たいへん貴重な今年のイカナゴでくぎ煮2017ver.(スダチ入り)を作った

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「野食のススメ」第10回の記事が公開されました!(2017.4.1)
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「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!


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僕が一番好きな魚は何かと聞かれると、非常に迷ってしまうのだけど、候補に必ず上げたいのが

イカナゴ
一昨年までは断トツでクエ、ないしはアコウダイの名前を挙げていたのだが、今ではそこにイカナゴが堂々と名を連ねるようになった。

昨年、生まれて初めて生のイカナゴ(大物なのでオオナとかメロウドなんて呼ばれたりもする)を食べて衝撃を覚え、それ以来常に僕の頭の中に美味の記憶がこびりついたままになっている。
あまりに美味しすぎて、気が付いたら内臓も頭もついたままで水鳥のようにバクバク食べていた(鏡を見て我に返り、あわてて止めた)。

イカナゴ(大)が美味しすぎて人間の尊厳を失いかけた件

イカナゴの天ぷら&ふて揚げがビールを無限に盗み続ける件

イカナゴでアンチョビを作ろうと思ったけど完成まで我慢できなかった


一年経ち、今年も豊栄水産さんからイカナゴが送られてくるのを首を長くして待っていたのだが、待てど暮らせどやってこない。
翔さんに聞いてみると「今年はひどい不漁で漁獲制限がかかり、漁の早期打ち切りも決定した」とのこと。

さらに数日後には「記録的な大不漁で今年は送れない」という連絡が……


あああ残念(;ω;)
でもしょうがない、イカナゴは瀬戸内の食物連鎖ピラミッドの基礎をなすもの。
相模湾では獲りすぎによって沿岸のシラスが激減し、大型魚が沿岸まで回遊せずに不漁となってしまっている例もあるという。
少ないものを獲りすぎればピラミッドが崩壊し、他の魚たちもいなくなってしまうのは幼稚園児だってわかること。

瀬戸内では「春の風物詩」「これがないと始まらない」とまで言われる魚であるにもかかわらず、漁の早期打ち切りを決定した漁師さんたちは本当に素晴らしいと思うのだ。


しかしある朝、翔さんからLINEが入っていたので開いてみると

「高いですが、最高のオオナが入ったのでぜひ食べてもらいたくて送りました<(_ _)>」

キター!!
今年は絶対食べられないと思ってたので超嬉し-!!


確かに例年と比べるとかなり高価、ちょっとした養殖クエくらいの値段はするけど、それで生のイカナゴを送ってもらえるなら全然いいです!
やっていきましょう。

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くぎ煮は香酸柑橘を入れると美味い

鮮度が落ちないうちに、まずは袋に詰まった新子の方から調理していこう。


去年、本場のレシピをウェブで調べてくぎ煮を作ってみたのだが、その時の記事にコメント欄でいくつか有益なアドバイスを頂いた。

・火力は強すぎない
・鍋は大きいものを使う
・水飴を使うときれいに仕上げやすいが、固くなる
・煮汁が完全になくなる前に火を止める
・山椒やレモンを入れても美味い

とくに最後のアドバイスはなかなか興味深かったので、今年はスダチを使ったフレーバードくぎ煮を作ってみることにした。


イカナゴは流水でよく洗い、ぬめりをきれいに落とす。

今回のものは昨年のものよりもふたまわりほど大きく、また個人的にはホロホロとした食感のものが好きなので、今年も水飴は使わないレシピにしてみた。

鍋に

ドォォォォン


・キビ砂糖250g
・薄口醤油200g
・みりん150㏄
・しょうが50g
・日本酒100㏄
を入れて沸かし、そこに1㎏のイカナゴを


少しずつ加えて、


強火でぐつぐつ。
とんでもねぇ量のアクが出るので丁寧に丁寧に、ひたすらよくとっていく。


ペーパータオルも使って、できる限りすべてのアクを排除!

アクが取れ終わったらそこに

スダチ6個分の果汁を絞りいれる。


中火にして水分を飛ばし、徐々に火力を落としながら


98%ほど水分を飛ばしたら


そのまま冷まして落ち着かせれば


完成!


うーんいい感じのホロホロ具合……
もうがまんできなぁ~い
いただきマース

……(≧~≦**)
キター!!! 我が家にも、ついに、春が……!!!!

ホロリホロリと口の中で崩れる食感はまさに期待通り。
このサイズになるとアミエビをかなり食べているのか、脂の乗りもかなりよく、煮つゆの味に全く負けていない。

そして、スダチですよ……! 最強かよこれ。
レモンVer.を食べたことがないのであまり適当なことはいけないけど、スダチが一番合うんじゃないでしょうかねこれ。
ノーマル(生姜だけ)のくぎ煮よりもワイはこっちの方が好きやね!!

味:★★★★★
価格:★★★★★
(今年はね。)



1kgのくぎ煮ですがたぶん3日くらいでなくなりそうです。
スーパーハイカロリーだけど気にしなぁい!!

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魚介その1(魚系) 魚市場 豊栄水産
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コメント

  1. こーめい より:

    こんにちは!いつも楽しく拝見しています!今年のイカナゴの記事を楽しみにしていました~!笑 昨年の記事を初めて拝見した時、オオナの刺身や天ぷら、ふて揚げ、アンチョビ風に調理した物を見てなんて美味しそうなんだ!と興奮して涎が出てきたのを思い出しました。笑 それから何回も同じ記事を見て美味しそうだな~、来年も楽しみだな~なんて思っていたのですが、今年は不漁なんですね。ちょっと残念です笑
    でも茸本さんの作ったくぎ煮を見て美味しそうだな~と思えたので満足です!笑
    ちなみにちょっと図々しい質問なんですが、前回作ったオオナのアンチョビはあの後どんな風に召し上がったのですか?
    自分の記憶違いかもしれませんが、その後の記事は無いと思ったので。
    1年も前の事を突然すみません。どうしてもあのオオナのアンチョビが気になっていたので。笑

    • wacky より:

      ありがとうございます! アンチョビですが、あの後ひと月ほどできれいに食べつくしてしまいました……保存食なのにまったく保存にならなかったというw

  2. より:

    1尾2~3cm位のが生食用が売ってたので試しに買ってみたらそんなに小さいのにうま味が強かったです
    1日醤油漬けにしただけでもイカの塩辛みたいなうま味がありました
    大きいのとか更に脂乗ってて凄そうですね…

    • wacky より:

      そうそう! そうなんですよ~。小さくても大きくても、生が一番うまいと思ってます。
      でもそんな「生シラス」風に売られてるんですね!

  3. 西洋呑み屋 より:

    ちなみに、そのサイズになると、瀬戸内では釜揚げシラス(ボイル)として出荷され、これまたメシ泥棒な奴に。w

    • wacky より:

      僕も今回それやりたかったんですけど、くぎ煮分しかなかったので……
      来年はチャンスがあったらやりたいですね!

  4. 西洋呑み屋 より:

    あ、今年の釘煮の成功、おめでとうございます。(イロイロな意味でw

    • wacky より:

      いえいえこちらこそ、ありがとうございます。いろいろ参考にさせていただきました!

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