。
オタマジャクシ調理まとめ
とはいえやはり小さいものなので、2匹程度でその真髄をはかるのは無理ってものかもしれない。
もし次回チャンスがあれば、福岡のハゼの焼干しのように干物にして出汁を取るか、あるいは甘露煮のようにして食べてみたいと思った。
いずれにせよ十分利用価値があるという結論。
場所によってはバカみたいに大量発生しているので、よかったらトライしてみてほしい。
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