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茸本朗の真・野食堂Zチャンネル更新中!
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多彩なゲストと変なものを捕まえたり、ヘンなものを食べたり食べさせたりしながら楽しくやっていく予定です。
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妄想雑煮シリーズその②。
昨年の暮れ、山陰のひろいぐい太郎さんから美味しい魚をいただきました。
フナ(ギンブナ)です。
なんやフナかしょーもなーって思った人もいるかもしれませんが、実は冬のフナはあらゆる魚の中でもトップクラスに美味しい魚。しかも山陰の汽水湖(今回は宍道湖)産のものは格別な美味しさで、その刺身は非常に高い評価を受けています。
そう、そもそもフナって美味しい魚なんですよ。地域によっては珍重されるコイと比べると、なぜかフナの食材としての知名度は致命的に低く「えーフナなんか食うの? 滋賀県民なの?」とディスってんだかなんなのかよくわからん煽り言葉を投げつけられることがあります。おれはこんなこと言うやつは全員京都人なんやないかと睨んどるんよ(ミルクボーイ風に)
何の話だっけ……あ、そうそうフナって美味しいんですよ。なによりもゼラチンが豊富だから、煮ると大変良い出汁が出るんですよね。
なので鯉こくならぬ鮒こくやみそ汁、ふなみそ(フナと味噌と豆を一緒にして軟らかくなるまで煮た郷土料理)なんかで美味しく食べられているわけです。味噌との相性は特に良いですね。
なので今回も普通の味噌汁にしようかなと思ったんですけど、せっかくお正月なのでもうひと手間加えることにしてみました。
フナ雑煮を作ってみた
まず、いただいたフナを水と日本酒で煮て、出汁を取ります。
出汁が出たらみりんを加えてさらに煮て、いったん冷まします。
さて、今回はフナ以外にもいくつか山陰の食材をいただいており、せっかくなのでそれも使うことにします。
まずは十六島海苔。
これを日本酒でほぐしておきます。
さらに出雲おろち大根。
これは野生のダイコンとして知られるハマダイコンを改良して作った野菜ダイコンで、根の辛みが強いのが特徴だそう。
今回はこの葉を使います。さっと茹でて、水気を絞って細かく刻みます。
フナの出汁を再度沸かし、火を止めてから白味噌を溶きます。
別の鍋に湯を沸かし、丸餅を茹でて
お椀に餅、フナ、ダイコン葉を盛り付け、汁を注ぎ、最後に海苔を盛り付けて
完成! フナ雑煮です。
いただきまーす
……(*´〰`)んー滋味
美味いですね、フナから出る鄙びた出汁とダイコン葉の香り、上品な白味噌がお餅とよく合います。
これらの風味が「大地」という感じを漂わせる一方で、十六島海苔から出る極上の磯の香りは異質な感じもありますが、この「いろいろな要素がごっちゃになっている」感じが逆にお雑煮感あってよろしいです。
雑煮ってときに「不協和音」を楽しむものがあるじゃないですか。
これもそんな感じ。
味:★★★★☆
入手難易度:★★★☆☆ 汽水域のフナ、結構見つけるの難しいんだよな
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