「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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今年も土用丑のウナギ狂想曲が繰り広げられましたね。
「今年はシラスウナギが好漁で若干価格が下がり、ほっとした。たくさん食べてほしい」という養殖業者の声を報道する新聞あり、ひつまぶし有名店の前にできた行列を報道するテレビあり、ウナギ食べた報告をするSNSアカウントあり、そしてそれらをひとつひとつポリコレ棒で殴って回るウナギ警察あり。
↑のリンク先にもある通り、土用丑の日の一極集中型消費は弊害が多いので、僕もそれはやめたほうがいいと思います。
メディアと広告代理店は至急「土用丑のウナギ」を煽るのをやめろ。
値段も安すぎる、5000円/匹くらいにすればノリで食べる人はいなくなるでしょう。
あとは買って食べるも釣って食べるも自由でいいんじゃないでしょうか。
シラスウナギは特別採捕許可がないと採っちゃいけないものなので、反社勢力のシノギになっているなら水産庁がもっと気合い入れて取り締まればいい。密漁もしかりです。
ワシントン条約、レッドデータブック、いずれも無視できないことだと思います。
ただ、これまであまたの魚介類を激減させてきた日本人の食欲はとんでもないもので、そういった形の圧力は効果を持たないでしょう。
ウナギを買うな! 食べるな! と叫び、ウナギに携わる人々を言葉の暴力に曝しても何の解決にもならない。
そんなことより、今の異常な消費形態を転換させ、「食べようと思えば食べられるけど、高価だしそんな無理してまで食べるものじゃないよね」的な意識に落ち着かせて、その結果ウナギの消費量が適正量まで減り(0にするのは不可能だと思う)シラス漁が金にならなくなっていけば、すべてがよい方向に向かっていくのではないでしょうか。
憧れのアミウツボが手に入りました
さて、では「土用丑のウナギ」文化をどのようにして転換していくべきか。
さんざん語られていることではありますが、やはりここは代替品(ダイガエって読むのキライ)がよろしいかと。
そもそも「土用丑はうのつくものを食べる」というのは公的に認められたルールなわけで、あとは正統派でいってもとんちで搦め手でもOKなわけです。
ジャパニーズファジーってやつですね。
とはいえ「うのつくもの……うどん?」とか言われてもウナギと全然ちゃうやんけ(憤怒)となって終わっていくのは目に見えているので、ある程度ウナギに味が似ていて、ウがつくものを探すのがよいかと思います。
なにかあるかな……う……ウ……
……アミウツボ!
よかった、ちゃんとありましたね。
皆さんもよくご存じのアミウツボ。
ウツボの仲間でも小型種で、やや深いところにいるようで釣りではあまり顔を見ません。
沼津方面のドン深地磯でフルキャストブッコミしたらワンチャンあるかしら?
横縞と水玉がかみ合ってちょっとアバンギャルドな見た目ですね。ウツボの仲間ってなんでどれもこうなのでしょう。
今回、網代在住の両親が知り合いの漁師さんからタダ同然で貰ってきたものを検挙し、押収してきました。
おとん、おかん、いつもありがとう! 息子が死にそうな顔で本執筆してる時にブログの更新を催促するのはやめてください死んでしまいます。
アミウツボをかば焼きにして食べてみた
今回のものは60㎝ほど、この種としては最大クラスと思われます。
小さくてもウツボはウツボ、牙は大変鋭く、咬まれると肉ぐらいちぎられるでしょう。
顔もよく似てる、ちょっとのんびりした印象だけど。
目打ちをして捌いていき、
白焼きにして、酒を振りかけてフライパンで蒸してから、タレを絡めて皮目を焼きます。
こんな感じ。
いただきマース
……(´・~・`;)
骨、やっぱり硬いな……
ウツボの仲間なのでやっぱり皮下埋没骨が硬いですね。
小さいからワンチャンなんとかなるのではと思ったけど、厳しいですね。
骨一本一本は小さく、良く噛んでから飲み込めば問題ないけど、それがあんまりにも大量にあるので一口につき100回くらい噛む必要があって大変です。
バッドカンパニーと闘うときの仗助の気分。
でも味はいいですよ、というかウナギそっくり。
皮目の脂とか、ウナギよりも上品でいいね! でもアナゴともまたちょっと違うんだよなぁ。
本家ウツボと違って、皮目のケミカルな磯臭さが少ないのでありがたいです。
やっぱり、深いところに棲むウツボだからなのかなぁ……
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
別にウツボだってウがついてるし、ウツボ食えばいいジャンって?
うるさい! ウツボはもうさんざんやっただろ!!
コメント
石鯛の皮に山椒振って醤油で煮るとかなり近い味になるのでウナギの代用品になりうるのでは…と個人的には思っとります。
あとタカッパやクロ等の磯魚もひつまぶし的な料理に使えば、たぶんウナギと遜色ないのかもと。
この食材(ウナギ)じゃなきゃ駄目、って重圧から解放されればいいのでしょうが…。
この時期は鮮魚に顧客が集中するので精肉業界は『牛』を売り込もうとしてますが、なかなか定着しませんねえ。
『代替』ですが、僕の周りでもほとんどの人が『ダイガエ』と言うので会議のときとか『ダイタイ』と言うとあれ?って空気になって困ります。