メリークリスマス! 今宵は皆様もチキンやターキーなどお召しになっていらっしゃいますでしょうか。
ぼくはというとターキーをハントしようと思ったもののそんなに気軽にハントできるわけもなく(岡山のホロホロチョウいつかとっ捕まえて食べたい)何か代わりにハントできそうなクリスマスネタを探し求めて
江ノ島にいました。
狙ったのはもちろんそう
ヒイラギちゃんです。
クリスマスの飾りとしてあまりにも有名な木「ヒイラギ(柊)」と同じ名前を持つこの魚。ヒレのトゲをシャキーンと尖らせた姿が柊の葉と似ていることからこのように名付けられたそうです。
魚と植物で同名異種という例は実は少なくなく、サワラ、エビ、スギ、ゴンズイなどが有名です。
大きくても13㎝程度の小魚であることも、木の葉になぞらえられた理由かな。
群れで接岸し1匹釣れるとこればっかりになることや、
ぬめりがひどく手がぬるぬるになること、アタリはでかいけど口が小さいのでなかなか針に乗らないこと、どんな餌にも食いついてくること、ぬめぬめして持ちにくいのにトゲが刺さって痛いことなどで釣り人には広く嫌われています。
しかし、実は地域によっては大変珍重されているとても美味しい魚。飾り物にしかならない木の葉よりもずっとありがたい存在だと個人的には思います。冬にも釣れるしね。
ちなみに専門に釣る場合は河口近くのポイントがいいです。高水温期はイソメ餌の投げ釣り、低水温期はコマセで寄せてトリックサビキで釣るのが手っ取り早い。
ヒイラギ、いつも予想より美味い
釣れたヒイラギはまず塩をぶちまけてざるで揺すり洗いし、ぬめりを落とします。
口がみょーんと伸びるのがキライな人が多いらしい。確かに口伸ばさないとシマアジの幼魚っぽいのが、突然予想以上に伸びるのでファッ‼⁉ってなるんだよな。
小さい魚ですが、中骨がしっかりと固く三枚におろすのは簡単です。おろすと見事なツートンカラーでびっくりしますが、血合いや身の感じはアジとよく似ています。
皮もアジ同様手で剝くことができます。
煮つけや塩焼きにするときは三枚におろす必要もなく、頭を落として内臓ごと引っ張って取り、水洗いするだけでOK。ぬめりが多い分鱗がなく、下処理は大変らくちんです。同じ量のイワシやアジゴ釣るよりずっと楽だわ
というわけで刺身にしました。ケーキ屋さんで買ってきた柊の葉の飾りを添えます。クリスマスだからね!!
小さいのは煮つけにしました。
いただきまーす
…( ;∀;)やっべぇくそ美味い
やっぱり身質アジっぽい、方向性としてはシマアジですね。こんなサイズなのに脂がすごい。口の中でねっちょりとした後に一気に脂がとろけて甘さが口いっぱいに広がります。
さらに青魚のようなうまみも……君ほんとにアジ科と無関係なの!?(ヒイラギ科)
煮つけのほうもアジと似ているんですが、アジよりももっとしっかりとしてぽろぽろした質感。加えてカツオやマグロの赤身のような心地よい酸味が後味に残ります。おいおい絶品か
味が濃すぎて一切れだけでも十二分に楽しめる、というか酒が飲めます。最高ですね。
ヒイラギは高知でニロギ、福岡でトンバなどと言われて珍重され、市販もされます。いずれも泣く子も黙るサカナ食いの土地、もっと大きくてうまい魚もいっぱいある中でわざわざこんな面倒な小魚を食べているというところからもこの魚のおいしさはうかがい知れるものです。
ぼうずコンニャクさんとこで旬は夏ってなってたけど、この時期でも十分脂乗ってたわ。夏はもっとすごいんでしょうかね、確認しなくては。
東京湾より西の海にはいっぱいいますので、食べたい人は自分で釣るのが一番手っ取り早いかと。クリスマス無関係にうまいのでぜひ食べてみてください。
今宵はクリスマスイブ。皆様におかれましてはぜひよき聖夜をお過ごしください。
ちなみによく知られていることですが、12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は 1年間で最も背が伸びる人が多い「成長の6時間」です。小魚一杯食ってよく寝ろ。
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