糸島半島で釣りを楽しみ、飲んだり食べたりしていよいよ福岡滞在最終日。
ここまでの収穫物を荷物に積み込み、思い出に浸りつつ博多の街を歩いていると、突然キノコセンサー(ドラゴンレーダーみたいなやつ)が反応しました。
こんな何もないところで、何奴!!?
ドォーン!!
ヤナギマツタケだ!!
ヤナギマツタケは初夏と秋に、ヤナギやカエデなどの枯れ枝、うろなどから発生するキノコです。
そのため街路樹から発生することも多く、エノキタケやヒラタケと並ぶご近所キノコと言えます。
しかし、そうだとしてもまさか博多駅徒歩5分の大通り沿いの街路樹で、これだけの大株と出会うことになるとは、さすがにびっくりと言わざるを得ません。
また状態も最高に良い!
ヤナギマツタケは発生環境によって子実体(キノコ)のサイズが大きく変わるのですが、ここのそれは幼菌の時点で柄の直径が2㎝ほどもあります。
まさにマツタケサイズといってもいいでしょう。といってもマツタケとは近縁でも何でもなく、「ヤナギから生えるマツタケっぽいキノコ」という意味の和名かと思われます。
冷静に考えたら「柳松茸」ってお前それどっちやねんって感じしますもんね。
収穫していると、タクシーの運ちゃんから「こん人こげん場所のキノコ採りよる……頭おかしいっちゃろか」みたいな目でガンガンに見られましたが、気にしなーい。
街中で豪華な野食材が採れると、野山とはまた違った喜びがあります。
ヤナギマツタケを食べてみた
採ったヤナギマツタケを改めて観察していると、不意に甘い香りを感じました。
鼻に近づけてみると、とても心地よい香ばしさ……これは、まるでココアの香り!
ひだを中心に、キノコ全体から上質なココアの香りがします。胞子からくる匂いなのでしょうか。
本家マツタケとは全くベクトルの違う香りですが、個人的には非常にグッときます。
これは期待できるぜ! と胸を膨らませ(太りすぎという説もある)、裂いたキノコを遠火でじっくり炭火焼きに。
焼けた!
香りを消さないように、まずは塩で行ってみましょう……
……(´・ω・`)ココア香消えちゃった……
どうやらココアの風味は加熱すると飛んでしまうようで、焼きあがったキノコからはむしろちょっと魚介系に近いような匂いがします。
残念な気持ちになりながら口にすると……
……(≧ω≦)ウマー‼‼
これ、旨味つよぉい!
かさはプリッとしていてシイタケに似ていますが、柄は強烈にジャキジャキしており、香りがないことを除けばほぼマツタケのそれです。
緻密で繊維が細く、ギュッと凝縮された感じがあり、歯切れだけでなく手で割く質感も非常に心地よいです。
これはやっぱり、スダチと醤油がよく合うカンジですね。
鍋に入れてみると、ひだや幼菌から茶色い色が出てしまい、鍋のつゆがちょっと濁ってしまいましたが、一方でとてもよい出汁が出ています。
ポン酢が美味しいけどごまだれにも負けてない。鍋料理との相性は野生キノコの中でもトップクラスかも!
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
最近では「やなぎまつたけ」の名前で栽培品も流通しているこのキノコですが、街路樹に出るということもあり、キノコ初心者が狙うにもぴったりのキノコです。
現に先日このキノコの写真をアップしてから、すでに4人の知人から「これヤナギマツタケじゃね?」と写真を送られてきています。
場所も目黒区、横浜市鶴見区、福岡市などいずれも都心部。
大きく膜状で垂れ下がるつばと、ココア色のひだ・幼菌のかさが確認できれば、街路樹から発生するものではほかに間違うようなキノコはありません。
今年はどうも豊作だったみたいですが、それでも同じ場所で来年以降もまた狙えるので、街を散策する折にはぜひ街路樹にも目を光らせてみてください。
ちなみに同じようなところで、これからの季節はエノキタケが発生するよ(≧ω≦)
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