大魚の「ハーモニカ」は食感が楽しい大トロ

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昨年末、北の魚に出会うために茨城方面の市場を巡ったのだが、途中の「ひたち南ドライブイン」で見たことのない煮付けを見つけた。
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真っ黒になってしまっているので元の姿はよく分からないが、POPによるとマグロの「ハーモニカ」という部位を使った煮付けだという。


調べてみると「ハーモニカ」は背鰭&尻鰭の付け根の部分で、鰭の基部の骨と、鰭を立てるための筋肉から構成されているとのこと。
骨の間に筋肉が入り込んでいるようすがハーモニカのように見えるからとか、また骨の隙間の肉をしゃぶって取るようすがハーモニカを吹いているように見えるからというのがこの通称の由来だそうだ。

鰭の付け根の肉ということは、ヒラメやカレイでいうところのエンガワに相当するのだろうか。
気になったので購入してみることにした。

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マグロの「ハーモニカ」の煮付けを食べる

パックを開けてみたが、ぱっと見は大きな肉の塊にしか見えない。
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煮汁が凝固しているということは、コラーゲンの含有量が多いのだろうか。
今ここで温められないのが残念だ。

いただきマース

…(・~・*)
うん、むちむちしていて美味しい。
やはりゼラチン質が多いようで、骨から身を剥がそうとすると箸が折れそうになる。
弾力があるが、身自体の歯ざわりは滑らかできめ細かい。
骨と身の間にあるゼラチンが、文字通り「膠」の役割を果たしていて、加熱するとこれがとろけてとても美味しくなるんじゃないかということが容易に想像できた。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



ぜひ、生の状態で手に入れたいなぁ…
そう思い、再び店内をうろついていると、冷凍コーナーにカジキのハーモニカを発見!!

気仙沼港で揚がったメカジキのものだという。
1kgほど入っていて600円と値段も安い。

早速購入し、持ち帰ってみることにした。

カジキの「ハーモニカ」を調理する

解凍したもの。
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メカジキの身は白いので骨との見分けがつきにくいが、マグロの「ハーモニカ」と同様、規則正しく並んだ骨の隙間に身が入り込んでいる。
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隙間の身はよく締まっているが、骨の付け根の身は柔らかく、まるでサシの入った牛肉のように筋肉の中に脂が入り込んでいる。
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これは…ちょっと刺身で食べてみたいなぁ。。
でも刺身用じゃないカジキって中りそうで怖いんだよなぁ。
一度中毒になったことあるけど、突然の発熱と頭痛でかなり難儀した。

とりあえず、数切れだけ味見してみよう。

いただきマース

…(≧~≦*)
これは…美味い!
食感は大トロというよりはカマの部分の刺身に近い。
肉がブリブリしていて、その隙間から脂がジュワッと溢れ出す。

これが刺身OKと明示されている肉だったら、美味いこと掻き出して全部刺身にしてやりたいぐらいなんだけど…
泣く泣く我慢。


残りは味の比較がしたかったので、薄めの味付けでさっと煮てみた。
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マグロと比べるとコラーゲンが少ないのか、冷めても煮汁は固まらない。
でも同じくらいコクがあるし、脂がのってトロっとした部分と、骨の隙間のぷりぷりした部分の食感の違いも楽しめる。

筋肉の隙間にコラーゲンの層ができている

筋肉の隙間にコラーゲンの層ができている


骨が大きくて歩留まりが悪いのがやや残念だけど、もともと安い部位だししょうがないかな。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

「ハーモニカ」の魅力は、トロのように脂ののった部分と、コラーゲンたっぷりでぷりぷりと弾力のある部分のどちらも一度に楽しめる点にあると思う。
マグロやカジキの水揚げ港周辺ならどこにでもありそうなので、気になった人はぜひ近くの遠洋漁業基地に行ってみてほしい。

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