「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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金持ちで有名なべーやん大先生(※本人は悪意のあるギミックだと主張している)が先日深海釣りに行かれた際、ヘンなサメを釣り上げなさったとのことで僕のところにLINEが来た。
このぷにぷにした質感、くるんと丸まる習性、深海性、これは……ナヌカザメ!
食べてみたかったんだよね~ありがたや。
持つべきものは雑魚を融通してくれる友人ですな!
ナヌカザメ、かわいい
ナヌカザメは水深100mくらいのところに多いサメで、中深海釣りの外道の1つとされている。
陸に上げても7日は生きているほど生命力が強いので「七日鮫」らしいのだが、べーやん曰く「すぐに死んだ」そうで……
でも、生命力が強いのは確かなようで、深海性にもかかわらず浅場で釣れて来たり、あまつさえ水族館のおさわりコーナーにいたりすることもある。
サメというだけあって歯は鋭いが、全体的には
ずんぐりした体形、
ぺったんこの頭と眠そうな目、
ぷよぷよしたお腹など、サメらしい獰猛さは見いだせない。
柄もあって、なんだかゴマフアザラシに似ている。
敵に襲われたときは
「胃袋の中に大量の海水を飲み込んで膨らみ、岩の隙間などに挟まって捕食されないようにがんばる」
という習性もあるそうで、なんていうか完全にゆるキャラの類です。
でもごめんね、可愛くても食べちゃうんですよ~
ナヌカザメを捌いて食べてみた
まず、お尻の穴から包丁を入れてお腹を開き、内臓を取り出す。
オッフ……
肝臓デカいっすねぇ……さすが深海ザメ……
彼らは通常のサメ同様浮き袋を持たず、体内の尿素で浮力を得るのだが、深海性のサメはそれに加え巨大な肝臓に大量の肝油をため込み、さらなる浮力を得ているものが多い。
この肝臓を炒り煮にしたら、スクワランたっぷりの肝油が採れると思うのだけど、それは以前やったのでもういいかな。
持ってみると、想像の3分の2ほどの重量しかなく、さぞかし浮力を稼げるだろうな……と思う。
内臓を取り除き、鰭を切り取って2枚おろしにする。
骨のついた半身はペンさんにあげることにして、残りの半身をどうしようか。
とりあえず、皮が堅そうなので、端を掴んで引っ張ると、めりめりと音がしてきれいにはがれていく。
腹身のところ、繊維質で美味しそうだな。
ちょっと血が回ってしまっているのが気になるけど。。
刺身で味を見てみよう。
……(´・~・`)
あんまし美味くねぇな。
血の生臭みに加え、軟骨魚類独特の匂い(メンソレータムにも似てるんだけど、やっぱり尿素なのかしら)を強く感じる。
後味も、塩化アンモニウム系のえぐみを少し感じる。
塩をして一晩おいてから洗って食べたら多少は変わるかもしれないけど、そこまでするほどのものでもないな。
生だとしんどい身質も、火を通すことで化けることは往々にしてある。
加熱してみよう。
たっぷりのオリーブオイルでじっくりとソテーして、
かんきつ系のカクテルでオレンジソースもどきを作り、回しかける。
……(`・~・´)
うんうん、悪くない。
加熱するとゼラチンの風味を強く感じるのはさすがサメといった感じ。
もちもちとしてよく締まった肉質になり、歯ごたえがとても良い。
軟骨魚類は加熱すると、苦じょっぱいような塩化アンモニウムの風味が現れることがあるのだけど、オレンジソースはそれをうまく消し去ってくれるのでいいですね。
美味しんぼの軟骨魚の回に出てきた(確かアカエイ料理)んで真似してみたけど悪くないです。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
まあでも、身のことだけ考えれば、サメの中でも中の下といった味わいで、そこまでのものではない。
やっぱり、この魚の真の魅力は
内臓にあるんじゃないかと思うんだよなぁ……
明日は内臓でいろいろやってみよう(`・ω・´)
コメント
捌いて肝臓を出した時の写真に人差し指をピンと立てた人の手のようなものが、、、
一瞬見間違えて怖かったです。