先日、めちゃくちゃ美味い馬を食べる機会がありまして。。
本当に美味い馬肉は柔らかくジューシーで、まるでマグロみたいな旨味があるんですね。驚きでした。
ってか馬にもシャトーブリアンってあるんだな。。刺しの入り方が絶妙で凶悪な味わいでした。舌を犯されたという感じです。
でも、魚っぽいのは赤身だけではなく、脂肪もなんですね。
馬刺しが美味しいのは、むしろそちらの要素のほうが影響大だといえるでしょう。
というのは、馬の脂肪は他の食肉と比べ融点が非常に低く(25℃)舌の温度で溶けるために、美味しく食べることができるのです。
これが例えば牛だと40℃ほどになり、人間の体温では溶けなくなるため、当然ながら火を入れたほうが美味しくなります。
むかし、仙台で牛タン刺しというものを食べたことがあるのですが、まるで霜降り肉のようなサシが入っていたにもかかわらず、噛みしめても脂を感じられずがっかりしました。
(牛でも育て方により脂の融点が下がるようで、松阪牛では17℃で溶けだすというデータがあります。)
そういうわけで、馬の脂肪は生で食べても美味しいという凶悪仕様なのですが、その中でも最凶に近いのが、首周辺の「たてがみ」と呼ばれる部位。
ご覧のとおりきれいなクリーム色をしており、脂肪が大量に含まれています。(いちおう部位的には首の筋肉で、純粋な脂肪ではない)
馬刺しで有名な熊本では「コウネ」とも呼ばれ、赤身肉と交互に並べて彩りを添えるほか、食べるときも一緒に口に含むことでまるでトロのような味わいを楽しむことができます。
一方で哺乳類の脂肪は体質によってはお腹を壊してしまうことがあり、同じく馬刺しをよく食べる山梨では「たてがみを食べると腹を壊す」といって売られることも少ないようです。
ぼくは哺乳類に限らず脂肪に弱い(自分は脂肪をため込んでるくせに)のですが、馬の脂肪は大丈夫です。むしろ年々牛肉の脂肪がしんどくなってきた。。
今回はこのたてがみで作ってみたいレシピがひらめいたので、やってみました。
ラードの代わりにたてがみをぶっかけろ
先日の野食会で「トリュフラードごはん」という神をも恐れぬ所業が行われたのを覚えている方もいるでしょう。
文脈としてはまず、数年前から、主にネット上で「ラードかけごはんがうまい」という言説が広がっていました。
バターよりももう少し純粋で強力な油であるラードは、白米にかけることでその攻撃力を上げます。
一方でトリュフ成金(自分のトリュフシロを持っている人々)が一昨年ごろから現れ、「トリュフかけごはん」「トリュフいりトリュフチョコ」などの遊びを繰り返していました。
これら2つのデカダンスが出会った結果、ラードを乗せたご飯の上に「どうだトリュフ臭くなったらう」とばかりにバカみたいにトリュフを削って掛けたという惨劇が発生したわけです。とても美味かった。
そうなると今回やるべきことはもうお分かりでしょう。
まずはご飯(最高級つや姫)を炊き、
そこにたてがみを細かく刻んでどかどかと盛り、
昨年から熟成させ続けていた国産黒トリュフことイボセイヨウショウロをめたくそに
めたくそに
削って掛けます。
味付けに醤油をひとたらし。
ご飯の温度でみるみる溶けていくたてがみ。
このツヤ、輝き、悪の極みといった風格です。
いただきましょう。
……ッッッッツツッッツ!!!!!!!!
おっふ……
これはいけない。
太宰治も筆を折ってまじめに働きだしそうなほどのデカダンス(意味不明)
脂甘ッ! ご飯とろとろッ! トリュフエロッッ!!!
これはダメっ、禁止っ、放送禁止っ……!!(ボロボロ)
……卵黄とか乗せちゃったりして……
……ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
味:★★★★★
価格:★★★★☆
コメント
カイジからのバキ
美味いに決まってるじゃないか(嗚咽)
フタエゴとかも美味しいと思う。
バラムツのワックスがけご飯をですね