–児島湖(こじま-こ)
岡山県南部,児島湾の湾奥にある人工湖。 (中略)
児島湾の湾奥を締切堤防によって締め切って造られた人工湖である。締切堤防の総延長は1,558mである。児島湾周辺の干拓によって増加した農地の用水確保と塩害防止、低湿地の排水と干拓堤防の強化を目的として造成された。ダム湖を除いた人造湖としてはオランダのアイセル湖に次ぐ世界で2番目の広さを持つ。
日本でもっとも水質汚染の激しい湖沼のひとつとされ、春先から夏場にかけては湖一帯で悪臭が発生することがある。-(Wikipedia「児島湖」より引用)
今回の豊栄便ではとにもかくにもカスザメの存在感がでかくて楽しませてもらったが、本来この年内最後の便ではとある岡山の地場産品を送ってもらうことになっていた。
翔さんによると、岡山周辺では冬になるとギンブナをすり潰してミンチにし、郷土料理の材料にするのだという。
まあ、単純にフナを食べるというだけならそれこそ全国の山郷で行われていることだと思うし、ミンチにする地方も他にあるかもしれないが…
恐ろしいことに、岡山のフナミンチは児島湖(および周辺河川)で採れたフナを使うのだそうだ。
児島湖のフナ、食べるの…?
こじまこというのはAKBチーム4のメンバー、ではなく、岡山にある世界有数の人造湖である。(上記参照のこと)
僕の父親は幼少時、自宅から10kmほどの児島湖とその周辺の田んぼで生き物を捕まえたり釣りをしたりしながら遊んでいたそうで、僕も岡山に里帰りするとよく連れて行ってもらった。
大都会w岡山といえども児島湖周辺は自然が豊かで、タモ網を振り回してタニシを一網打尽にしたり、20㎝以上ある巨大なカラスガイの殻を東京に持ち帰って友達に自慢したりと、楽しい思い出がある。
しかし、典型的な瀬戸内海気候である岡山では年間を通して雨が少なく、たくさんある河川はどれも夏になると流水量が大きく減り、干上がった田んぼや水路からは淀んだ水の臭いが絶えず漂っていた。
僕にとって岡山の記憶の一角を占めるのが、夏の岡山の築港地区のどぶの臭いだったりする。
いわゆるノスタルジーというやつで、あまり悪いイメージは無いのだが。
児島湖に限らず瀬戸内海沿岸の河川・湖沼は水質汚染のひどいところが多いが、この場合の「汚染」は水量の減少による「富栄養化」が進んでいるということであり、化学的な汚染が進んでいるというわけではない(すべてとは言わないが)。
そのため、獲れた魚介を食べるということについては問題はない。
それでも、水域によってはとてつもなく泥臭くなるギンブナの、しかもあの児島湖で獲れたものを食べるというのに抵抗が無かったかというと嘘になるだろう。
正直に言えば、怖いもの見たさで注文したのだった。
ふな飯を作ってみた
果たして、今僕の目の前に、そのふなミンチがある。
見た目はやや粒の粗いイワシのミンチのようで、やや水分が多いように感じる。
臭いを嗅いでみると…
…(・∞・;)
…ちょっと川臭さはあるけど、不快なものではない。
しかし、加熱するとなれば話は違うだろう。
ふな飯をつくりにはまずふなミンチを、ごま油を少し混ぜたサラダ油で炒めてそぼろ状にするのだが、ちょっと日和ったのでごま油を大目に使って炒めることにした。
加熱したフライパンにふなミンチを落とし、しゃもじで潰すように手早く混ぜながらそぼろを作っていく。
換気扇も全開、児島湖の香りよバッチコーイ!!
…あれ?臭ってこないぞ…
改めてフライパンのふなミンチもとい、ふなそぼろに鼻を近づけて匂いを嗅いでみたが、むしろ生の時よりも無臭に近づき、ごま油の香ばしい香り以外はこれと言って感じなかった。
やや拍子抜けしつつも、安心しながら調理を進める。
ささがきにしたごぼう、金時にんじんを入れて炒め、
薄く切った油揚げとコンニャクも入れて良く炒め、鰹出汁を入れてアクを取りながら炒め煮にし、みりんと醤油、砂糖で味を調える。
これを炊き立てのご飯にかけて…
完成!
さあ、勇気を出していってみよう。
いただきマース
…
…Σ(・~・*;)!!
う、美味い!!
香りこそ鰹出汁だけど、味はもっとずっと濃厚でコクがある。
これが…これが、フナの味なのか!
これまでフナ自体は何度か食べたことがあるが、大体は甘露煮か佃煮になっていて、甘辛いたれの味ばかりで、身そのものの味わいをしっかり感じたことは無かった。
しかし、この骨ごとすり潰されたふなミンチを使ったそぼろは、薄めの味付けの中でしっかりと自らの出汁を主張し、コラーゲンを伴った濃厚なうま味を添加している。
ごぼうやにんじんのような根菜、そして白飯との相性は最高だ。
かつて「海の魚は簡単に取れて美味しいけど、味でいえばフナにはかなわない」という釣り人の話を聞いたことがある。
アメ横センタービルでも、20㎝足らずのフナと50㎝以上の見事なコイが同じくらいの価格で売られている。
フナは美味しく、それゆえに高級魚なのだ。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
児島湖、やるじゃん
ふな飯が美味かったことを翔さんに報告し、ついでに気になっていたことを聞いてみた。
これって、やっぱりきれいな水に何日間か放しているんですよね?
「いや、そんな面倒なことはしてないと思いますよ。普通に獲って、そのまますり潰してるはずです。」
なんと!
じゃあやはり、児島湖と言えども冬の魚は美味しく食べられるのか…
いや、むしろこの富栄養化した水の中で育ったフナだからこそ、これほどまでに濃厚で滋味深い味が楽しめるのかもしれない。
うーん、他の魚もぜひ試してみたいところだなぁ…
ブラックバスとかも美味しかったらすごいよね。
ブラックバス飯、作ってみたいなぁ…
コメント
甘露煮で食べたときは、ブルーギルの方が旨かったように記憶してます。
ただ、友人のおばあちゃんがフナのせごしが好きで歯が悪いのに、刺身ではなくせごしで食べるのにこだわっていたと聞いたのを思い出しました。
案外、骨ごと食べるのが旨いフナの食べ方なのかも。
ブルーギルの甘露煮!それは面白いですね、ぜひやってみたいです。
背ごしの方が刺身よりも味がある、という話は時々聞きますよね。骨周りは一番おいしいのかも…
フナやコイはいつか食べてみたい食材ですね。
子供の頃に釣ったけど、その頃は食材としては見ていなかったので・・・。
ふな飯、すごく美味しそう・・・。
なんとなくハードルの高い魚ですよね。。泥臭いって言って嫌がる人も多いですし。
でも臭みが無ければ本当に美味しい魚なんですよ。食わず嫌いの人も多いと思いますね。
初めまして!いつも楽しく記事読ませていただいてます!
フナと言えば子供の頃に近所の川で釣れたフナ、コイ、バスやらを全部まとめてミンチにし、シシカバブのようにして食べた思い出。普通に美味しかったです。
バス単体でも問題なく食べれましたよ!
あー、久しぶりに川魚食べたいな〜〜〜
コメントありがとうございます!
川魚のミンチ、意外とメジャーな食べ方なのでしょうか…
シシカバブみたいに香草を効かせるなら、臭いも消えて美味しく食べられそうですね!
今度やってみたいと思います。
フナは過小評価されすぎだと感じます。
まあ、先入観と言うやつですかね。
食わず嫌いは多いでしょうねー。
うちの親も僕がフナ釣って帰ると「臭いから逃がしてこい」って言いましたけど、真冬だったし絶対おいしいと思うんだよなぁ…
こんばんは。
寒鮒は美味いですよー(^^)
地元では今頃になると、鯉と同じくスーパーに刺身(アライ?)が並びます。
見た目そっくりですが、鯉よりやや高価で個人的にはクセは少ないと思います。。
ショウガ醤油か酢味噌ですね。個人的には寒鰤より好きです!(^o^)
川魚が並ぶスーパー、本当にうらやましいです…
高校の時に住んでいた久留米でも、ごくときどきコイの洗いは並びましたが。
寒ブリ以上とは…!ぜひとも食べてみたいです。
冬の農業排水路でとれたふなをおんなじようにふなめしにしたんですが、
臭みもなく素朴な味で良かったです。
骨ごと包丁でミンチにする作業が辛かったですがw
冬であればどこのフナでも美味しく食べられるのかもしれませんね…
まあ、ドブ川とかだと厳しいでしょうけど。。
フードプロセッサーは使ってはいけないのでしょうか??
最近このブログを知って読ませてもらってます(^^)ボクは大阪でヘラブナの養殖の仕事をしているのですがヘラブナは身がべちゃべちゃですがマブナは身がしっかりしてて美味しいですよ(^^)甘露煮や洗いにしてカラシ酢味噌で食べたりしてますよ今の時期は卵を沢山持っているんで一段と美味しいはずです(^^)
こんにちは。
フナ飯、美味しそうです…。フナ飯では無いですけど川釣りの極意とかいう本にフナをつみれ状にして汁にすると良いって書いてあったのでお世辞にも綺麗ではというかかなり汚い川のでやってみたら(確か季節は3月の終わりくらい)普通に美味しかったですよ。でもあくまで普通に美味いっていうか旨味成分は強く無かったのでその時は入れてなかった骨がフナ料理には重要ってことですかね。
・・・あとその本によるとヘラブナの刺身、美味しいらしいです。
こんばんは。色んなものを食べていらっしゃって、興味深く拝見させていただきました。
ハコフグなど、自分でもチャレンジしてみたいと思うものも。(∩´∀`∩)
さて、もうご存知かもしれませんが、ブラックバスは食用にできます。
河口湖では、ブラックバス料理が食べれるお店があります。
ムニエルだった気がしますが…淡白な白身魚ですよ。
ご参考まで。