霞ヶ浦の新顔巨大外来魚・ダントウボウを捕まえた

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先日、さかな芸人ハットリさんと一緒に、霞ヶ浦に外来生物ハントに行ってきました。

昼の間はハクレン・ソウギョを狙うも、スレっからしで丸坊主。どうもヘラブナ釣り師に散々叩かれて釣り針に敏感になってしまっているようです。

しょうがないのでジャンボタニシやナガエツルノゲイトウといった霞ヶ浦のいつメン外来種をゲットしながら時間を潰し、

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日が暮れてからタモ網を片手に再びはじめのポイントへと戻りました。

夕マズメが終わると、一部の夜行性のものを除いて魚たちは警戒心を解き、障害物の影や水底の窪みに身を潜めて休息モードに入ります。そこにソロリとタモを入れると、ブラックバスやブルーギル、ヘラブナなどの外来魚たちを簡単にゲットすることができるのです。

ヤル気にはやる心を抑えて水中を覗くと、側扁した体型の魚が何匹か固まってたゆたっているのを発見!! ヘラブナか、あるいはハクレンの子供か……
さっそくタモを入れ、ゆっくり壁に追い込んでいきます。

入った!! このシルエットはヘラブナだ……

……アレ!?

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ダントウボウだった

姿を視認した瞬間、ハットリさんとぼくはほぼ同時に「ダントウボウだあぁ!!!」と叫びました。網に入っていたのは30cmほどのサイズのダントウボウだったのです。

ダントウボウは中国原産の魚で、長江などに生息しています。日本では2000年代中頃から霞ヶ浦周辺で確認されてきたのですが、あまりのレアさのために知名度が殆どなく、ときどき釣り人が「変なヘラブナ釣れた」といってインターネット上に投稿し「ダントウボウぢゃん!!!!」と騒ぎになる、といった状況が続いてきました。

しかしどうもここ4、5年ほどでかなり殖えているようで、釣りで狙う人たちも現れていました。今回我々も「もしかしてダントウボウ採れちゃうかもね」みたいな冗談を言いながらハントしていたのですが、マジで採れるとは思ってなかったので割と地の感情が出ました。

しかもその直後、ハットリさんが45cmほどのデケーのをゲット!!

あまりのテンションの上がりっぷりに「60cmあるよ!!!」なんて騒ぎ立ててしまいました。感覚と実寸がここまで乖離したのは、野食ハントを始めて30年近くの我が人生において初めてのことです。

その後ぼくももう一枚小型のものを掬い、計3匹もゲット。

逃したものも多数いたので、一晩中続けたら更に採れたのは間違いないでしょう。恐らく霞ヶ浦の中でいまかなりの勢いで勢力を拡大していると思います。

ダントウボウ、なんで増えてるの?

外来種天国である霞ヶ浦ですが、いま天下を取っているアメリカナマズの影響でブラックバスやブルーギルといった外来魚たちもその数を減らしていると見られています。そんな中、ダントウボウはいったいどうやって殖えていっているのでしょうか……

今回ダントウボウがいた場所は、捨て石などが入れられて底が荒くなっているようなところでした。もしかするとそういう場所をアメリカナマズが好まず、捕食されずに済んでいるのかもしれません。
あるいはダントウボウの尾びれの形状をみるに、かなり遊泳力が高そうです。アメリカナマズも泳ぎはうまい方ですが、ダントウボウはより速い流れのあるところや、水深のある場所の中層を泳ぐことでうまく逃れているのかも……

このあたり、恐らくもう少ししたら研究も進んでハッキリすると思われます。そもそもどのようにして霞ヶ浦に移入したのかや、在来種にどのような影響を与えるかについてもだんだん分かってくるのではないでしょうか。

ヘラブナ

ダントウボウは最大で70cmほどになると言われていますが、口の形状やヘラブナの外道で釣れてくるという事実から考えると恐らく魚食性は低く、植物プランクトンを中心に食べる植物食寄りの雑食性だと思われます。そうなるとアメリカナマズやブラックバスのような侵略性は心配しなくても良いかもしれませんが、オオタナゴみたいに「在来種の暮らす環境を横取りする」タイプの侵略的外来種もいますからね、油断はできないでしょう。

長くなったので調理・試食に関してはまた次回……

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