キノコ酒っていうものがあるらしい。
「知ってるよ、マイタケとかでやるやつでしょ?」
マイタケ酒 google画像検索結果
うん、ワイもそう思ってた(´・ω・`)
でもそうじゃなくて、オトナな文脈における用語というか、そういうプレイがあるらしい。
対義語は「わかめ酒」だと言えばお分かりいただけるでしょう。
だから、本物のキノコでキノコ酒をしようとする場合は、「マイタケ酒」とか「ホンシメジ酒」とか種類で言わないといけないね。
でも、時にただ「キノコ酒」って呼びたくなるようなキノコに出会うことがあるんだよね。
ポルチーニの親戚・ヤマドリタケモドキとアカヤマドリ
先日、軽井沢に土地を持つ友人が、そこで採れたという立派なキノコを持ち帰ってきた。
それは、ヤマケイ図鑑に載っていそうなほどに典型的なヤマドリタケモドキとアカヤマドリだった。
写真を見ているだけでもうっとりしてしまう。
嬉しいことに分けてくれるというので、ホクホクしながら持ち帰ってきた。
あらためて観察してみると
……うん、いい形をしとる。
ヤマドリタケの仲間は、太く丈夫そうな柄とまんじゅうのように丸い傘のバランスがとてもよく、「The キノコ」という印象を受ける。
歯ごたえ、香りともに良いものが多く、食菌として最上級の評価を受けるものも多い。
それもそのはず、基準種とされるヤマドリタケは、イタリア語でポルチーニ、フランス語でセップと呼ばれるあの高級キノコなのだ。
モドキもアカヤマドリも、ヤマドリタケと比べると味はかなり落ちるが、それでもこっくりとした旨味とキノコらしい香りが自慢の優秀な食菌である。
ただ、それはそれとして
幼菌がね、またいい形をしとるわけですよ。
まあ多くは言わないけれども。
旨味、香りともに強いキノコだし、お酒に入れて飲んでもなかなかイケるんじゃないだろうか。
イヤ別に、形からインスピレーションを受けたというわけではないですよ?
キノコ酒を作ってみた
ふつう「キノコのお酒」というと、サルノコシカケやマンネンタケのような漢方原料を焼酎に漬けこんだものを想像するが、今回は「フグのヒレ酒」の路線で行ってみたい。
つまり、しっかりと焼いたものを、熱燗に漬けて旨味と香りを引き出すのだ。
まずはキノコを良い大きさに切り
ぎゃあああああ
……おっと、失礼、なぜだかすごい痛い気持ちになってしまった。
これをフライパンでジュワーッと焼いて、その後直火で軽く焦げ目をつける。
日本酒は熱めに燗をつけておき、焼きあがったキノコを投入!
おお、いい色出てきた。
いただきマース
……(`・~・´)
ううむ、これはなかなか乙でございますな。
ヤマドリタケモドキの方は、それこそアミノ酸をそのまま溶かし込んだような、純粋な旨味だけがお酒に溶け込んだようなイメージ。
僅かにキノコらしい香りもあるが、思ったほどには感じられない。
このままでは「やたらと旨味の強い馥郁とした酒」みたいになってしまうが、ここに塩をほんのわずかに溶かし込むことで急に「キノコのお酒」みたいになるのが面白い。
アカヤマドリの方はまるでインカコーラのような黄金色になってインパクトがすごいが、香りもその分強く、やや土臭いようなキノコ臭を放っている。
旨味はヤマドリタケモドキ酒と同様に強く、こちらも塩を入れることでよりバランスが取れる。
どちらかというとアカヤマドリ酒の方が好きだな。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
なかなか面白い試みだった。
今度また別のキノコでやってみよう。タケリタケとかね。
コメント
いつも楽しく拝見させていただいております
自分は何年か前に、釣りを始めるかキノコ狩りを始めるかで、どちらも好物だったので悩んだ結果、調べれば調べる程キノコを見分けるという事が難しく、いずれアウトを引いて苦しむ結末しか見えなかったので釣りを始めました。
釣りを始めてから今まで、自分の心を掴んで離さないのはウツボ・ゴンズイ等の外道って言われてるけど美味なる魚達で、その流れでこちらのサイト様にはよくお世話になっておりました。
しかし、なるべく目を逸らしてはいたのですが、どうにも気になるのはキノコの記事…。
俺のキノコを見てくれ。どう思う? とても…美味しそうです…
おススメ茸図鑑を手にまずは似た姿が無さそうなタマゴタケ・カンゾウタケからスタートしようか、モンモンと悩んでおります