ハイカグラテングタケはどうやら優秀な食用キノコっぽい

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ハイカグラテングタケは、漢字で書くと灰神楽天狗茸。
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灰は解るよ、全体に灰色の粉がふいてあるからね。
でも神楽ってなんだろう。

傘の上の突起がボリューミーで何か担いでるみたいに見えるからだろうか。
いやまあ僕には見えないけどね。

なんにしてもものすごいインパクトのあるキノコだ。

どーん

どーん


カラカサタケ、アカヤマドリ、ニオウシメジの関東巨大キノコ三兄弟にケンカを売る存在となれるか。

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ハイカグラテングタケは食べられるのか

テングタケ科のキノコは、ざっくりといえば毒菌と食菌に分けられる。
そんなの当たり前だろといわれるかもしれないのでさらに言うと、かなり美味なキノコと結構強い毒をもつキノコに分けられる。(もちろん中間的なものや食毒不明なものもある)

タマゴタケ以外にもいくつか美味なキノコがある

タマゴタケ以外にもいくつか美味なキノコがある


タマゴタケやツルタケのような、こっくりとして舌に貼りつくような強い旨味をもつキノコがある一方で、ドクツルタケのように1本で家族全員あの世行きみたいなキノコもある。
なんというか、極端なグループなのだ。


基準種のテングタケが強毒キノコなので全体的に毒のイメージが強いが、代表的な毒成分「イボテン酸」(イボテングタケから分離された)はイノシン酸の40倍もの旨味をもつとされ、前記のような猛毒キノコも味そのものはかなり良いのではないかと言われている。
もちろん人体実験をするわけにはいかないので、実際のところはわからないのだが……


さて、ハイカグラテングタケはその名に「テングタケ」の名称を冠しながら、実は食べると美味しいキノコだと言われていて、ヤマケイ「日本のきのこ」によると中国では食用にされているという。

もし本当に美味しい食用キノコならば、貴重なテングタケ科の食菌であるのみならず、間違えそうな類似種が無くて安全性の高いキノコということができるだろう。
なにせここまで大きなキノコ自体そうないのだから。

今回はせっかく立派なもの(傘径20㎝、高さ40㎝)がとれたので試してみることにした。

ハイカグラテングタケを食べてみた

テングタケの仲間は成長が早く、朝に顔を出した幼菌が夕方には開き切ってしまったなんてことがある。
そのため全体的にもろく、傘はふわふわで頼りなく、柄は中空で歯応えがあまりよくない。
なので傘の開いたタマゴタケなどは刻んでオムレツにしてしまうことが多い。

しかし、このハイカグラテングタケほどのサイズまで成長しようとすると、タマゴタケのような構造では自重で崩壊してしまうだろう。
そのためか、全体的に丈夫でしっかりした造りをしている。
KIMG0496
傘と柄も取れにくいし、柄も上部が僅かに中空になっているだけで付け根の部分は中実でしっかりしており、食べ出がありそうだ。

1つで十分食べられる

1つで十分食べられる




傘にはちょっとキノコムシが湧いていたので、ぬるま湯の塩水で虫抜きをしたが
KIMG0532
ボウルにジャストサイズww

その間に柄を処理する。
KIMG0497

太い!

太い!


表面についている灰色の粉を洗い落とし、斜めにスライスしていく。
KIMG0527
サクサクとした質感ながら、繊維を束ねたような造りをしていてなかなか美味しそうだ。


虫抜きを終えた傘を絞り、スライスして柄と一緒にサラダ油でソテーする。
KIMG0529
塩コショウで味を調えて
KIMG0531
いただきマース
……(`・~・´)

……タマゴタケと同じ味がする!
コクのある強い旨味があり、そしてキノコらしい濃厚な香りがある。
これはかなり美味いキノコだ。

例によって香りにちょっとクセがあるので、サラダ油よりもバターやゴマ油を使って炒める方がいいかもしれない。
中国で食べられているということだが、ひょっとすると雲南キノコ鍋に入れられるのかな?
タマゴタケと比べると歯応えと存在感がしっかりしているので、鍋に入れてもすごく美味しいと思うねぇ……


さて、加熱前で50gほど食べたので、もし毒成分があれば中毒症状が出るだろうけど……
……丸2日経っても全く異常なし!!
まあ、ヤマケイ図鑑に食って書いてあるんだからそもそも疑う必要もないんだろうけど。。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



あ、でもテングタケ科の食用キノコには、加熱が不十分だと中毒を起こすものがいくつも存在するので、生食や生焼けになりやすい調理法は避けたほうが無難だと思います。
生でサラダに入れたり、まるごと炭火焼にしてご飯に乗せたりするのはあんまりお勧めしません。
もっと研究が進んで安全性がはっきりしたらにしましょう。

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キノコ
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野食ハンマープライス

コメント

  1. 鏡の破片 より:

    どうやら「灰神楽」で一つの単語のようです。
    火の気が残っている灰の中に水がこぼれた際、灰がまるで神楽を舞っているように吹き上がる様子、
    あるいはその際に舞い上がった灰の事だそうで。

    まあ囲炉裏が日常生活の中に存在する文化圏ならば日常的な用語になるんでしょうけど…

  2. nue より:

    鏡の破片さんのおっしゃる通り、「灰神楽がたつ」という風に使いますね。「蚊柱がたつ」なんかと同じ感じです。

    • wacky より:

      なるほど、ありがとうございます。勉強になります。。
      そう言われれば傘の上のつぶつぶなど、そう見えなくもないですね。表面を覆う粉も完全に灰ですし。。

  3. 西洋呑み屋 より:

    北海道で、大きな天狗茸を多人数で、焼いて食べた事有りますが、味が濃く癖はない記憶が残ってます。ただ、少量でも、軽く酒に酔った感じと、一名見事に当たり…ソコソコ強い毒キノコなのは、実感しました。w

    • wacky より:

      ベニテングではなくノーマルテングタケのほうですか……!それはちょっと危険なトライでしたねw
      まあ地方によっては毒抜きしながら食べるといいますしね。

  4. えむっち より:

    とても興味のあるキノコなので、楽しく拝見しました。
    かなーり美味しそうですね。タマゴタケなんかは柄の部分はまぁまぁの
    印象ですが、こちらは中実で良さそうに見えますね。
    スープにしたときにどんな出汁が出るのかも気になるなぁ。

    • wacky より:

      たぶんいい出汁でると思いますよ!旨味に関しては安心と実績のテングタケ科ですからね。

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