筑後川水系のフナで鮒寿司を作ってみた①早なれver.

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「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。
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星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!

取り出して、流水で塩抜き。
一晩くらい経ったら端っこを少しだけ切り取ってかじり、味を確認する。
ややしょっぱめの〆サバくらいの塩加減になっていればいいのだが。

……うん、ちょうど良さそうだ。


よく研いで給水させた米に、1%程度の塩を混ぜて炊く。
炊き上がったらよく混ぜて、ぎりぎり手で持てるくらいまで冷ます。
麹は……入れない!

近所の野生化したバラン(葉蘭)を3枚ほど頂戴してきて、水洗いした後に日本酒をしみ込ませたペーパータオルでよく拭く。

熱湯消毒したタッパーに

空気ができるだけはいらないようにラップをかけて、その上からタッパーの蓋を乗せて全力で押し付け、無理やり閉める。
蓋に開いた空気穴から塩水を注入し、外気が入らないように隙間を封じる。

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もうお判りかと思うけど(ってか記事タイトルで言っちゃってるけど)作っているのは鮒寿司だ。
滋賀県が世界に誇る発酵食品である。


フナを送ってもらえることになってから、それで何を作ろうか、Twitter等で案を募りつつ考えたのだが、「干物」と「鮒寿司」にはやはり、僕の心のアンテナが強く反応した。
どちらもシンプルながらオリジナリティあふれる味が期待でき、またネタとしてのインパクトがある。

一方で、鮒寿司は自作経験がなく、用意すべき道具も含めてトライできるかどうかは半信半疑だった。
理屈としてはすごい簡単だし、せつなさんもオイカワとアユで作る様子を公開しているわけだけども、腐っても発酵食品なので(腐ってるし)一つ間違えると台無しになるどころか、こちらの胃腸が終わってしまう可能性が高い。
(せつなさんがされているように麹を入れると安全性は高まる)

何か月もかけて作って、失敗したら目も当てられない。
それだけならまだしも意地汚い自分のこと、「何とかして食べられないか工夫してみた」とかいう記事を書こうとして無茶した挙句、トイレから出られなくなるのは火を見るより明らかだ。

うーん……


そんなときにふと思い出したのが、以前和歌山に旅行に行った時に食べた「鯖のなれずし」である。

海に面した和歌山県では、昔からサバやサンマなどの海産魚でなれずしが作られていた。
これはなれずしといっても、5~7日ほどで食べられる「早なれ寿司」として賞味されることが多い。
暖かい気候が、短時間での発酵を可能にするのだ。
当然、麹は使用しない。
(カウンターパートとして、東北地方のなれずしでは麹を入れる)

一見すると普通の棒寿司のようだが、食べてみると酸味と塩味が強くてびっくりする。
早なれ寿司なので、乳酸発酵が大絶賛進行中の米も一緒に食べるのだ。
和歌山ラーメンのお供に良いというのはさもありなんである。


調べてみると、和歌山を代表する醤油メーカー「湯浅醤油」さんのウェブサイトに鯖のなれずしの作り方が載っていた。

これを、鮒寿司に適用してもいいんじゃないだろうか。
淡水魚であるフナは寄生虫がちと怖いが、そもそも冷凍で送られてきたうえにさんざん塩漬けされており、さらにこれから乳酸発酵環境下に置かれるのだからまあ何とかなるだろう。
滋賀県のように、卵巣を詰めたまま中骨ごと漬けるのは時間がかかりそうだが、3枚おろしで中骨もなければより早く漬かるに違いない。


ということで、上記ページを参考にしつつ、手元にあった道具と材料だけで作れるように変更したのが上記の調理フローである。
後は美味しく食べられたら、よいのだが……

自作鮒寿司(早なれver.)を食べてみた

タッパーを、暖房の風が届くところに1週間放置したものが

一方で早なれかつ米粒が立っているため、味としては東北の「いずし」にも近いかもしれない。
また当然、鯖のなれずしにも近く感じる。


とりあえず、現時点での発酵は成功と言っていいだろう。
鮒寿司は早なれでも美味しく、それらしく食べられるというのが分かったのはうれしい。
早なれでもなお、食べる人を選ぶとは思うけど……

味:★★★★☆
価格:★★★★☆



フナを取り出してできた隙間に、新たな塩ご飯を詰め込んで再度封をした。
これをいつ開けるかは、今の僕にもまだわからない。

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. 今回すごいな、鮒寿司って自作できるんやね。読み進めるのがワクワクする記事でした。
    長期保存後の記事も楽しみにしてます!!

    • いつもどもです(`・ω・´)
      もちろんできるよ! ……って自信を持って言えるのは今回成功したからであって、さらにこのまま長期熟成がうまくいくという保証は全くないんだけど、頑張りますww

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