「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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昨年、深海釣りのご相伴にあずかった「うみMEMO」のmakimary船長から、ありがたいことに今年もご招待をいただき、本年1発目の深海釣りにトライしてきた。
深海釣り(特に超深海釣り)は本当に楽しく、僕の性に合っているようだ。
あまりに好きすぎて去年鼻息の荒い記事を書いたのだが、今年も相変わらず、ハイなテンションのままにちょっとアレなTweetをまき散らしている。
フロンティアへの憧れが怪魚ハンターを世界各地へ、小宮さんを世界の干潟へ、そしてワイを相模湾の深海へと誘う。
深海探求、マジで一生を捧げてもいい趣味に思えてきてしまった。
もしいま自分の船があれば、間違いなく週2で通うパターンだし、ブログも「深海ハンマープライス」になってたハズ。 https://t.co/vukVfSY9Uu— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 5, 2017
でも、本当に魅力的なんだから仕方ない。
男なら(女でも)「誰も行ったことない」「誰もやったことない」ってフレーズにビビッと来ちゃうでしょう?
アマゾンの奥地とか、人を寄せ付けない高山とか、グッとくるでしょ?
簡単にいうとそれと全く同じ(とワイは思う)場所が、三浦半島の海岸から1~2時間ほど沖に出るだけであるってことですよ。
すごいよなぁ……すごくない?
考えるだにすごすぎて、いまやもうグーグルアースの相模湾海底地形図とか見るだけでワクワクが止まらないし、船長のこと神様くらいに思ってるし、毎晩寝る前に鎌倉のほう向いて三跪九叩頭の礼してるからね。
まあそれはさておいて、船長いつも本当にありがとうございます。
今年もどうぞ、よろしくお願いします。
初釣りは深海サバ祭り
今回は竿を複数出すこともあり、ギョーカイでいうところの「超深海」は狙わず、「中深海」(-250m~300m)と「深海」(-400~500m)を攻めるという話になった。
この水深はいわゆる当サイト向きの「ヘンな魚」が釣れてくることは少ないものの、超深海釣りと比べると、仕掛けの上げ下ろしの時間が短くなるのでより多くの回数釣りすることができる。
また、魚種も多い。
船長たちの本命である「赤い魚」(アコウダイとかアカムツとか)を狙える一方で、ザ・深海魚みたいな見た目の黒い魚たちも釣れてくる。
凪いでいるため、アタリの少なさが危惧されたが、第1投から竿先に明確な魚信が現れた。
深海釣りでは追い食い(アタリがあっても巻き上げずに、他の針にも魚が掛かるのを待つこと)をさせることが一般的だが、最初の1匹は逃さずしっかり獲りたい。
ということですぐに回収ボタンを押した。
-350mくらいのところで釣るときは、回収にかかる時間は10~15分ほど。
魚の引きを感じさせて撓る竿を見つめ、ワクワクしながら待っていたのだが……
-200m位のところで、竿先が急に大きくガクンと揺れ、そのあともぐいぐいと踊るように竿が引き込まれる。
良く引きますね pic.twitter.com/rjYjxaHP56
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 5, 2017
あっ(察し)
これは間違いなく、アイツですねぇ……
ややあって巻き上がってきた仕掛けの真ん中の針には、「準本命」にして僕の大好物の、スミヤキことクロシビカマスが掛かっていた。
そして、下針には……案の定マサバがかかっていた。
深海釣りに限らず、船の釣りでは巻き上げの途中でサバ類(マサバ、ゴマサバ)が掛かってくることは多い。
サバの引きは半端じゃないほど強く、回収中に仕掛けを振り回してしまうので、仮に本命魚が針掛かりしていてもサバの力でポロリと外れてしまうことが少なからずおこる。
深海魚がサバに化ける事件が続発しています
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 5, 2017
サバは遊泳力が高く、貪欲で餌の大小を問わず食いついてくる。
深海釣りはとても大きな錘を用いるので仕掛けの沈下は早く、落としている最中はさすがのサバもあまり掛かってこないが、巻き上げ時の速度ではどんなに頑張ってもサバの速さには勝てない。
なので、船釣りにおけるサバは最も嫌われる外道となっていることが多い。
なのだがそれとは別に、深海釣りの外道としてのサバには毎回驚かされる。
サバはご存じのとおり、世界中で食用にされている。
これは彼らが沿岸を回遊し、なじみ深い存在であることが大きい。
以前「野食のススメ」の取材でサバを釣ったのは、東京湾奥・新木場にある若洲海浜公園。
イワシを追いかけて水面直下を疾走していた。
一方で、今回サバが釣れたのはまさに「深海」。
一番深かったのはなんと
280m!
ツナ缶がつぶれるほどの水圧が魚体に掛かっているはずだ。
一般に深海魚は、強い水圧に負けない形態に進化しているのだが、このサバは見た感じそんなわけでもないようだ。
また釣り上げても水圧に負けて目玉が飛び出たり、内臓が口から飛び出てきたりということはない。
巻き上げぎりぎりまで元気に竿を引っ張りまわすので、すぐにサバとわかる。
水圧の変化に強い魚は、アブラソコムツをはじめいくつもいるが、どれも基本的には浮き袋を持たず、体内の脂肪や尿素で浮力調節をしている。
普通の浮き袋を持つサバがどうやってこれほどの水圧変化に耐えているのか、その理屈が知りたいものだ。。
最終的に、サバはマサバ、ゴマサバあわせて15本ほど釣れ、うち数本を餌にしたものの、お土産も10本ほどできた。
港に戻り、すぐに頭を落として内臓を出し、鮮度を保ったまま持ち帰ってきた。
深海サバ、めっちゃ美味い
今回のサバは、3~4本ほど40㎝近いサイズのものがあったほかは、どれもあまり大きくはなかった。
船長が「深海のサバだから脂乗ってるよ」というので、とりあえず締めサバにしようと3枚下しにしてみたものの、ノルウェーサバのような「脂で身が白濁している」といった様子はなかった。
まああまり大きくないし、しょうがないよね……と思いながら砂糖と塩で水分を抜き、寿司酢につけて一晩置いておく。
翌日。
皮を引いて、そぎ切りにしてみると
……!!??
深海サバ(―270m)のシメサバ
脂ノリノリ! pic.twitter.com/wUrnEB4x15— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 7, 2017
皮下脂肪すごくね!?
一切れ試食してみると……
Σ(≧∀≦)
……うっまぁぁいっ!!
筋肉は非常に弾力があり、強い歯ごたえを感じる。
柔らかさ、水っぽさは皆無だ。
そして皮下脂肪は舌の上でとろりとほぐれて、酸味に引き立てられた脂の甘みが、口の中に爆発的に広がる!!
これは……まるで、関サバじゃあないか……!
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
まあ、そもそも釣りたてのサバは美味しいうえに、船長がすぐに締めと血抜きをしてくれたというのもあって、結果として関サバに匹敵する身質が保たれたということは言えるだろう。
でも、ここまで皮下脂肪が乗ったサバというのもしょっちゅう出会えるわけではないし、筋肉のプリプリ感は東京湾中の瀬で釣れるサバよりもはるかに上だ。
今後はバンバンキープしたいところ。
あー、でも、さすがに仕掛けを落としてる最中にまで掛かってくるのは勘弁してほしいかな。
途中でサバが掛かってきたっぽいけど無視して沈めた pic.twitter.com/UwAgzVtsNp
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) March 5, 2017
コメント
塩〆はどのくらいしてます??
最近嫁がしめ鯖にはまって何回も造らされるんですが、明確にこれだっていう塩加減(自分本位)にならなくて…
砂糖多めはなぜか喜ぶ…
僕は塩締め2時間、酢締め30分っていうのが基本ですね~。ちょっとしょっぱめに仕上がります。
ほえー
ぼくも底曳漁でアカガレイ獲ってるときにサバがかかってくることがたまにありますが、てっきり網上げてる時に巻き添えになったやつらかと思ってたら……
そうか、深みにもいるのかあいつら……全然知りませんでした。
いるみたいなんですよ……しかも水面までわりと元気ですからね……
さすがに甲板に揚げるとへたれますけども。なので網の中で泳いでたら表層サバ、ぐったりしてたら深海サバ、かもしれないですね
初コメ失礼しますm(__)m
自分はカヤックで相模湾西岸にて中深海釣りを楽しんでます。やはりアコウやアカムツ・キンメが本命ではありますが、珍魚が釣れるとミョーに嬉しいんですよね。
裏本命は15kgサイズのアブラボウズです笑
おお、カヤック深海アングラーだ!!
突然ですがめっちゃ尊敬してますw いつか僕もやってみたい……
でもカヤックでアブラボウズ釣ったら、綱引きに負けちゃうような気がしますねww