冬は野食がなかなかはかどらない。
寒さで獲物も動かなくなるし、自分も外出がおっくうになるためだ。
そんな時は、市場に行って変わった魚や、付属のオマケ(内臓とか、胃の内容物とか、寄生虫とか)なんかを探してみると意外といいネタになる。
特に北の魚が面白い時期だ。
市場でゲット!イカした食材
さて、自分は魚好きであるが、釣り人のプライドとか素潜り人のプライドなどは別段持ち合わせてはいない。
だから釣りや魚突きに行って丸ボウズを食らっても、その辺の魚屋で某かを買って帰ればいいと思っているし、釣果・突果でクーラーがぱんぱんでも、地物の珍しい魚が売られていれば躊躇なく購入する。
如何に築地が世界最大といえども、東西3,000キロあるこの国のすべての魚が手に入るわけではない。
小田原や佐島といった首都圏近郊の港で上がった魚ですら、地場でしか購入できないものであふれているのだ。
地方市場は変わった魚という観点からいえば正に宝の山で、旅行や仕事で遠出するときはできるだけクーラーボックスを持って行くようにしている。
今年こそ仕事で行けなかったものの、ここ数年は毎年12月の頭頃に、宮城県の閖上朝市(震災後は名取のイオンにて開催)や、塩竃の卸売市場に遠征して、都心では手に入らない変わった魚を購入している。
昨年購入した魚でワクワクできたものを少し紹介していきたい。
①ツバメウオ
塩竃の市場で一軒だけ、やたらと変わったものを商っている店を見つけた。
なにせ店頭の目玉商品がエチオピアというところだ。
そこで売られるでもなく、飾りのように中途半端に置かれていたのが
このツバメウオ。
この魚に出逢いたいとずっと思っていた。
水族館で見かけても、刺身になったところばかり妄想したほど。
南方系の魚のように思えるが、釧路以南の各海域に生息しており、宮城でもしばしば揚がっているらしい。
鰭が大きい魚は、それを動かすための筋肉、いわゆるエンガワが非常に発達していることが多い。
ツバメウオも非常に大きな背鰭と尻鰭をしているので、脂の甘さが期待できるのではないか、と思ったのだ。
ツバメウオを造ってみた
活け造りにしたが、血抜きができなかったせいか、それとも刺身の配置のせいかあんまり美味しそうではない。
九州の甘い醤油を付けて食べてみたのだが…
…
けして不味くはないが、期待値の分ややがっかり。
エンガワは予想通りとても大きいのだが、カレイやヒラメのような脂ののりは感じられなかった。
この魚、成長すると60㎝にもなるという。
今回のものはあまりに子供すぎたかもしれない。
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
うーん、残念…まあ仕方ない、また出会ったらトライしてみよう。
ツバメウオのひれ酒は美味かった
…とその時目に留まったのが大きな鰭。
これだけ大きければ、やってみるしかないでしょう
ひれ酒。
ひれ酒でマズイものに当たったことってない(味がしなかったことはあるけど)。
そして大きくて肉厚であればあるほど良いダシが出る。
これも、うん、美味しい。
捌くときに感じられた生臭さも皆無。
普通の魚では小さすぎて使えない背鰭、尻鰭も使えてお得感のある魚です。
味:★★★★☆
価格:★☆☆☆☆ 本来捨てられる部分だからね。
次回は「大はも」の予定。。
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