外道魚1の嫌われもの・ダイナンウミヘビをお金が取れるレベルまで持っていきたい

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先日ペンさんから「ダイナンウミヘビが釣れたけど、いる?」という連絡をいただき、二つ返事でお願いしました。


ダイナンウミヘビ過去にもこのブログで取り上げていますが、ウミヘビとついているものの、ウナギ目に所属する魚類です。

“ウミヘビ”は、魚の中に何種類かいてどれも非常に顔が怖いのが特徴的。
「野食のススメ」でも掲載しましたが、同科のホタテウミヘビと並べて顔写真を掲載すると


完全に指名手配リストです。



その中でもダイナンウミヘビは非常に身近で、海でブッコミ釣りをやったことがある人なら一度は出会ったことがあると思います。
虫エサ、身餌、オキアミなんにでも食いついてきて、針掛かりすると砂に潜ってしまうので仕掛けを失うことが多く、さらに釣り上げても大暴れする上に歯が非常に鋭くてケガをすることもある、という嫌われ者。

アカエイやゴンズイの毒針、タチウオやウツボの牙もものともせず、美味しくいただいてしまうというツワモノは少なからずいますが、ダイナンウミヘビを持ち帰るという人はほとんど見たことはありません。
個人的な感覚では、嫌われ度はクサフグと並びナンバーワン。(魚類を含めなければウミケムシのほうが嫌われてると思うけど)


一方で、ウミヘビ科はウナギ目だけあって、食べてみると結構美味しいものが多いです。
身質もいいし、脂ののりも良い。実際にマルアナゴというウミヘビの一種は、輸入物の“あなごの蒲焼”の原料に用いられているほど。
ホタテウミヘビなんて、身はムチフワで脂トロトロで、ウナギの代用品としてのポテンシャルは高いと思います。

今回はちょっと頑張って、ダイナンウミヘビで「豪華で高価」な一皿を作ってみたいと思います。

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ダイナンウミヘビ盛り合わせ

太い(当社比)


ダイナンウミヘビはウミヘビの仲間では比較的大きくなるほうで、時に2mを超えることもあります。
頭から尾の際までほとんど太さが変わらず、大型のものほど肉量も多く、食べ出があります。
さらに身の味が良さも折り紙つき。

それでも持ち帰られることがほとんどない、その最大の理由は小骨の多さ。

3列の小骨+2列の皮下埋没骨はウナギ目共通


調理した人がみな「全身にびっしり骨が入ってて食べるところがない」「煮ても揚げても食えたもんじゃない」と言うほどで、血合い骨に加えて髭のような小骨、さらに皮下埋没骨までぎっしりと敷き詰められています。

でも、ウツボやダイナンアナゴ、そしてでかハモを調理したことがある人間にとっては、ダイナンウミヘビの小骨なんてかわいいものです。
大型個体でも小骨は柔らかく、無視して食べられるほどではないものの、骨が細かくできる調理法であれば何も気になりません。

圧力鍋にも弱いしね~


小骨の処理といえばまず思いつくのはハモですが、ダイナンアナゴの大型個体(1.5m超)と通常サイズのハモ(60㎝くらい)で小骨の固さは同じくらい。
となれば、ハモ同様に薄づくりにすれば小骨はほとんど気になりません。

ハモは骨切りが有名ですが、ちょっと高級店だと薄造りにして食べさせてくれるところがあります。
美味しんぼで雄山が金上をやり込めるのに使ったアレね。


ダイナンウミヘビはぶつ切りにして、ヌメリをよくとれば目打ちがなくても普通に捌けます。

3枚おろしにして、皮を引き、薄造りにしましょう。


……とはいえハモと違い身がフグみたいにプリプリしているので、普通の柳刃で薄づくりにするのは結構タイヘン。
キンキンに研ぎあげてからやらないと、身がグズグズになっちゃうよ(なった)。

フグ引き欲しいなぁ……誰か買ってくれないかな~チラッチラッ


さて、薄造りだけじゃ豪華とは言えないので、ほかのものも乗せましょう。
まず思いつくのはやっぱり「落とし」。


骨切りして、片栗粉をまぶし、

さっと湯引きにします。
水気を切って冷蔵庫へ。


あとは……皮を焼くか。

ダイナンウミヘビの皮は薄く柔らかいものの、ゼラチン質はしっかりとしていてとても美味しそうです。
ハモの「皮ちくわ」にならってやっていきましょう。


あとで引き抜きやすいように、竹串を数本束ねて芯とし、ダイナンスキンをくるくると巻きつけていきます。

そこにみりんと薄口しょうゆを塗り、

あぶり焼きにしていきます。


焼けたら竹串を抜き、輪切りにして盛り付け。


できた!

うん、結構豪華じゃない?

味も言うことなし。
薄造りはフグそっくりなんだけど、ウナギ目の風味も嫌味じゃない程度にあって、個性的かつグッドテイストです。
アサツキを巻いて、ポン酢にもみじおろしでいってください。


落としは梅肉がいいな。
骨切りにするとハモよりも骨が気にならないです。刺身にできるほど鮮度のいい個体だから、湯引きも当然美味しい。

そして皮ちくわ。

……(≧〰≦)
ゼラチンのぷるぷると脂のジュワっが一緒に楽しめて、いかにも「高級珍味!」ってカンジがします。

味:★★★★☆
価格:★★★★☆



2,000円/皿 くらいとってもいいんじゃないかな、これなら。

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. w より:

    ウナギの刺身は血抜きしないと毒らしいですが、ウミヘビは平気なんすか?

  2. 野肉は美味い より:

    コイツが生で食えるなんて(@_@)
    鰻、穴子の類いは生で食べないから驚き

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