ギンダラは美味しい。
最近ギンムツってのも割とよく見る。メロのことですね。
ギンザケは言わずもがな。
ではギンザメって、食べたことありますか?
そもそもギンザメを知らないというひとが多そうなので説明しましょうかね。
●ギンザメって何ぞ?
ギンザメは深海に棲息するサメの親戚のような魚で、軟骨魚類ながら、他のサメ類とは大きく異なる特徴を持っている。
外見はこんな感じ。
サメってカンジしないでしょ?
獲れる地域では見た目からギンブカ、ウサギザメなどとも呼ばれているらしい。確かに、短耳種のウサギっぽいと言えばぽいかもしれない。
学名はChimaera phantasma。和訳すると「幻影の怪物」。
超カッコいい。
ミックス怪物「キメラ」をほうふつとさせるからでしょうな。
鰭の形状からもわかるとおり、遊泳力は低いようで、胸鰭を使ってふわふわと海底を漂いながら、小動物を食べて暮らしているらしい。
顔はこんなカンジ。豚鼻がファンキーだね。
そしてサケガシラ同様、何かを訴えかける眼をしている。
今回は鮮魚店で購入することができたのだが、こんな珍しいサメをわざわざ売るなんてさぞかし美味なのだと思いきや、
-肉は一般的に不味とされており、かまぼこや練り製品になる。- Wikipedia ギンザメ より引用
吉池ェ…
まあいいや、喰わずに語るな、ってことで…
●ギンザメを捌く
早速捌いてみると、軟骨魚類だけあって頭はすんなりと落とせたが、
胸びれの第一条がすごく堅い。
なんでもここに毒を持つらしく、網に掛かったときに刺されてしまう事故もあり、嫌われて廃棄されているという。
でもめんどくさいからそのまんま煮ちまおう。
刺毒は加熱すると基本的にはなくなるので大丈夫なはず。
●ギンザメを食べてみる
身はフニャフニャクニャクニャして、サケガシラほどではないが水っぽい。
刺身コンニャクのようだ。
鮮度が心配だが、一切れだけ刺身で食べてみる。
くにゃくにゃくにゃ…
味がないなぁ。
他のサメ類と違ってアンモニア臭はあんまりないけど、旨味も食感も大したことはない。
と言うことで、ぼうずコンニャク氏オススメのムニエルと煮付けにした。
●ギンザメのムニエル
こんなにくにゃくにゃなのに、加熱してもそんなに水っぽくならないのはいいね。
表面がカリッとして、ちゃんと美味しい。
とくに軟骨がいい。軟骨魚のムニエル、これ流行るでぇ…
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
●ギンザメの煮つけ
割と癖になる食感。
そして肝が旨い。とろける。
深海魚の肝ってちょっと危険な香りがするけど…
軟骨もうまい。軟骨魚類は軟骨を楽しむ魚類ってことでいいのかも。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
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サケガシラなんかもそうだけど、昔から漁の網に掛かっていたけど棄てられていたり、下魚として地元のみで消費されていたりする魚は相当多いと思われる。
僕みたいなマニアが勝手にありがたがって、ちょっと高値でも買っちゃったりするので、漁師のみなさんは是非試しに市場に卸してみてほしい。
ゲンゲみたいなブレイクがあるかもしれないですよ。
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