「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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先日、“せつなさんの近所の知人”ことKさんにお誘いをいただき、ボート釣りに同行させていただく機会を得た。
前日に、使用する分の餌や仕掛けを準備しようと思い、どんなものが必要かと伺ったのだが「クーラーボックスだけでいいですよ」とのお返事。
どういうことなんだろう、虫餌でもコマセでもオキアミでも、言われればすぐに準備できるんだけど……
当日。
これで釣ってください、と渡されたのは
ごついサビキ仕掛け。
「イワシいっぱいいるんで、イワシが掛かったら底に沈めてください」
あーね、なるほど、これは「わらしべ釣り」ですな!
マジで釣れるの?「わらしべ長者」釣り
わらしべ釣りとは、まず小魚を釣ってそれを餌に大きな魚を狙っていくという、食物連鎖の摂理を利用した釣り方。
おとぎ話「わらしべ長者」にちなんだ名前なのだ。
昔からあこがれはあったのだが、知識としては持っていても夢の要素が強すぎてにわかには信じがたい部分があり、採取活動時は無駄にニヒリストになってしまう僕は、これまでこの釣りにトライすることがなかった。
今回はボート釣りということで、陸の釣りよりは幾分有利ではあると思うがそれでも、本当に釣れるのだろうか。
しかも、このサビキ、コマセ(寄せ餌)は使わないのだという。
確かに、小イワシや小サバは寄せ餌がなくとも、サビキ仕掛けを細かく動かしていると釣れることはある。
しかし、Kさんのいうことが本当なら、つまり餌すら使わずに高級魚をゲットできちゃうということになるわけで、そんなことしたら釣りの神様が怒ってボートをひっくり返したりするんじゃないかという気がする。
そんな心配をしていると、にわかにボートに取り付けた魚探が騒がしく鳴りはじめた。
モニターを見ると、中層が真っ赤になるほどの生体反応が。
サビキを沈め、タナを合わせて必死にしゃくっていると、やがて竿先がプルプルと震えた。
巻き上げてくると、釣れたのは
立派なカタクチイワシだ。
この時期、産卵のために大群で湾内に押し寄せてくるらしい。
そしてこのイワシたちを狙って、大量のフィッシュイーターが浅場に押し寄せてくるという。
まずはこのカタクチイワシをしっかりと針に掛けて、そこからすべてが始まる。
サビキ釣りには割と自信ニキなのだが、コマセを使わずにサビキにイワシを掛けるのはなかなかに難しい。
群れの中を水平に通すとけっこうすぐに掛かってくれるのだが、垂直に通すと仕掛けの下の錘を嫌って群れがばらけてしまう様なのだ。
Kさんが10匹掛ける間に1匹掛かるかどうかというヘタクソさで自身ばかり喪失する。
それでも何とか複数の針にイワシが掛かると、今度はそれを海底まで落とす作業があるのだが、これもまた難しい。
一息にストンと落としてしまうと、イワシの口が切れて針が外れ、せっかくの餌が逃げてしまうのだ。
指で道糸の出方をセーブしつつ、そろりそろりと落としていく。
着底したら、餌のイワシがプルプルしている様子を竿先で感じつつ、大魚のアタリが出るのを待t
グングングン(竿先を大きく引き込むアタリ)
いきなりキター!!
Kさんアタリ来ましたッ! ここここのあとどうすればばばば
「ゆっくりでいいですよーあせらず、竿先がグーンと入るまで待って……いいかな、じゃあ竿をぐーっと、払い上げるように立ててくださいー。」
ぬぉぉぉぉx重いッ! こいつはグレートですよKさん!
ああああ糸が! 糸が巻けませぇん!(悲鳴)
「焦らないで~。ゆっくり一定の速度で巻いてくださいー。たぶんヒラメかなー?」
えーだってこれ巻けない! 巻けないよ!! 重い重い重いアッー!
フワッ
…………orz
「今のはデカかったですねー、3㎏位あったんじゃないかな?」
マジかよ……クッソ悔しい……
で、でも! マジでイワシにヒラメが食ってきた!
これは……エクスタシーだッ!!
マジで釣れたッ!
その後、餌となるイワシを追いかけつつ、様々なポイントで釣りを継続したのだが、
ちょっと深いところで、本命のヒラメをゲット!!
ジャスト40㎝、ヒラメかソゲ(子ヒラメ)か迷うところだけど、初めてのヒラメだから、ヒラメでOK!
底が荒い崖になっているポイントでは
でかカサゴにメバル、アカハタ!
途中大サバ(マサバ、ゴマサバ)の襲撃も楽しみつつ、
ムシガレイなんていうちょっとしたレアキャラも顔をだし、
最後、終了直前に
今度は50㎝の本命ちゃんが!
これが釣れたのでさっきのヒラメはソゲに降格だな。
40㎝程度でヒラメって言ったら笑われるからね~(白目)
……でもやっぱりソゲにしちゃデカいから、ソゲキングと呼んであげよう。
というわけで高級魚ばっかりきっちりと揃え、わらしべ釣りは大成功に終わった。
これ、築地で全部買ったらいくらすんだろな……
カイル・マクドナルドもビックリだねこりゃ。
陸の釣りでも積極的にやってみたいゾ
あらためて、
これが
これになるってすごい話だよなあと思う。
今回は魚探の力こそ借りたものの、イワシが接岸しているときなら陸からの投げサビキでも簡単に釣れるのは間違いないし、コマセを併用すればますます釣果はかたい。
で、イワシが掛かったらそのまま海底に落として放置しておけば良いのだから、難しいことなんて何もない。
今回理解したのは、フィッシュイーターって浅場・岸寄りにもデカいのがたくさんいるんだなということと、餌のイワシは一度でも海上に出したら餌としての力が半減してしまうということ。
途中、あまりにも僕がイワシを掛けることができず、Kさんが釣り溜めていたものを頂いてサビキに付けて海底に落としたのだが、アタリの数は断然少なかった。
ちゃんとカタクチイワシを釣ることができて、さらにそれをそのまま海底に落とすことができると、だいたいは着底後すぐに本命たちがアタックしてきたのだ。
だから、陸釣りでわらしべ釣りをやる場合も、投げサビキなどで餌となる小魚を掛けたら、回収せずそのまま海底に落としておいてアタリを待つのが一番よいのだろう。
一度でもこれで釣れると、脳内にイケナイ物質が分泌されてクセになってしまうので、今年の夏は折を見てこの釣りにトライし、知見を集めていきたいと思う。
コメント
これは面白そうですね。
サバやシロギスを釣って
生き餌にしたことはあるけど、
そのまま沈めるのはやったことないです。
反応いいんでしょうね。
泳がせ釣り。
ボート釣りなどでは定番の釣りです。
いろんなものが釣れて楽しい釣りです。
特に外道がすごい。えい、さめ、うみへび、その他高級魚まで。
かんたんに釣れる釣りですが、そう思ってると難しく奥が深い。
慣れて欲が出てくると・・・・意外に苦戦する釣りだったりします。
コマセ仕掛けをそのまま沈めたらヒラメには糸が細すぎると思うのですが、3号くらいのを使っているのでしょうか。あと、陸でやる場合の投げサビキはウキがついてるので、どうやって沈めるのかが難しいですね。
こちら(四国東部)では普通のルアータックルで軽いジグの上にサビキを半分に切ったものを付けて投げるというのが割とよくあるパターンですねー。
根がかりしにくいところだとベイトさえいればおいしい思いできる攻め方ですよ。