ヤマボウシがポポーの代わりになれたとしていったい誰得なのか

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僕がよく行く道の駅で、最近よくポポーが売られている。
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ポポーとは北米原産の果物で、ちょっと珍しい“トロピカルフルーツ”として各地で親しまれているものだ。

おいおい北米原産ならトロピカルぢゃねーだろというツッコミ、おっしゃる通りであります。
定義的には明らかに間違っております。大変遺憾に思うところであります。お詫びのしようもないとそういう風に思っています。

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山梨でも育つトロピカル

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ただこの果物、トロピカルフルーツと言いたくなる気持ちもわからなくはないくらいトロピカルな雰囲気を湛えている。
熟しても黄緑色というファジーな感じにも関わらず、持ち帰る際の車内が熱帯の果物屋のような甘ったるい香りで満たされる。
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果肉は柔らかくとろけるような甘味があり、黒い種がたくさんつまっている。


実はこのポポー、「森のカスタードクリーム」との異名を持つトロピカルフルーツの新王者チェリモヤやアテモヤバンレイシ(釈迦頭)と同じバンレイシ科の果物なのだ。
確かに種や果肉の風味はかなり似ている。
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しかし、基本的には熱帯・亜熱帯でしか育たないこれらのフルーツと異なり、ポポーはかなり寒い地域にも適応している。
そもそもの原産地が北米大陸であり、北はなんとカナダまで自生域が広がっているというのだから筋金入りだ。


このため、日本にはもっとも早く導入された“トロピカルフルーツ”であり、明治期には既に各地の家庭で育てられ、戦後の食糧難の時期には主食がわりにもされたという。
アケビガキ、という和名もあり、形やなり方を見ると「さもありなん」という気がしてくる。
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tropikalfruits.netより借用

tropikalfruits.netより借用

ヤマボウシはポポーと似てる?

さてそんなポポーであるが、各地で細々と生産されてはいるものの、流通に乗ることはまずない。
理由はこの果物のあまりの足の早さにある。

ビニールに入れて車で持ち帰り、帰宅して開いてみるとすでにぐちゅぐちゅになっているようなこともある。
高温や多湿、衝撃に弱く、また冷蔵庫に入れていてもどんどん追熟してすぐに食べごろを過ぎてしまう。

的確なタイミングで食べると本当にカスタードクリームのような濃厚な甘さが楽しめるのだが……
トロピカルフルーツに共通するウィークポイントだ。


というわけでポポーが食べたくても食べられない人のために何か代用品はないかと(おせっかいながら)探してみたのだが、ヤマボウシの実がちょっと近いんじゃないかという気がしてきた。

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ヤマボウシは街路樹などに植えられるハナミズキと同じミズキ科の樹木で、これ自体も街路樹に植えられることがある。

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というか山で探すより、街路樹でなっているものを探す方が早い。

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小さな赤い果実をたくさんつけるハナミズキと違って、ヤマボウシはひとつの大きな集合果をつける。
これが秋になると赤く熟して美味しい。


ヤマボウシがポポーと似ている点は食感だ。
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よく熟すると、舌の上でとろけてクリームのようになり、ポポーほどではないが甘みもちゃんとあり、そして食べた後に口の中に大きな種が残る。
軽く冷やして一気にたくさん頬張ると、結構美味しい。
果皮の食感がシャリシャリしているのがちょっと気になるが、別段まずいというわけではない。

一方で香りはあまりトロピカルではなく甘酸っぱさがあり、色味も相まってリンゴのそれのようだ。

というわけでポポーの代用品として食べるなら、香りを補うべく横にアップルマンゴーでも置いて食べると良いかもしれない。
なんならカスタードクリームを少量乗せて食べるとなお近づくかもしれない。

まあ、そこまでして似せてどうするんだという考え方もあるかとは思います。
その点は大変遺憾に思うところであります。

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植物
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コメント

  1. モクセイ より:

    私もポポーは大好きなんですが、可食部が少ない割に値段が高いのがネックですね。
    値段が安かったら常食したいぐらいなんですが。

    後、そんなに足が早いと思ったことはないですね。
    室温で3,4日は追熟に時間がかかる感じで、
    追熟してからも2日ぐらいは持つ感じです。
    足の早さは品種にもよるんじゃないでしょうか。
    ポポーも数十種類の品種があるようですし。

    それから、アテモヤ(釈迦頭)と書かれていますが、
    バンレイシの間違いかと思います。
    アテモヤはチェリモヤとバンレイシ(釈迦頭)を掛け合わせた品種ですよ。

    • wacky より:

      あら、すみません、勘違いしておりました。ありがとうございます、修正させていただきますね!

      2日というのはかなり足の早い部類に入るのでは……。というか洋ナシなんかもそうですけど、追熟にかかる時間より食べごろの時間の方が短い果物って現代人にはハードル高いと思います。

  2. ななし より:

    その横に置いたアップルマンゴーを食べればいいじゃない……と突っ込まざるを得ないガバガバなチャレンジ、大好きです。
    ミスターポポしか浮かばんけど食べてみたいなあ~

    • wacky より:

      初めて見たときは当然ミスターポポが思い浮かびました。アラサー男子の嗜みですね。
      アップルマンゴーの香りをおかずに様々な果物を食べるのです。。らいふはっく。

  3. nono より:

    小学生の頃遠足で行った公園にヤマボウシがあったのを思い出しました。
    友達が食べててすごく気になりつつも自分は食べなかったんですが、後からどうしても食べたくなって探したところ見つからなくてずっと記憶に残っていました。
    ちょっとトゲトゲした赤い実が特徴的ですね。
    また探しに行ってみようと思います!

  4. Chimpwax より:

    長崎出身ですが子供のころ、ウベ(ムベ)というツルになる実をよく食べていて、アケビよりはるかに美味しかったんですが、紹介されることもなくほとんど知られていないですね。同じくイタビというイチジクに似た実も上位ランキングでした。イヌビワも。マキの実もよく食べていました。ニワウメと呼ぶのも食べていました。ヤマモもよく食べていました。
    ユクリっていうスモモのような実も地元を離れてから見たこともありません。
    海では「マガリ」と呼ぶ細長い牡蠣のようなのを殻を割って食べていたのが珍しいかも。
    今は長野県に住んでいますがヤマナシという野生の梨の美味しい食べ方お願いします❗

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