今回釣れた深海魚たちのアラをどちゃっと入れて潮汁にしてみた。
獲れたて新鮮な魚とはいえ、普段は食用にされない深海魚。
臭みなど気にならないか少し心配だったのだが、全くの杞憂だった。
ただどれもこれも黒い魚だったので、汁がまるで醤油ベースであるかのように黒くなってしまったのが少し残念。
イバラヒゲの内臓はとても有用
パーツごとに食べていってみよう。
一番大きく目立つのが
イバラヒゲの肝だ。
大きくて柔らかく食べ出がありそうなのだが、汁のせいで灰黒色に濁ってしまった。
断面は本来の黄土色。
いただきマース
…(`・~・´)
うん、美味しいね。
脂がとても乗っていてコクがある。
タラの仲間は身に脂が乗らない代わりに肝臓に脂肪を溜め込むので、常に脂肪肝みたいなものだという。
そのくせ鮮度の落ちが極めて激しいので、肝臓を流通させることは難しい。
イバラヒゲの肝が本家マダラと比べてどうなのかはわからないが、生臭みもなく十分に楽しめた。
釣り人の特権というやつだね。
これ単体でさっと煮付ければそれなりの逸品になりそう。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
次は胃袋。
こちらもタラらしく非常に大きく、そして肉厚だ。
「鱈腹」食べるタラ類は、その丈夫な胃袋で底生生物を片っ端から食べてしまうという。
そして常に食べ過ぎ状態であるため、胃潰瘍を発症しやすいそうだ。
実に親近感が沸く。
イバラヒゲの胃袋はどうだろう。
加熱するとさらに肉厚になり、まるで牛ミノや豚のガツのような見た目になった。
これは美味しそうだ。
…(≧~≦)
これはいい!
むちむちして歯ごたえがありながらも、サクサクと噛み切れるうえ、内臓脂肪のおかげで味にもコクがある。
臭みやエグみはなく、薄味でも全く問題ない。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
卵巣も出てきたのでいただいてみる。
腹から取り出したときはだらりとして水っぽく頼りなかったが、加熱すると皮がパツッと締まって卵巣らしい形になった。
…(`・~・´)
うん、フツーに美味しい。
フツーの卵巣だ。
フツーすぎてコメントできない。
次回は塩漬けにして深海タラコにしてやろう。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
おまけ
ギスの浮き袋も追加投入。
見た目はゴージャスだが、食感ははんぺんそっくりで味もとくに言うことのない魚の風味。
…ってそれもう只のはんぺんじゃねーか。
今度はおでんに入れてやろうかな。
コメント
やっぱり内蔵美味しいんですね〜。
胃袋が特に魅力的です。
さかなの胃袋、美味しいけど、なかなか沢山は手に入りません。
一度タラ狙いに行った時に釣り過ぎ、リリースするわけにもいかず持て余しました。
深海魚釣りは、そこが一番悩ましいように感じます。
でかい胃袋、旨そうですね!
無駄にしない系の伝統料理は沖縄のチーイリチー(血の炒め煮)はどうでしょう。
既知であれば恐縮です。(その可能性はかなり濃厚と思いますが)
ヤギも牛も豚も食べますが、昔は豚が一番ポピュラーだったと思います。正月には豚を屠った血で雑煮を作っていたそうです。
しかし、内地の食文化をベースにした関係法令の厳格適用により豚血のチーイリチーは衰退し、今では金武町でしか外食できないと思われます。(個人的にはかなり問題に感じます。)
ヤギのものは沖縄全土のヒージャー料理店で食べられますし、牛もたまに見かけます。