アカジコウはバターをココナッツオイルに変えるキノコ!?

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やばいな…… 夏のキノコはもう終わり、とキッパリ言ったばかりなのに……
スマン、ありゃウソだった


先日、なんだかコウタケに呼ばれたような気がしていつものポイントに行ってきたのだが、どうも幻聴だったようだ。
それ以外にも秋のキノコは全く影も形もなく、代わりに夏のキノコのはずのテングタケ類やイグチ類が大爆発していた。

山中がこんな調子

山中がこんな調子




今年はここまで気温の低下が穏やかで、さらに山全体の保水量が少なく、今後も降水が少ないと里山の秋のキノコはちょっと厳しいかもしれない。
他のキノコは割と我慢できるけど、コウタケが少なかったら向こう1年ちょっとつらいなぁ……

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まあ、ヤマドリタケ系でも十分満足なんですけどね

とはいえ、夏のキノコが物足りないというわけでは全然なくて、

素晴らしいシェイプ

素晴らしいシェイプ


ヤマドリタケ類のキノコは旨味も強く、乾燥保存もでき、商品価値は極めて高い。
高級キノコの代名詞「ポルチーニ(和名ヤマドリタケ)」とごく近縁種なのだから当然と言えば当然だ。

今年はとくにヤマドリタケモドキの当たり年のようで、キノコクラスタの知人たちから連日のように大漁のお知らせが入ってくる。
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先日僕が入ったポイントも、視界に入るキノコの5割以上がヤマドリタケモドキという状態で、あっという間に大収穫になった。
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崖、谷、法面、木の股etc.

立派なモノをお持ちで

立派なモノをお持ちで




また、このポイントではそのほか
「おかーさん夕張メロンパン落ちてるー!!」

「おかーさん夕張メロンパン落ちてるー!!」


アカヤマドリもたくさん生えており、良いお土産になった。
直径20㎝ちかいベストな状態

直径20㎝ちかいベストな状態




さて、欲をかいてもっとないかと森をさまよっていると、突然薄ピンク色のきれいなかさが目に飛び込んできた。
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これは……アカジコウ!!

アカジコウはポルチーニの仲間のキノコの中でもトップクラスに美味しいといい、一度出会いたいと思っていたキノコだった。
かつて菅平高原に多いと聞いたことがあり、このキノコのためだけにいつか行ってやろうと思っていたのだが、それには及ばないようだ。
まあ、キノコ狩りでは青い鳥が足元にいたというのはよくあることだ。

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色合いがよく似た別種のキノコがあるらしいが、柄の網目模様と穏やかな青変性(触ったところが青くなる)を確認し、本物のアカジコウだと確認。
2個しか取れなかったが、試食には十分だ。

モドキ=孫悟飯 アカ=ゴテンクス アカジコウ=超サイヤ人神

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持ち帰ってきたヤマドリs。

せっかくなので、ごくシンプルな料理で食べ比べてみることにした。


まず、すべての種を薄くスライスする。
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これを1種類ずつ、ひとかけらのバターで炒める。
色が濃くなり、香ばしいような良い香りがしてくる。

炒めた後のバターは別のフライパンに集め、きれいに洗って再度新たなバターで次を炒める。
これを繰り返す。


最後に岩塩をぱらぱらと振って、完成。
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ひとつずつ食べてみよう。


まずはヤマドリタケモドキから。
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……(`・~・´)
うん、旨味がとても強い。
ここまでのキノコはそうないし、ことバターとの相性を考えたらホンシメジすら軽く凌駕しそうだ。
ただやっぱり、本家ポルチーニと比べるとどうにも香りが弱い。
歯ごたえもちょっと柔らかいんだよね。
まあ、それでも十分美味しいけど。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



続いてアカヤマドリ。
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……(・~・*)
おお、なんだか甘味がある!
香りはモドキより強い一方で食感はより柔らかい。
色がものすごい出るのでクセが強そうに見えるがそんなことは全くなく、やはり強い旨味があって美味しい。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



最後にアカジコウ。
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……

…………
(・~・;;;)!? !??
えっ、あれっ、ココナッツオイル……???

間違いなくバターで炒めたのだが、口の中に広がる香りは間違いなくココナッツオイルのそれだ。
甘くてフルーティーな香りが、バターの香りとうまいこと重なり合い、このような現象が起きたようだ。
バター本来のミルキーな香りとの相性は抜群だ。

歯ごたえは非常に強く、コリッコリッという心地よい音が脳内に響く。
同時に口いっぱいに広がる強烈な旨味と、思わず笑ってしまうほどの甘味が弾ける。
う、美味すぎる……!!


これは間違いなく絶品。
これまで食べてきたキノコの中では間違いなくトップ3に君臨するものであり、単純な旨味だけでいえば一番強いかもしれないと感じた。
なんだこのキノコ、たまげたなぁ……

味:★★★★★
価格:★★★★★



色合いもよく、こっくりとした旨味を持つこのキノコ、連れは鮭と一緒にホイル焼きにして食べたいと宣う。
なにそれめっちゃ食べたいんですけど!!!11!

明後日また同じポイントにキノコを見に行こうと思うので、帰り道にキングサーモン(輪切り)を買って帰れるよう頑張りたい。

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キノコ
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野食ハンマープライス

コメント

  1. えむっち より:

    面白い生え方が多いですねw 楽しませて頂きました。

    アカジコウうらやましいです、たまたま拾える事はあるのですが
    時期にここ行けば大体ある、ってのがなくて。食べ方も参考になりました!

    • wacky より:

      狙ったように木の股から生えてくるんですよねえ……まあ、木の「子」ですからね。ムスコ的な。

      アカジコウは今年が初めてなので、来年同じ時期に同じ場所で採れればルーチンに組み込めるんですが…… 楽しみにしたいと思います。

  2. シゲ より:

    こんにちは。キノコはアミガサタケしか採ったことないのですが、そんな初心者にお勧めの身近で採れる秋キノコがあれば教えて欲しいです。

  3. ぴんこえ より:

    アカジコウ・コウタケ・タマゴタケ・シロカワ…
    今まで美味しそうなキノコがたくさん出てきたけど、一体どれがトップ3なんだー!
    気になるー!

  4. 毒キノコマニア より:

    中国・雲南省に「见手青」という優秀な食菌があるのですが、このきのこは覚せい剤のLSDに似た物質を有しており、不適切な調理方法で成人が大量に摂取したり、小人が摂取すると幻覚症状が現れるようで、過去には幻覚によって道路に飛び出し事故で死亡したという事例もあったとか。
    で、「见手青」ってなんやねん、ということで調べてみたのですが、どうやらアカジコウ(小美牛肝菌、红葱菌、その他妙に色々呼び方がある、Boletus speciosus)を指すようでした。適切な調理方法として、80℃の油で20分加熱することが推奨されているようです。

    因みに雲南省には红葱菌にそっくりな白葱菌(Boletus albidus)という食用きのこもあるようで、こちらも同様の調理法が推奨されています。

    • 茸本 朗 より:

      ほほう……興味深いです。
      幻覚成分を持つ毒キノコは多いですけど、揮発性(もしくは加熱で変質するからタンパク質系?)の毒っていうのは聞いたことないですね。
      そしてそのキノコ、雲南きのこ鍋にときどき入るやつじゃないですか……? 食レポで見かけたことある気が

  5. 異像 より:

    今日菅平で採ってきたよ♪
    今日行った場所は針葉樹系でたぶんないだろうなと思ったら
    マイアミ天国だった・・・!
    というか菅平は(多分)プロ爺たちが軒並み引退して
    高原全体が天国・・・
    ホンシメジまで見つける始末・・・マジだぜ

    タマゴタケもシメジもアカジコウもソテー最強
    ヤマドリ系はしっかり味付け、そういう意味で洋食にあう
    イロガワリ系は刻んでちょっと混ぜる、香りの華やかさで洋食にあう

    ・・最高だな!
    マジでレアでもなんでもねえじゃん(愚)感満載でもりもり採って帰ったわ
    あ、虫食ってないキレイなイグチ・・アカジコウだ!×6
    針葉樹林のキノコ優秀・・・・

    バターとオリーブオイルのソテーで個人的No.1は
    「アイタケ」。同定は超簡単。タマゴタケとかイグチ系同様、虫もナメクジも大好き♪

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