深海魚・トウジンを肝和えにしたかったけどできなかったので腹いせにフナの子をまぶした

スポンサーリンク

「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。
↓↓
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


先日、makimary船長から待望の「深海行きませんか」お誘いをいただいた!
いよいよ超深海、シーズンインだぜ!!

……なんだけど残念なことに日曜出勤とかぶってしまい、同船することができず。
血の涙をのみながら、「外道がかかったら分けてください」とお願いしておいた。


そして当日、そわそわしながら仕事をやっつけていると、船長からメールが届く。
「オキアナゴとトウジンですが、要りますか?」

当然要ります―(≧∀≦)やったー!!

今回は前日の風が残り海況が悪く、超深海ではアブラソコムツっぽい当たりがあっただけであまり仕掛けを入れられなかったそうだ。
中深海に転進し、仕掛けを入れてどうにかボウズを逃れたとのことで、ご本人はとても悔しそうだが僕はホックホクである。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

トウジンの肝は天下一品、肝和えが美味しいぞ……ってあれ?


最初、このソコダラは以前も釣れたオニヒゲかなと思っていたが、吻の下部に細かな鱗があることや、中深海で釣れてきたことなどから、属の基準種であるトウジンだと考えて良さそうだ。
トウジン属は腹部の発光器(肛門の前の黒くなっている部分)の大きさで種を判別できるとのことだが、なかなかに難しい。

オニヒゲほどではないが、トウジンも肝が美味しい魚だ。
やや水分の多い身をまず昆布締めにして、そこにたっぷりの肝をたたいて和えるとそれはもう絶品で、日本酒4合が時空のかなたに吹き飛ぶ。
深海漁の盛んな沼津・戸田あたりではすでに「トウジン刺身定食」みたいに主役を張ることもあり、深海魚の出世頭といってもいいかもしれない。


ということで、ワクワクしながら包丁を入れ、とげとげの鱗で手をザラザラにしながら解体していくと、中からどろりと大きな肝が……


……!?
なんぞこれ?
おかしいな、トウジンの肝ってもっとクリーム色してて、カワハギみたいにとろっとしてて美味しそうなはず。
この赤黒い、牛レバーみたいなものは本当に肝臓なのか……? ってかそもそも小さすぎやしませんか!?

何なのこいつ、肝硬変か何かなの……?
スゲーがっかりなんだけど……畜生……


捌いてみると胃壁やいくつかの臓器に寄生虫がついており、かなり肥大したものもいた。
ひょっとすると、これら寄生虫に栄養が持って行かれてしまい、肝臓に貯蔵する分まで回せなかったのかもしれない。

トウジンの昆布締めフナの子まぶり

とはいえ、肝臓がダメージをカバーしたせいか、身はむしろ肥えていて弾力があり、また何よりも新鮮なので素晴らしく美味しそうだ。
鮮度が何より大事な深海タラ、釣りをしない限り、決して最高のものを食べることができない。
気を取り直して速やかに3枚に下ろし、昆布締めにして冷蔵庫で保管しておいた。



しかる後、このように美味しそうな飴色のサクができる。
これは当然、このままポン酢で食べても大変なる美味なのだが、肝を和えるつもりでいたので少しばかり物足りない。
何か、和えるものはないだろうか……

    |
  \ _ /
 _ (m) _
    目   ピコーン
  / `′ \
   ∧_∧
   (・∀・∩
   (つ ノ
   ⊂_ノ
    (_)
フナの子、あるじゃん!



先日送ってもらったボスフナが実に立派な卵巣を蓄えており、何かに使おうと思って分けて置いておいたのだった。
フナの卵巣は時に魚類中一番の美味ともいわれ、フナずしは卵巣を持つメスで作るのが最高級品だし、またフナの身を刺身にして、炒り煮にした卵を絡める「フナの子まぶし」は素晴らしい美味だと聞く。

フナの子まぶし google画像検索結果

今回は天然ものということもあり、フナの刺身やたたきを作るのはやめておいたのだが、深海ダラとはいえせっかく素晴らしい刺身(昆布締め)があるので子まぶしをやってみてもいいかもしれない。

ということで、フナの卵を軽く煎り、

塩水を加えて炒り煮にしながら、水分を飛ばしていく。


……ダマになっちゃった。

昆布締めは薄造りにして、

……(≧~≦)
このままでもめっちゃ美味しい!
でも、それをあえて

卵の中に混ぜ込む!
よくからめて……

完成!

いただきマース
……(≧∀≦*)
おお、これは大いにアリですな!

トウジンの昆布締めは食感もよく、味もしっかりしているが、脂分とコクにかけるきらいがある。(だから肝和えが美味しいのだけど)
そこをフナの卵がピンズド補強してくれるようなイメージ。
卵の粒がしっかりしていて、食感にアクセントを与えてくれるのもありがたい。

というか……ぶっちゃけ、フナの卵が単体で相当美味い。
大きさ的にはタラコと同じくらいだけど、味はフナのほうが上だなぁ。
これまぶしたら、どんなにしょぼい刺身でも美味しくなるような気がするわ。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



……
本当は養殖のティラピアが手に入ったら、フナの代わりにそれを刺身にして子まぶりにしようと思ってたんだけど、関東だとなかなか冬に鮮度のいいティラピアが手に入らないんだよね。
さらに言うと養殖のフナあんまり手に入らないんだけどね。
築地の淡水魚屋さんとかに売られてないんだろうか。

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
魚介その1(魚系) 深海魚
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

タイトルとURLをコピーしました