アカエイはタイ料理にすると最高だということが分かった

先日、動画のロケでアカエイ釣りに行き、見事ビッグワンをぶち抜きました。
全長140㎝、ウェイトはたぶん10㎏オーバー、2本の毒針を携えたボス級の1本です。

釣り場で締めて血抜きを施し、氷締めにして持ち帰ってきました。最高に新鮮な状態でどんな調理法でも美味しく食べられるはずですが……さてどうしよう。

エイという魚の難しさ

アカエイはエイの中では最も食味が良いものの一つです。
なのですが、しかしすべての魚の食味ランキングのなかではどうでしょうか。個人的には「中の中の下」くらいではないかと思っています。

魚離れした独特な食感、ポリポリとした軟骨の歯ごたえ、皮や骨から出るたっぷりのゼラチンなど魅力もあるのですが、一方で身には軟骨魚類ならでは独特の苦しょっぱい風味があり、また水っぽさもあってうま味がそこまで強く感じません。

そのため塩焼きなどのシンプルな料理では美味しくならず、強めの味付けで唐揚げにしたり、甘く煮つけて唐辛子を利かせたり、刺身は酢味噌やコチュジャンなどをつけて食べるなどひと工夫が必要。あんまりたくさんレシピがある魚だとは言えません。

なので今回もデカいのが釣れたうれしさはありつつも「どうやって消費するか」については正直ちょっと悩んでいました。

メイン可食部である両の鰭は同行の二人にお裾分けしたのですが、それでも残った肉は大量。しかもつい先日別件で釣った際に唐揚げと煮つけはすでにやってしまっており、どうにかして新しい調理法を開発しないといけない状況です。
どうしたもんか……

ビジョンのないまま解体作業を進め、湯霜にとって皮を剥き、ぶつ切りにしていた時のこと。
「デカいアカエイ釣れたよ～」と釣果報告をした友人から、LINEの返信がありました。

「（エイ食べたことないけど）素揚げしてナンプラーとかで甘辛くしたらおいしそうだよね」

……！　それだ！！

エイ、タイ料理にするとくそうまい

タイの魚醤であるナンプラーは当然魚料理によく合うのですが、それに加えて砂糖との相性がめちゃくちゃ良いという特長があります。というかそもそもタイ料理は「ナンプラーと砂糖、唐辛子、酢（もしくは柑橘果汁）」をうまく使って素材の味わいを生かすものであり、エイみたいな「食感はいいけど風味にクセがある食材」の料理にすごく向いているはず。
「タイ　魚料理」で調べてみるといろいろ出てきますが「これはおいしそうだな」と思ったのが「トートマンプラー」というタイ風さつま揚げ。たまたま家にある材料でなんとかやれそうだったので、作ってみることにしました。

エイは皮を剥いて、筋肉と軟骨を細かく刻み、フープロで擦ります。

ここにココナッツミルクとタイカレーペースト、砂糖、ナンプラーを入れて

よく練り合わせ、油で揚げます。

スイートチリソースを添えて、完成！
簡単すぎるので何かもう一品作るか。。

エイの切り身の表側、黒くてざらざらした黒い皮だけを剥いで、裏面の皮は残した状態でぶつ切りに。

一度素揚げにして余計な水分を抜き、

トマトと刻んだ青唐辛子、ココナッツミルク、ナンプラーでじっくり煮て

エイのココナッツミルク煮、完成！

いただきまーす

……(≧〰≦)キタコレ！　完璧！！
エイのあの独特の風味をカレーペーストがカバーし、ナンプラーとココナッツミルクが足りない旨味と油分を補ってくれています。そしてエイのすり身を加熱した時のジューシーでふわっとした食感が香辛料でうまく際立させられて、魚なのに鶏肉で作った軟骨入りつくねみたいな仕上がりになっています。これは面白く、かつ美味しい。

ココナッツミルク煮もエイの特性を良く活かせており、皮から出るゼラチンが全体に広がっていいカンジにコクを与えてくれています。香辛料が入っていないのでカレーよりも味が優しく、ご飯のお供にとてもいいです。うまし！

味：★★★★☆
価格：★★★★☆


今後もエイが釣れたら持ち帰り、エスニック方面のレシピをいろいろ試してみたいと思います。これはかなりポテンシャルありそうだぞ。。

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