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cakesにて茸本朗の連載
「野食ハンターの七転八倒日記」
が始まりました!
野食失敗体験を中心に、ブログとはちょっと違った切り口の記事を公開していく予定です。
合わせてお楽しみいただけると嬉しいです。
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「僕は君を太らせたい」
西日本の皆さま、豪雨被害の御見舞いを申し上げます。福岡に友人が、そして岡山に親類が山ほどいる身として、他人事とは思えず日々ニュースを注視しております。
大変ななかこんなインターネッツの僻地までお越しいただきありがとうございます。ぼくにできることはあまりありませんが、心ばかりの寄付をさせていただきました。
あとはこのブログを頑張ってやっていくことで換えさせていただければと思っております。
さて、こちら関東ですが、梅雨明けの夏本番がやって来てしまっており、煎られる大豆の気持ちを痛感する日々です。
これだけ暑くなると美味しくなる魚がいます。皆さまもお分かりですよね。
そう……
マゴチです!
いま「ウナギやな」って思った人、そろそろ平賀源内の掌で踊らされるのはやめようぜ。
旬の魚を食べるのが一番体によく、元気が出るものなのですよ。
この時期のマゴチは「照りゴチ」とも呼ばれ、夏の日射しか照りつける頃に旬を迎えます。
旬と釣りやすい時期が一致するタイプの釣魚で(多くの魚は釣れやすい時期≒産卵期ノットイコール旬)、さらに同じ場所で釣れるヒラメがこの時期に味を落とすため、相対的に珍重されるという事情もあったりします。
なので関東ではこの時期、マゴチ釣りがとても人気があるのです。
(とはいえ、時々卵巣が肥大したマゴチを捌いてしまうことがあり、凹みますが)
さて、先日、ボートマスターNさんが釣ってきたという大きなマゴチをいただきました。
やはり持つべきものは近所の釣り名人ですな!
下処理に熟成準備まで完璧になされたマゴチ、このまま薄造りに仕立ててポン酢にもみじおろしで食べれば最高に美味しいのは間違いないわけですが……
ぼくはあえて別の食べ方をすることも多いです。
それはさしつけスープ。
「魚のあらで出汁をとり、それで刺身をしゃぶしゃぶして食べる」さしつけ鍋という料理がありますが、これはそのスープバージョンと考えてもらえると分かりやすいです。
マゴチのあらから採れる出汁はすべての魚のなかでも最高級のもののひとつで、またマゴチのようなゼラチン質の多い魚は加熱することでより深い味わいを顕します。
なので“さしつけ”にすることで一番美味しい状態で食べることができるわけです。
作り方は大変シンプル。
まずはマゴチを捌きます。
ワニ型の魚でも、スズキ型の魚と手順は変わりませんが、骨の位置を理解していないとちょっと難しいかもです。
はじめて捌くときはできるだけでかいのでやった方がいいかも。
あらを素焼きにして出汁が出やすくしてから、多目の水でコトコト煮ていきます。アクを取りながら一時間は煮たい。
サク取りした身は薄目のそぎ切りにしておきます。
とれた出汁に味付けをしますが、個人的にマゴチには中華が合うと思っています。なので中華スープの素を、マゴチの風味を消さないよう少量入れて、あとは塩で味を整えます。いい塩を使うのがコツ。
溶き卵を入れてフワフワさせ、火を止めます。
最後に、そぎ切りにした身を入れて、余熱で火を通し、
胡麻油をひとまわしかければ、完成!
……(≧~≦)
ウマー!!
もはや説明不要の旨さ!
皆さんの脳内でなんとなく想像できてるそれ、その美味しさをあと3倍くらいにすれば正解です。
旨味がともかく強く、汁をすすると「ア ミ ノ 酸 ! !」という横断幕が頭のなかに広がります。
最低限だけ火の通った身は歯応えを残しつつ、舌の上でホロリと崩れていきます。
上品なようで暴力的な美味、と言う例えがしっくり来ますね。。
味:★★★★★
価格:★★★★☆
コンソメと合わせて洋風にするのもかなりポイント高いです。良かったら食べ比べなどやってみてください(`・ω・´)
コメント
いつも楽しく拝見しています
一つ気になるのがまな板の傷です
魚と包丁についてはかなり気を使っていると思いますが
後ろに見えるまな板の包丁の跡が目立ちます
頻繁に使うたび削るのは厳しいと思いますが
「自分で山から切り出す」位の仕事を期待しています
まあ今は安くなったのですぐに手に入ると思いますが・・・
たびたび登場するラーメンどんぶり、鳥栖に向かうとこのあの店のだったんですね