先日、ペンさんに師事して岸壁採取を楽しんでいると、堤防脇の小磯のタイドプールに光る影が多数現れました。
ライトを向けてみると、嫌がって逃げるかと思いきや、より奥に奥にと入り込んできます。
試しにタモ網を振るうと大量の魚が入りました。
これは……トウゴロウイワシ……かな、それとも近縁種のギンイソイワシかな。
腹鰭の先端が肛門に届いていないから、これはギンイソイワシの方みたいですね。この2種は見た目が大変似ており、同じような生態で同じようなところに生息しています。
しかし、それにしてもデカいな……
ギンイソイワシ、トウゴロウイワシはいずれも堤防周りで非常によく見かける小魚で、大きくても10cmかそこらのものが殆ど。今回のは最大で15cmあり、またまるまると太っていてこの種とは思えないサイズ感です。
この2種はいずれも小魚であるゆえに市場価値のつかない「未利用魚」で、釣ったことはあるけど食べたことはない、という人も多いと思います。
でもここまで大きければ多少は食べごたえもあろうし、味の特徴なんかも掴めるだろうと思い、持って帰って食べてみることにしました。
ギンイソイワシの刺身は相当美味い
トウゴロウイワシのトウゴロウは「服を着たまま寝ること」を意味する「とんころ」という言葉から来ているそうです。
トウゴロウイワシもギンイソイワシも、鎧のような鱗で全身が覆われており、調理に当たってはまずそれをきれいに剥がしてあげる必要があります。といっても鱗自体はかなり薄く、親指の爪でこそぐだけで簡単に落とせます。
頭を落として、内臓を出してみますが……
なんじゃあこの内臓脂肪は!!??!??! まるで金アジのようなトロトロの脂がみっちり詰まっているじゃないですか…
こりゃあ期待できるぞと刺身にしてみました。
刺身にするつもりがなかったのでツマも飾りっ気もない盛り付けで恐縮です。
きれいに透き通った身が美しく、また表面が脂でテラテラしています。
うーん美味そう、いただきま~す
……(*´〜`*)うんめぇ…♡
採れたて新鮮なギンイソイワシはムチムチサクサクしており、軽やかながらも噛みしめると旨味を感じます。
そして特筆すべきはやはり脂のりの良さ! 醤油を弾き舌にとろける脂はとても上質で、身質も相まってカタクチイワシのようです。
見た目はキビナゴやサヨリ、トビウオにそっくりだけど、どちらもこんなに脂が乗ることはないので、正直今回のギンイソイワシのほうが評価は上ですね。もちろん鮮度が良かったのもあるけどね
小さいやつは内臓そのままで素焼きに。塩を振らなくてもちょうどよい塩気があって美味しいですが、内臓はかなり苦いです。あとちょっと磯臭さも感じますね。立て塩して干してから焼いたらもっと美味しいかも。
味:★★★★☆
入手難易度:★☆☆☆☆
良い魚でした。港の常夜灯の下によく群れているので、デカい個体がいたらぜひすくって食べてみてください。ビビるとおもう、マジで
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