Twitter等で既報ですが、星海社Webサイト「ジセダイ」にて連載中の企画「野食のススメ 東京自給自足生活」の第2回の記事が掲載されました!
野食のススメ 東京自給自足生活 第2回
「釣竿片手になんでも採ろう! 野食フィッシャーマンの豪華フルコース」
掲載ページ
実は最初、当連載の中で「釣り」を取り上げることに抵抗がありました。
本文中にもあるとおり、釣りという趣味はそれをやらない人にとっては未知の領域で、専用の道具と難解な知識を必要とした専門性の高い趣味だと思われています。
そのため、「野食初心者」を対象とした当企画において、読者に興味を持ってもらいにくいのではないか、と思っていたのです。
しかし、水に囲まれて住む我々にとって、水中に住む生物を無視することは、野食材の選択肢を極めて狭めてしまうものに他なりません。
陸の生きものと比べると水中の生きものははるかに捕まえやすく、またそのうえで釣りという手段が極めて有効であることは間違いのない事実です。(※1)
釣りとは本来、糸と針だけを必要とするもっともシンプルな狩りの手段であり、その有益さと楽しさからどんどん高度な形に発展していっただけで、実際のところは誰にでも抵抗なく手を出してもらえる(そして好きになれる)レクリエーションだと思うわけですね。。
先日、河川敷の茂みの中で3回目の記事の取材をしていたのですが、そこに突然二人組のギャルが現れて、釣りのポイントを尋ねられました。
熱帯夜に原宿を歩くかのような露出の多い格好をした彼女たちは、釣具屋でもらったようなコピー紙の情報を片手に、買ったばかりのようなのべ竿を携えて、おそらくテナガエビを釣りに来ていたのです。
それを見たときに「やっぱり釣りって簡単でいいんだな」って思えてとても嬉しくなりました。
残念ながら時合が過ぎ、日も暮れかけていて、あの時間からあの道具立てで釣りをするのはかなり困難だったと思いますが、無事釣りにハマってくれてたらいいなと思っています。
それにしても100匹/分くらいのペースで蚊に刺されそうな格好でした。せめて虫除けぐらい対策していたのだろうか。
失血死しなかったか心配です。
さて、僕は脳筋なタイプで多動的、考える先に手が出て大ケガをするタイプなので、「腰を据える」タイプの釣りは極めて苦手です。
福岡に住んでいた頃、釣り番組も釣り雑誌も、冬になるとクロ(メジナ)とチヌ(クロダイ)の浮き釣りの話ばかりになってしまい苦痛でした。
磯のクロ釣り特集で、丸ウキが沈むシーンの動画とか延々と流してたけど何が面白いのかついぞわかりませんでした。
釣りの醍醐味は「知識を駆使しながら、魚との読み合いを制する」ことだと思うのですが、釣れないとすぐに心が折れてタモ網を手にタイドプールに突撃してしまう人間にはこれはなかなか厳しいです。
あと釣れない釣りも基本やりたくないです。(※2)
そんな飽きっぽくて釣りのどヘタクソな人間なので、紹介する釣りはすべて体力しか必要としない、きわめて単純なものばかりにしていくつもりです。
ぶっ込んでほっとくとか、撒き餌でよせてエンドレス回収とかね。
今後の記事でも、釣りという手段を用いることはあると思いますが、「なんだまた釣りかい」と思わずに読んでいただけるよう、気をつけて書いていきたいと思っています。
次回もどうぞご期待あれ。
※1 さらに言うと、海面および内水面には漁業法と漁業関連調整規則(条例)という2つのルールが存在し、網で採る・銛で突く・ライトを使うといった行為について厳しく規制しています。そのため「○○を採るためには、釣り以外の手段は実質的に不可能」という場合も多いです。
※2 にわかには信じがたいですが、世の中には「釣れない釣りこそ至高」と考える方々も多くいらっしゃいます。ワイには無理やで……!
コメント
こんにちは。初めてコメントいたします。いつも楽しんで読ませて頂いており、私も駆け出し野食家の端くれとして処理の仕方や調理法など、参考もといパクリながら生活しております(笑)
以前、Twitterの方で自分がウシガエルを調理してたのを上げた際茸本さんから反応があり驚いておりました。
ウシガエルは最初は見た目で躊躇いがあったのですが慣れると処理しやすい、料理の幅も多い、捨てるところもそこまでないと感じ好きになったので今回の記事もとても面白かったです。
これからも更新を楽しみに待っています。
はじめまして。。僕のやり方が正しいかどうかの保証はないですが、ぜひどんどんパクッてください!w
ありがとうございます。正直、ウシガエルは切り札というか、いつでも簡単に採れてどんな料理も美味しくなるとても便利な存在なので、2回目にして使ってしまったことには軽い後悔があります(笑)でも誰でも簡単に調理できるという意味ではこの企画にピッタリなんですよね。
今後のネタ探しは難航すると思いますが、面白い内容をおお届けできるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いします!