★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
先日、富士山周辺山域で採ってきたハナビラタケ。
数年前に栽培技術が確立し、一時期のブームは去ったものの現在でもスーパーの生鮮売り場で見かけるので、野生キノコの中では知名度があり、研究も進んでいるキノコだと思う。
美味いハナビラタケとそれほどでもないハナビラタケ?
しかし最近になって、国内で確認されているハナビラタケにはどうやら2種類あるのではないか、という学説がメジャーになっている。
Wikipediaによると、2006年に新種登録されたSparassis latifoliaと、それ以前に国産のハナビラタケに充てられていたS. crispaという種の混在の可能性があるそうなのだ。
Sparassis latifoliaはS. crispaと比べるとちぢれが大きく、縁がギザギザになっているなどの点で肉眼的にも区別することが可能だというが、味の方はどうなのだろう。
というのも、キノコ狩りストの中でハナビラタケの評価は「めっちゃうまい」と「歯応えだけ」の2つに大きく分かれており、また「○○で採れるハナビラタケは美味いけど××のは美味しくない」という話も耳にしたことがあるので、ひょっとするとこの2種は味の面で違いがあるのではないかと思ったのだ。
似ている他のキノコもなく、色合いや歯応えも良いとなればそれだけでも十分に価値があると思うのだが、さらに味も良ければ何も言うことはない。
はたして今回採れたものはどうだろうか。
ハナビラタケの出汁を取っていろいろやってみた
キノコの美味しさには様々な方向性があって、和食に合うものか洋食に合うものかだけでも最初に確かめておくと、後の料理の方向性が決定しやすい。
ただ、キノコの出汁は一度煮出しただけではうまく採れないことが多く、一度煮出して冷まし、もう一度煮出すようにすると良いのだが、これを怠って「このキノコは出汁が採れない!」という判断をしてしまっている人が多いように思う。
そのようにしてハナビラタケの出汁を見てみると
いい色だ!!
香りもブナシメジのような嫌みのないキノコ香に、少しだけ松の香りが加わった様な感じでとても品がいい。
そして味は……
…(≧ー≦)
濃厚!!
塩をひとつまみ入れて吸い物に仕立てるだけで素晴らしい料理になりそうだ。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
さらにひと手間加え、鶏がらを少し足して水餃子のスープにしてみた。
具材は餃子とカブ。
…(≧∀≦)
ハナビラタケの出汁は動物的だが牛や豚ほど強くなく、鶏出汁と合わせてみたのだがピッタリだった。
後口にわずかに残る松の香りが口の中を爽やかにしてくれるので、いつまでも飲み続けられるスープになった。
味:★★★★★
価格:★★★★☆
あとはよくオススメされる天ぷらにもしてみたが……
…(・~・´)
うん、パリパリして美味しいけど、出汁の繊細さや香りはちょっと飛んじゃったかな。
香りの強い幼菌や、歯ごたえを楽しむ栽培品でやるにはいいかも。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
ハナビラタケ、美味いしいっぱい採れるしでいうことないんだけど、もしハズレのやつがあるのならそれはそれで食べてみたいものだ。
とはいえイグチやテングタケよりもさらに早い時期に出る孤独なキノコで、これにアブれちゃうとお土産皆無という事態に陥りかねないので、新規ポイントを開拓するのが億劫なんだよな……
みんな、オラにハナビラタケ情報を分けてくれ!(他力本願)
コメント