有明海の「ちょっとだけ個性的ないきもの」を愛でる(舌で)

スポンサーリンク

野食のススメ -東京自給自足生活- おかげさまで初動はなかなか好調です!
すでに購入いただいた皆様、本当にありがとうございます! みんな大好き!


週末の間入荷しなかった書店さんでも、今日あたりには陳列されると思います。
そんなにたくさん刷っていないので、中小型書店さんだとないところもあるかもしれません。
その時は恐縮ですが大型書店さん(紀伊国屋、ジュンク堂、丸善、三省堂etc.etc…)をお尋ねくださいませ。

Amazon先生は安定の品切れ……

(先生っていつもそう、大事なタイミングで在庫切れる。これまで何度苦労させられたことか……)
今表示を見ると「2~4週間で発送します」なんてとんでもない文言が書いてありますけど、そんなにお待たせしないでお届けできると思います。
でもお急ぎの方は楽天その他のウェブショップもご検討くださいませ。


あ! あと恐縮ですが、アマゾンその他通販サイトのカスタマーレビュー(口コミ)について、ご協力いただける方はぜひお願いします!
購入を逡巡されている方の参考になるようなご意見ご感想をいただけますと嬉しいです!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

アリアケスズキもハゼクチも、食べれば違いが判るのさ

有明海の生物と言えば、


干潟のエイリアンことワラスボ、


干潮時の主役ムツゴロウ、生きた化石のミドリシャミセンガイなど、全国でもここ(と八代海)にしかいない、見た目も生態も非常にユニークなものがたくさん知られています。

こういう生物たちは、かつて日本が大陸と陸続きだったころに、広大な干潟の海を渡ってきて、そのまま有明海に取り残された「大陸系遺存種」と言われています。

しかし、大陸系遺存種のなかには、こんなユニークな見た目をしていない、一見普通種と見た目が似ているものもあります。
代表的なものが今回釣れた


アリアケスズキ


コイチ


そしてハゼクチです。

それぞれ本土のスズキ(マルスズキ)、ニベ、マハゼに非常に似ていますが、別種となっています。


まずアリアケスズキ。
特徴は背部から背鰭にかけての黒い斑点模様。

マルスズキでも幼魚の時はある個体がありますが、成長に伴い消失していくのが一般的です。
今回の個体は40㎝ジャスト、いわゆるフッコサイズでも明らかに斑点が残っています。

海外から養殖のために移入され、逃げ出して分布を広げている「タイリクスズキ」という外来種がいるのですが、見た目はそっくりです。
厳密にはDNA鑑定しないとわからないのですが、まあ確率的に考えてアリアケスズキということでいいでしょう。

一般的なスズキと比べると顔が小さくてシャープ(かつちょっとしゃくれ)な印象を受けるのですが、これは種の特徴でしょうか、それとも個体差でしょうか。

調理してみましょう。

鱗はマルスズキよりも剥がしやすいように思います。やや細かいのかな。
内湾の、しかも河口寄りの場所で採れたマルスズキはだいたい強い川の匂いがあり、また体色も茶色がかっているのですが、このアリアケスズキはヒラスズキをも彷彿とさせるきれいな銀色です。匂いも不快さ一切なし。


皮目の脂がのってますね。


刺身と


塩焼きで行ってみましょう。

……(`・~・´)
うんうん、良いですね。これは美味しい。
刺身は脂ののりがとてもよく、素直でさっぱりとしていながら後味にコクを感じます。
藁臭さというか、後味にひなびた香りがあるのが個性的でよいですね。有明海の香りをまとっているといってもよいかも。

火を通すと香りは一層強くなり、アユの香りを濃縮したような、あるいはちょっと川魚のような香りが皮目を中心に沸き立ちます。
これは好みが分かれるかもしれない。ぼくは大好きです。
身がほろっとほぐれてほくほくしているのはさすがスズキと言ったところ。

潮汁も同様です。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



続いてハゼクチ。

マハゼと似ていますが、尾鰭に斑紋がないこと、そしてはるかに大きくなることで違いが分かります。
といいながらも、最近ではハゼクチは小型化が著しく、40㎝を超えるサイズのものはほとんど見かけなくなっているようです。
ウェブサイトで検索してみると、真冬の夜釣りで58㎝だとかの超大型個体を釣りあげているものもありますが、だいたいが2009年以前の情報。
2010年あたりを境にめっきり釣れなくなってしまっているようです。


個体数が激減しているのかと思いきや、今回はデキサイズながら短時間でぽんぽんと5匹釣れました。
小宮さんいわく「そもそも年魚だし、大きくなる必要がなければならないのでは?」とのこと。
このサイズで年魚とかやべーなぁ……イカタコ並の成長速度だわ。

前に野食会で天ぷらにしたことがあるのですが、ちょっとよそ見をしていた間になくなってしまいました。コノウラミハラサデオクベキカ

今回は15㎝ほどしかない小さい個体ですけど、マハゼと比べると頭が大きく、エラが横に張っているような印象を受けます。

せっかく新鮮なので刺身にしてみましょう。

……(≧〰≦)
あっこれ美味しい!
マハゼと比べるともうちょっと繊維質な感じがします。
脂も乗っていてとても良いですね。
ただ鮮度落ちが激しそうなのと、大きくなると水っぽくなりそうという話には納得。
30cmオーバーのものを糸造りにして食べてみたいな。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



残りのハゼクチとコイチは焼き干しにしてみました。
今度これで出汁とって飲んでみようかな。

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
魚介その1(魚系)
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. Utty より:

    いつも読んでるだけですが、本を買ってワクテカなので初めてコメントします。
    野食に興味あるもなかなか踏み切れず…先日も家族サービスで軽井沢へ出かけたのですが貴殿の影響で辺りのキノコに夢中でした。

    「これは傘の裏がスポンジ状だからイグチだな!」なんて思いながら写真を撮る始末。
    不人気との事ですが、密かにキノコシリーズも好きなので今後も期待しています!

    • wacky より:

      軽井沢はいいですよ……最強ですよ。街中がキノコの楽園です。とくにイグチの仲間は山ほどでますね。近ければ月3~4回は通うのですが(^_^;)
      キノコもできるだけ更新していきますね! といっても秋は自動的にキノコ記事まみれになってしまうのですが

  2. 微食家 より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    著書も購入して拝読させて頂きました。
    こちらのサイトとは違う、ヨソイキの野食も楽しかったです。
    私は地元でカメノテを採取し塩茹でにし、フジツボやニナ等はまとめて鍋に入れて潮汁にして楽しんでいます。
    これからも楽しい記事を待っております。

タイトルとURLをコピーしました